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early spring16 

early spring16


真行寺の手が前に回ってきた時、その手を掴みタオルを取り上げた。

「…あとはっ…自分でやるっ」

…とにかく。

恥ずかしいやら…何やらで思わず、つっけんどんな言い方になってしまったが…。
真行寺のことだから、このままやらせておけば、余計なことまでしてくるだろうし…。でも、そうはさせない。

だって、まだ…外は明るいんだぞ?

「もぉ、ケ~チ~ッ」

タオルを取り上げられた真行寺は、ぷぅっとむくれた。

「…さっきから、もういいって言ってるだろ?俺のことはいいから、お前は湯舟に浸かってろよ…」

「ちぇーっ…つまんねぇのっ」

真行寺はふて腐れ、体についた泡を流して仕方なく、湯舟に浸かる…。そして…体を洗う三洲をジッと、ただ黙って見つめていた。
首筋や胸…細い脚。みるみる白い泡に包まれていく…。大事なトコロも泡だらけ

ふふっ

自然と、顔がニヤけてくる…。

「…ん?何見てるんだよ?」

桶にお湯を汲もうとして、真行寺と目が合った。真行寺は慌てて顔を引き締め、そして誤魔化す。

「え…な、何でもないよっ…あっ、お湯…掛けてあげるっ」

「あっ、真行寺」

三洲から桶を取ると、お湯を汲みザーッと掛けてあげた。泡が流れて白い素肌が現れた…。

…綺麗。

真珠みたい…。

見ないようにしても、やっぱり見てしまう…玉のような白い肌

「アラタさん、キレイになったよ」

「ああ、ありがとう…」

三洲は湯舟に入って、真行寺の隣に…。

「気持ちいいね…疲れが取れる~って感じだよね

チラッと、三洲を見る。

「はぁ~…そうだな」

お湯は勿論、温泉を引いているから気持ちいいのは当たり前。体が徐々に温まって、三洲の肌もサクラ色になってきた

「ここの旅館の温泉はね、美人の湯で有名なんだってよ?アラタさんにピッタリだね

「…はぁ?何で俺にピッタリなんだよ?何も当て嵌まらないだろ?」

「当て嵌まるじゃん美人だもんふふっ

「アホかっ」

真行寺の顔にピシャッと、お湯を掛けた。

「ぶっ…もぉっ、すぐそーゆーことするんだからーっ」

「クダラナイこと言うからだ。さて…俺は先に上がるからな」

「あっ、ちょっとっ…」

三洲は、お湯が熱かったこともあり…サッサと上がってしまった。

「…もうちょっと、入ってりゃいいのに…」

一人取り残された真行寺が、ボソッと呟いた。


それから20分程経ち、真行寺が風呂から上がってきた。ふと、真行寺の浴衣を見ると…どうやら、丈が短いらしく、ちょっとカッコ悪い…。

「…ぷっ…ふふっ」

「アラタさん?何笑ってんの?」

「…だって、お前…浴衣…くくくっ…ツンツルテンだ。あはははっ」

「しょっ…しょうがないじゃんっ!このサイズしか置いてなかったんだからっ…っつーか、アラタさん笑い過ぎっ」

「取り替えて貰えばいいだろ?…あははっ」

三洲は腹を抱えて笑っている。

「いいよ、面倒臭いからっ…。それより俺、喉渇いちゃったよ…」

風呂上がりのビールでも飲みたいところだ。真行寺は備え付けの冷蔵庫を開けた。

「ちぇーっ、ジュースしか入ってねぇでやんの…子供じゃないんだから、ビールくらい入れておいてほしいよ…。アラタさん、俺ビール買いに行ってくるね…」

真行寺は財布だけ持って、部屋を出て行った。

「…子供のクセに、何言ってるんだか…ふふっ」

真行寺の言動が可笑しくて、一人でクスクスと笑う三洲。今日は、何だかよく笑う…。一人っきりなら、そうは笑わない。これも底抜けに明るい真行寺のおかげなのか…。三洲は窓辺に立ち、景色を眺めた。

「…ホントの春は、もう少し先だな…」

まだまだ寒い日が続いている…。知らない間に、日が暮れて夜に近づいていく…。

「ただいま~。アラタさん、買ってきたよ~飲も、飲も

真行寺が缶ビール5本とつまみを買ってきた。とりあえず、2本だけテーブルに置き…残りは冷蔵庫に入れておいた。

「真行寺、こんなに買ってきて飲み切れるのか?まだこれから食事があるんだぞ?」

「だ~い丈夫、大丈夫別腹だから

「別腹って…。お前の胃袋はどうなってるんだ?」

今更ながら、呆れる三洲だった。
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