短いお話、呟きました(笑) 

久しぶりの更新です(^O^;)(笑)
日頃、Twitterでお世話になっているエスエヌ様に、ブログ更新するキッカケを頂きました(^-^)(笑)
それは私がTwitterで投稿した、四つ葉のクローバーの写真から始まりました。
「小説が書けるか、書けないか」
というところから、まず!エスエヌ様が絞り出して下さいました(笑)
その最初の一節をお借りして、私も久々に書いてみた訳です(笑)
同じ真三洲ですが、内容は全く違います。
私の書いた、真三洲のテーマは【花言葉】です(笑)
短いお話ですが、読んでみて下さい(^-^)
エスエヌ様、今回は本当にありがとうございました💕(笑)


【花言葉】

そう言えば、あれは何年前だろう……。
アラタさんを下に組み敷いて共に高みを目指している最中。
流れる汗が目に入り、もう少しで目も眩むような頂上に達するという時。
あと少しで……。あと少し……。あぁーー。
ふと視線の先に、四つ葉のクローバーを見つけた。
【↑エスエヌ様のTwitter引用】

果てて、アラタさんの横に転がる前に…。
グッと手を伸ばし、四つ葉のクローバーを摘む。
摘んでから、転がった。
そして、アラタさんの目の前に四つ葉のクローバーを差し出してみる…。

「アラタさん、見て?四つ葉のクローバー💕」

同時に果てたアラタさんが、ゆっくりと瞼を開く。真行寺の長い指でアラタさんの、汗で濡れた前髪を梳いた。

「…四つ葉のクローバー…?」

子供の頃、目にしたことのある、小さな4枚のシロツメクサの葉。

「…なぁ、真行寺…四つ葉のクローバーの花言葉、知ってるか?」

「四つ葉の…花言葉?…それ、聞いたことないかも」

意外だった。アラタさんの口から花言葉とか。

「Be mine」

???いきなり、横文字。

「…Be…mine?…どんな意味?」

横文字は、正直…得意ではない。
あ、でも…I LOVE YOUだけは知っている!

「知りたいか?」

「うん💕知りたい💕」

「…どうしようかな?」

「え?どうしようかな?」

「教えるの」

「え、教えてよ!」

こんな時の意地悪も、今始まったことではないけれど。でも、でも、ここは焦らさないで、テンポ良く教えて欲しい…。

「…仕方ない、教えてやるよ」

「仕方ないって…ヒドイよぉ」

自分から振ってきたのに…。

「…私のものになって、私を想って下さい」

アラタさんの視線は、青空を見上げていたけれど、その横顔はとても穏やかで、優しかった。

「…それ、俺の言葉みたい💕」


「そうだな…ふふっ」

アラタさんが笑った。別にふざけた訳じゃないよ?
俺の本心。
でも、何だか…アラタさんからのプロポーズみたいな気もするんだ。そんなこと言ったら、怒られちゃうかな?俺の心の中に仕舞っておくよ💕

「でも、素敵な花言葉だね?」

花言葉なんか興味なさそうなのに。アラタさんに、そんな引出しがあった事。
昔、意味も知らずに四つ葉のクローバーを、辺りが暗くなるまで探したっけ…。こんな深い意味があったなんて。今日はアラタさんに驚かされて…もっと好きになった。

「…この四つ葉のクローバー、タウンページに挟んどこっかな?今日の思い出に♥ふふっ♥」

「…青姦の思い出か?」

「アラタさん、それは言っちゃダメ♥ふふっ♥」


「ホントの事だろ?…ふふっ」

言葉にしたら、何かアレだけど…。二人だけの秘密だからね♥

「四つ葉の1枚、1枚にも意味があるんだよ」

「そうなの!?」

真行寺はまた驚いた。

「満ち足りた愛、名声、富、素晴らしき健康。4枚揃って “真実の愛” なんだそうだ」

「アラタさん、すげっ!」

先にも言ったけれど、意外過ぎて、逆に萌える♥
実は…乙女チック?シロツメクサの花冠が似合いそう♥
真行寺の妄想は止まる事を知らなかった。

「母親が教えてくれたんだよ。小さい頃の記憶なんて、余り覚えてないけどな…だけど、これは何故か覚えていたよ」

優しく微笑みながら、着衣の乱れを整えて “そろそろ帰ろう”と続けた。

「うん♥今日は色々と勉強になりました」

四つ葉のクローバーのお蔭で、真行寺が知らないアラタさんを発見出来た。
アラタさんと出逢えて良かった、今ホントにそう思う。今、ホントに幸せ♥

「帰ろっ♥」

二人の愛の巣へ…。
アラタさんの手を取り、二人で歩き出した。



オシマイです(^-^)v

special Thanks.→エスエヌ様♥

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『ふたつの冬の物語 完結』


「黒子っち、お風呂サンキューっス♪」

「はい……あの…やっぱり、ボクのパジャマじゃ小さいですね…すみません」

風呂上がりの黄瀬を見ると、何だか可哀想に思えてきた。パジャマのズボンが、ツンツルテンだし…袖も七分袖になっている?イケメンモデルが、マジで台無しである…。

「え?あ~、良いっスよ、別に。何か、黒子っちの匂いがして、ムラムラするっス

「キ…キモいこと言わないで下さい!それ、ちゃんと洗濯してありますから!」

「…もぉ、冗談スよ~、黒子っちぃ…」

黄瀬が変なことを言うので、黒子は余計に緊張してしまう…。

「あのっ、母が布団敷いてくれたので…黄瀬君は、ここへ寝て下さい…」

黒子の使っているベッドの横に、お客さん用の布団が敷かれていた。

「…黒子っちも、こっちで寝るっスよ

「…ボ、ボクはっ…ベッドで寝ます…」

「えっ、それじゃ…黒子っちの顔が見えないじゃないっスか~!」

「…見えなくて良いですっ…。寝顔見られるの…恥ずかしいですから…」」

黒子の寝顔は、中学時代…バスケ部の合宿以来、見ていない、天使のような寝顔…。あの時…何回、黒子の口唇を奪おうと思ったことか…。

「それに……独り寝は寒いんスよ?…だから、黒子っち

黒子の手を引き、腕の中に閉じ込めると、シャンプーしたての香りが、黄瀬の鼻を擽る…。

「黄瀬君…」

「…黒子っちっスよ…こーゆーことは、ウチでしようって言ったの…」

「…そうですけど…ボク、初めて…なんです…」

黒子は、もじもじと、恥ずかしそうに俯いた。

「…黒子っち、バスケやってる時は、すっごい男前でカッコいいのに…こんな時は女の子みたいになっちゃうんスね

超ーーーーっ可愛いっスーーー

「…女の子じゃありません!黄瀬君みたいに…慣れてないだけです…」

顔を真っ赤にして反論した言葉が、黄瀬の胸にグサリと刺さる。

「黒子っち、ヒドイっスよぉ…。俺、そんな遊んでるように見える!?」

「…見えます」

「黒子っち~っ!」

黄瀬は、だんだん涙目に……。大好きな黒子と付き合うことが出来たのに、まだまだ信用されていないような…。手は繋いだけれど…、まだ手を出してはいない。ガッつき過ぎて、嫌われたりしたら…。

スゴいショック…。

だから、大事にしたいのだ…この恋を。

「…黄瀬君、冗談です。何も…泣かなくたって…。イケメンが台無しですよ…」

黄瀬は、こう見えて…泣き虫だったりする。黒子は“ごめんなさい”と言いながら、黄瀬の涙を拭ってあげた。

「…黒子っち

「苦しいです、黄瀬君…」

堪らなくなって黒子を、ぎゅぎゅっと抱きしめる…。黒子に苦情を言われたけれど…構わない。それ
くらい黒子のことが好きなのだ。

「好きだよ……黒子っち…」

「…ボクも好きですよ…黄瀬君」

「…今夜…一緒に寝てくれるっスか?」

腕の中にいる黒子に、そっと聞いてみる。少し時間を置いてから、その返事を漸く貰えた。

「……良いですよ」

頬を、ほんのり赤く染めて、黄瀬を見上げた。そうと決まれば、体が冷えないうちに布団へ潜り込む…。二人だと、やっぱり温かい…。黄瀬の胸に抱かれていると、何だか落ち着く。

「…黄瀬君、ボク…今、スゴくドキドキしてます…ほら」

黄瀬の手を取り、自分の胸に導く…。

「黒子っち…俺もドキドキしてるっス

「…ホントですね…」

黄瀬の胸に耳を当ててみると…パジャマ越しに鼓動が、激しく胸を打っているのが分かった。

「こんなに心臓が煩いの…黒子っちだけっスからね…」

「…バスケの試合の時よりも…ドキドキしてます」

「ねぇ、黒子っち……その…キスしても…良いっスか?」

黄瀬はずっと、この時を待っていて…もう、限界だった。

「……はい…ボク達、恋人同士ですから…」

「黒子っち…」

この人生で、初めて触れた同性の口唇は、思っていたよりも柔らかくて…正直、驚いた。口唇を離すと、黒子と目が合う…。

「…黒子っちの口唇…柔らかくて、気持ち良いっス…」

「……君だって、んっ…」

言うが早いか、黒子は再び口唇を塞がれた。堪らなくなって、黄瀬の背中に腕を回し…強く抱きしめる。もう、このまま…いっそ、黄瀬に抱かれても良い…。黒子は、そう思った。

二人の恋は未来に向けて、駆け出したばかりだ…。


*°*°*°*°*°*°*°*°*°*°*°


「…ねぇ、アラタさん?」

「…ん?」

「あの二人…どうしたかな?今頃、二人でいるのかな?」

成人した二人…三洲と真行寺も、もうベッドの中にいた。

「…さあな…。高校生だし、あんまり遅くなれば親が煩いだろ?」

「うん…そうだね。俺達はその点、寮生活で良かったよねっ同じ建家にいたし…中々時間が合わなかったけど…。あ、ちょっと待ってて」

何か思い出したのか、真行寺はベッドを抜け出し、自室へ…。三洲はこの時、ちょっぴり眠くて…真行寺が戻ってくる前に、寝落ちしてしまいそうだった。暫くして、真行寺が戻ってきた。

「ね、アラタさん?これ見て」

「…ん?」

「これだよ、キセリョ」

真行寺が自室へ取りに行った物は、ファッション雑誌だった。三洲にも見せてあげたかったから…。何パターンか、流行りの洋服に身を包み、ポーズを決めているカットが載っていた。

「あぁ…さっきの…」

「うん…キセリョって、まだ16歳だけど…洋服によって大人っぽく見えるよね~?洋服の着こなしに関しては俺も、もっと勉強しなくちゃな~」

言って、ふと隣を見ると…恋人はもう夢の中…。

「え!?…ウソ!?アラタさん…寝ちゃった?まだ、おやすみのチューもしてないのに!?」

「……煩いぞ…真行寺。早く寝ろ…」

「なんだ~起きてんじゃんアラタさん、おやすみのチューしよっ

「…もう眠いし…面倒くさいんだよ…」

その言葉を最後に、三洲はホントに寝てしまったようだ…。一人取り残された真行寺は、愕然として、三洲の寝顔を見つめた…。

「…キセリョ達は…やっぱ、ラブラブなのかな~?今頃…。はああああああ…」

夜の静寂の中、真行寺の深~い溜め息だけが切なく響き渡った…。



オシマイ…。o(^o^)o

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『ふたつの冬の物語2』


「雪…結構降ってきましたね…?風もないし、積もりそうですよ…」

「うん…。黒子っち、寒くない?」

「…寒いですよ。やっぱり傘がないとキツイですね?」

「…ごめんね、黒子っち…。俺がイルミネーション見ようって言ったばっかりに…」

風邪でも拗らせたりしたら、誠凛バスケ部の連中に怒られてしまうかも…。黒子は、それだけ大事な存在なのだから。

「謝らないで下さい…。ボクも…君と一緒にいたかったから…良いんです」

「…黒子っち…」

「黄瀬君、イルミネーション綺麗ですよ…」

街路樹に巻き付けられたLEDが、蒼白く光り…雪の演出もあって、とても幻想的だ…。

思わず、足が止まり…その風景に見惚れる。


同じ頃、反対方向から三洲と真行寺が歩いてきた。


「アラタさん、イルミネーション綺麗だねふふっ

「…そうだな」

イルミネーションを見に行くのを、渋っていた気持ちも不思議だけれど、今はもうなくなっていた。

「やっぱり好きな人と来るのが、一番だよねひとりぼっちじゃ…虚しいよ?アラタさんがいてくれて良かったふふっ

外が、どんなに寒くたって、気持ちだけは温かくなる…。

「…俺もだよ、真行寺」

ポケットの中で繋いでいる手を、きゅっ…と握った。

「…え…」

思ってもみなかった言葉に、いつもヤラれてしまう真行寺は、居ても立ってもいられない。今すぐにでも抱きしめて、キスしたい…。

「アラタさん…」

ゆっくりと、顔を近づけて行くと…三洲の冷たい指先が、真行寺の口唇に触れた。

「…真行寺、我慢しろ」

三洲が小さく呟いた。人通りは疎らだが、だけど人目が気になってしまうから…。


そのやり取りを見た人がいた。


「…黄瀬君、見ました?」

「え?何をスか?」

「…何か、あの人達…カップルみたいですよ?」

黒子がコッソリと、指を差した。

「得意の人間観察っスか?黒子っち、ダメっスよ?そんなジロジロ見ちゃ…」

「…別に見たくて見たんじゃないですよ?たまたまです。ボク達みたいに、男同士ですよ…」

「…つーか、黒子っち…何見たんスか?」

訝しげな表情で、黄瀬が聞く。すると、黒子は黄瀬の上着の襟をグッと引き寄せ、耳許に口唇を近づけて、コソコソ話す。

「…あの背の高い人が、隣の人にキスしようとして、止められてました」

「あはっ…黒子っち、ダメっスよ!俺、耳弱いんスからっくすぐったいっス!」

「…黄瀬君、ボクの話聞いてました?」

上目遣いで、黄瀬を見つめた。

「…聞いてたっスよ。中々、大胆っスね?」

「…こう言うのも何ですけど…。中々、画になってましたよ?あの人達、どっちもモデル並にカッコいいですし…ボク達より、年上ですよね?きっと」

「気になるっスか?」

「気になると言うか…。何歳くらいか分からないですけど、ボク達もあの人達くらいの歳になっても、ああして仲良くしていられると良いですね…」

綺麗なイルミネーションの所為か…ちょっぴり、恥ずかしくなるようなことまで言えてしまう…。


一方、噂されている二人は…。


「…アレ?」

「…なんだよ?」

少し離れた所に、どこかで見たことあるような人がいる。イルミネーションの灯りだけでは、頼りないものだけど…。その微かな灯りに浮かび上がる顔。どこで見たか…?暫く考えてから真行寺が、ハッと思い出した。

ファッション雑誌だ。

「…あれ、キセリョじゃね!?」

「…は?……キセリョ?なんだそりゃ?」

三洲は何のことか分からず、真行寺を見上げた。

「俺が買ってる雑誌に、時々載ってるモデルでね、黄瀬涼太っつー子なんだけど…。まだ現役高校生で…バスケ部のエースなんだって」

「…お前、やけに詳しいじゃないか?」

「や、別に詳しくないよ?プロフィールに、そう書いてあったからさ…。でもやっぱ、モデルだけあってイケメンだよね~♪…って…アレ?アラタさん…もしかしてー……怒ってる!?」

「…別に、怒ってないよ」

無意識に声が低くなる。他の男の話は、正直聞きたくはない。出来れば、自分のことだけを見ていて欲しいのだ。

「…何か、声がコワイんですけど…」

真行寺は、三洲の機嫌を直すテを必死で考える。


そして、キセリョ達は…?


「…あの、黄瀬君」

「ん?何、黒子っち」

「…この後のことなんですけど…。やっぱり、ウチに来ますか?」

「え…でも、さっき…」

「イルミネーション見てたら…何だか、気が変わっちゃいました…。魔法にでも…かかっちゃったみたいです」

黒子はそう言って、恥ずかしそうに俯いた。いつも、あまり時間がない上に、学校も離れている。今は冬休みだから、多少の自由が利くはずだ。本当は…黄瀬と、もっと話をしたい。黄瀬のことを、もっと知りたい。もっと、黄瀬に寄り添ってみたい…。

「…ウチ、来ますか?」

何となく、躊躇っているように思えて…黄瀬に再び聞いてみた。

「…泊まっ…ても、良いってことっスか?」

「…はい

「く、黒子っちーーーっ!!今夜一晩中、一緒にいられるっスね

黄瀬は嬉しさのあまり、人目も憚らず黒子に抱きついた。

「…ちょっ、黄瀬君…人が見ますから……こーゆーことは…ボクの家で…しませんか?」

「うんじゃ、早く帰ろっ

黄瀬は黒子の手を引いて、二人で来た道を戻って行った。


キセリョ達が気になって、一部始終を見ていた真行寺…。


「あれ、キセリョの彼女かと思ったら、もう一人の子、男だよね?友達かな?」

「…同級生じゃないか?まだ高校生なんだろ?」

「うん…でもさ、手を繋いで向こうへ走ってっちゃったよね?…もしかしてさ、俺っちみたいな感じかな!?ふふっ

「…他人のことなんて、どうでもいいだろ?」

「そうだけど~。でも…初々しいよね俺っちも、あんな時があったんだよねぇ…」

「…しみじみ言うなよ、年寄りクサイぞ、真行寺」

自分達も高校生の時からの付き合いで、今は恋人同士だ。キセリョ達とは、状況がちょっと違ったけれども…。

「もぉ~、アラタさん…。年寄りクサイとかやめてよっ!可愛く見えるじゃん、あーゆー子達。…まぁ?俺も大人になったからさ…そう思うのかも知れないけどねふふっ

「ふふっ…あはははっ!」

三洲が突然笑い出した。

「え…何笑ってんの!?」

「…何か、真行寺が言うと笑える、あはははっ!そう言うお前だって、まだ子供みたいなもんだろ?」

「ア~ラ~タ~さ~ん!」

「ほら、俺達も帰ろう。さっきより冷えてきたしな…」

真行寺が差している傘を、少し傾け…素早くキスをした。

「…アラタさん」

「何、ポカンとしてるんだ?帰るぞ…」

「…う、うん

二人は踵を返し、来た道を戻って行った。

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『ふたつの冬の物語1』


今年もまた、この季節がやってきた。
いつも以上に、二人で寄り添っていられる冬…。
街を行き交う恋人達は、互いの温もりを感じながら、イルミネーションの中を足早に通り過ぎて行く…。

成人した二人と、まだ高校生の二人の…そんな、二組のカップルの冬の物語…。



「真行寺、早くしろ」

「待ってよ、アラタさんっっ!」

会社を定時で上がり、夕飯も簡単に済ませた。
今日こそイルミネーションを観に行こうと、一つ年下の恋人が言うものだから、渋々OKをした。

この時期にしか観れない、幻想的な風景…。

イルミネーションの点灯は、日付が変わる直前までなのだが、明日も仕事があるし…出来れば手っ取り早く済ませてしまいたかった。師走となれば、やはりどこもかしこも、いつもより時間に追われるものだ。さっきから、玄関先で真行寺を待っているのだが、中々自室から出て来ない。

「…また、何を着て行くか迷ってるんじゃあるまいな?」

そう呟き、靴を脱ごうとしたら真行寺が漸く部屋から出てきた。

「ごめん、ごめん!!外寒いかと思ったら、着てく服迷っちゃった…てか!アラタさん、そんな薄着で良いのっ!?」

「…良いんだよ。あんまり着込むと、動きづらいだろ」

「そーゆー問題!?風邪ひいたら…!!あ

「なんだよ?」

「風邪ひいても大丈夫!俺が看病してあげるぐふふ

そう言われて、三洲は眉間に深~い皺を寄せる。

「…いいよ、遠慮しておく」

「ご要望があれば、添い寝もするよ

「聞こえなかったのか?遠慮する。だいたい、病人に添い寝するヤツがあるか。風邪が移るだろ…あ」

「ん?何?アラタさん

ニヤニヤとニヤける真行寺に、トドメを刺す。

「お前は大丈夫か。ふふっ」

悪戯っぽく笑った、その理由が分かった真行寺は、恋人に食いついた。

「むむむ!アラタさん?それは、どーゆー意味!?」

「そーゆー意味だ…あははっ」

「もぉっ!ヒドいじゃんっ!バカは否定しないけど、俺だって風邪くらいひくよっ!?」

「あー!もぉ、うるさい!!遅くなるから、もう行くぞ」

マジで遅くなってしまう。そう思った三洲は玄関の扉を開けた。

「あっ!!アラタさん!?待ってよっ!」

慌てて靴を突っ掛けたが…。

「あ!電気!電気!」

電気と玄関の施錠を忘れずに。そして、改めて三洲を追い掛けた。恋人は、エレベーターの箱の中で待ち呆けだった…。


*°*°*°*°*°*°*°*°*°*°*°


「…すっかり遅くなっちゃったスね、黒子っち」

「はい。だいぶ、冷えてきましたね」

ストリートバスケに夢中で、時間が経つのも忘れてた…。とっくに陽は落ちて、公園にはもう誰も居なくて…黄瀬と黒子の二人だけ。

「そろそろ帰りますか…?」

黒子が、帰り支度をしていると、別れを惜しんだ黄瀬が、黒子をその場で抱き竦めた。咄嗟のことで、少し驚いたものの…すぐに呼吸が苦しくなり、黒子は黄瀬に訴えた。

「…黄瀬君、苦しいです。そんなに力入れなくても…逃げたりしませんよ」

得意のミスディレクションで、消えられたら…悲しくなってしまうから、その前に手を打っておく。

「…黒子っち、今度いつ会えるっスか?」

「…分かりません。時間が合った時…ですかね」

二人は、別々の高校に通っている。黄瀬は隣の神奈川県、黒子は地元の東京都。黄瀬は学生の他に、モデルの仕事もしている為、東京で仕事の際は二人でこうして会ったりしている。

「俺、スゴく黒子っち不足なんスよ~…」

「…そう、ですか?ボクは全然大丈夫ですけど…」

「ヒドッ!!…俺達、一応付き合ってるんスよね!?…もう少し、俺の事…気にして欲しいっス…」

「…はあ…」

バスケバカで、恋愛なんかまるで初心者の黒子は、ちょっぴり困ってしまう…。今に至るまで、デートらしいデートも、ちゃんとした事がなかった。

「あ!!そうだ、黒子っち?今からイルミネーション観に行かないっスか!?」

少しでも長く一緒にいたくて、咄嗟に思いついた提案。

「今からですか?ボクは構わないですけど…黄瀬
君、帰るの遅くなりますよ?」

「大丈夫っス!最悪、黒子っちの家に泊まらせて貰うんで…」

「…ダメです。ボク達、まだ高校生ですから…」

「黒子っち…固いっスね

…つーか、女の子の台詞みたいっス?男同士だから家の人も気にしないと思うけど…。ま、黒子っちは、そこが可愛いんスけどね~

黄瀬の心の声なんて、黒子には届かないけれど…。

「…ダメですか?」

真っ直ぐな視線で、身長189センチの黄瀬を見上げた。


*°*°*°*°*°*°*°*°*°*°*°


「やっぱ、まだ混んでるね…」

「…そーゆー街だろ、ここは」

「そうだけど…腹減ってきたよ~、アラタさぁん」

ガッツリ食べてない所為か、渋滞の最中、真行寺がボヤく。

「…何か、雪が降りそうな空だな?」

窓の外を見ながら、三洲が呟いた。

「ね、俺の話聞いてる!?腹減ったんですけどー?」

「食ってきただろ?夕飯」

半ば呆れた表情で、三洲が応えた。

「もう粉れちゃったふふっ

「…どーゆー胃袋してんだ、お前は。全く、呆れるわ」

「ね、ねっ、だから、あそこ寄っても良い!?」

真行寺が指を差しているのは、有名なファストフード店。このまま放っておけば、隣が煩いだけなので諦めた。

「…しょうがないな…。渋滞もしてるし、少し時間を潰すか」

「そうこなくっちゃ!アラタさん…何食おっかな~♪アラタさんは何食う!?ふふっ

「…はぁ?俺はいいよ。コーヒーだけで」

「えー!チーズバーガー食おうよ~!一緒に

「…何でチーズバーガーなんだよ?」

こんなやり取りをしながら、ファストフード店に車を停め、店内へ移動した。


*°*°*°*°*°*°*°*°*°*°*°*


「何だか…雪が降りそうですね?」

公園を後にした二人は、駅を目指して歩いていた。更に冷え込んできて、掌に息をハーッと吹き掛ける…。

「そういや、天気予報で降るかもって言ってたっス。ねぇ黒子っち?ストバスやったら、何か…腹減んないっスか?」

「そうですね…少しだけ」

「マジバ寄ってっちゃいます?…あ、でも、そうすると夕飯入んなくなっちゃうか…」

そこまで言って、黒子を見るとニコッとしながらも、少し照れた表情で応えた。

「良いですよ。母に今日は黄瀬君と会うから、夕飯いらないって言ってきましたから…」

「そうなんスか!?ラッキー♪」

「え?」

「あ…いや、その…何でもないっス…あははっ

黒子っちってば…その気なさそうにしてるけど、ホントは俺のこと…相当、意識してるっスよね!?

黄瀬は、弛みそうになる頬を引き締めながら、それでも遠慮がちに…黒子へと手を伸ばした。

「…黒子っち…手を繋いでも良いっスか?」

「え…あ…はい」

黄瀬の手に比べたら、黒子の手は小さめ。黒子の冷えた細い指に、そっと自分の指を絡めた…。

「…黄瀬君の手、温かいですね。手袋いらないくらいに…」

「そうっスか!?…いつでも温めてあげるっスよ

黄瀬が嬉しそうに言うと、黒子は恥ずかしそうに俯いた。

「…何か…イヤらしいです…その言い方」

「えっ!?イヤらしくないっスよ!」

「黄瀬君が言うと…イヤらしく聞こえます」

「ヒドッ!!黒子っち、考え過ぎっスよ~!!」

折角、甘い雰囲気まで持ち込めたのに…。軽く流してしまっても良いような、些細な一言に黒子は、敏感に反応してしまったのだ。


°*°*°*°*°*°*°*°*°*°*°*°


「だいぶ、道路が空いてきたんじゃないか?」

店のウィンドウ越しに外を見た。先程よりも車の流れが、スムーズになってきたようだ。コーヒーだけにするつもりだったのだが、真行寺が煩いので仕方なく、チーズバーガーを一つ食べた。

「…しかし、よく食うな…お前は」

「だって~…一個じゃ足りないよ~」

食いしん坊というか、何というか…。毎回、毎回のことで。軽く夕飯を摂ってきたのにも関わらず、バーガーを3個、あとポテトのLサイズ、チキンナゲットとドリンクはコーラのLサイズ…。

「それにしても、感心するわ…お前の、その食欲」

「ほら~、腹が減っては戦は出来ぬって言うじゃん!?」

「戦に行くのか?」

「いかないけどー…アラタさん、いつもに増して意地悪じゃね!?」

「気の所為だ…ふふっ」

真行寺をからかうのは、今始まったことではなく、日常的なことなのだ。

「アラタさん、お待たせ出よっか」

「ああ」

注文したものをすべて平らげて、息つく間もなく二人は店を後にした。時刻はもうすぐ20時を差そうとしている。道路は先程よりも空いて、目的地までは然程時間も掛からないだろう…。少し歩くことになるが、昨年も利用したパーキングに向かう。


*°*°*°*°*°*°*°*°*°*°*°


一先ず、駅を目指すのを断念して、お馴染みのファストフード店のマジバへ寄り道をする。学生の財布に優しい店なので、黒子のチームメイトの火神は、いつもバーガーをドカ買いしているのだ。一方の黒子は、この店のバニラシェイクが大のお気に入り。

「黒子っち、それだけで良いんスか!?」

「はい」

バーガーとポテトのSサイズ、それとバニラシェイク。スポーツをやっている高校生とは思えぬ程の量。黒子は、超がつく程の少食なのだ。

「それでよく持つっスね?」

黒子は元々、体力があまり無く、周りに比べたら体も小さい。試合も40分フルで参加することが出来ないのだ。

「皆みたいに、たくさん食べれないこと…黄瀬君も知ってますよね?」

「知ってるっスよ。中学ん時から」

「もっと、たくさん食べれたら…ボクも今頃、黄瀬君みたいに、大きくなれたかも知れないですね」

「黒子っちは俺達より、体は小さいけど…その分誰よりも努力してるし、バスケに対する思い入れとか…俺、黒子っちのこと、凄く尊敬してるんスよ…」

「…どーも…」

面と向かって言われると、少し照れてしまう…。
黒子は、バニラシェイクを一口流し込んだ。


*°*°*°*°*°*°*°*°*°*°*°


「駐車場空いてて良かった~…アレ?アラタさん、雪降ってきたよっ!」

「…ああ、今日降るって言ってたからな」

そう言いながら、車の外に出ると半端ない寒さに、身が縮こまる。風が吹いてないだけ、まだ救いなのかも知れない。

「アラタさん、入って肩に雪が積もっちゃうから…」

ここは生憎、傘が一本しかないので…真行寺には嬉しい相合い傘で。滅多にない相合い傘に、真行寺の心は踊る…。どさくさ紛れに、三洲の肩を抱き寄せた。

「…真行寺、目立つからやめろって…」

「あ、やっぱり~!?残念~」

思っていたことが的中して、真行寺は肩を竦めた。相合い傘出来ただけでも、ラッキーとしよう。それだけでも、充分に幸せ?なのだ。イルミネーションが綺麗な、けやき坂までの道を二人で、肩を寄せて歩く…

「アラタさん?手…繋ご?」

「…だから、真行寺」

「大丈夫だって…。俺のポケットに手を突っ込んでれば、分かんないよ誰も見てないからっ…ねっ!?」

「…まったく、しょうがないヤツだな…お前は」

そう言って、真行寺の上着のポケットに手を突っ込むと、真行寺が指を絡めてきた。

「ほらっ、すっげ冷たいんだから…アラタさんの手」

「…さすが、人間カイロだな…ふふっ」

真行寺の掌の温かさに、何だか心も和む…。


*°*°*°*°*°*°*°*°*°*°*°


「やべっ!黒子っち、雪降ってるっスよ!!」

地下鉄のホームから、地上へ上がってくると外は、雪がちらついていた。

「黄瀬君、傘持ってますか?」

「持ってないっス…黒子っちは?」

「…忘れました。この辺り…コンビニなさそうですね。どうしましょう…」

イルミネーション見るのは、予定外だったけれど…黒子も黄瀬と、少しでも長く一緒に過ごしたかったから、少しくらい遅くなるのは構わなかった。

例え、雪が降ってこようとも…。

「どうせ、すぐ止むかも知れないし…そのまま行こっか?」

「はあ…そうですね」

少し遠くにイルミネーションが見えているから、そのまま行くことにした。二人で歩いている間にも、すぐ止むどころか…静かに雪がしんしんと降り積もる…。

真三洲を描きました(*^^*) 

皆様、お久しぶりです。★Jet★です。
最近、絵描きにハマってまして真三洲を描きました♪(*≧∀≦*)
以前にも描きましたが、今回は色つきです!(笑)
ご存知の方もおられるかと思いますが、Twitterの方で公開させてもらってます。
せっかくなので、こっちにも載せておきます。一応ね、真三洲のサイトですから~(*^^*)(笑)
肌色が多めですが…ご了承下さいませ♪(*≧∀≦*)グフフ♪

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