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early spring17 

early spring17


食事の時間まで、まだ1時間以上ある…。グラスに注いだビールを三洲に渡す。

「乾杯しよお疲れ様、アラタさん

「…お疲れ、真行寺」

グラスを合わせるや否や…グググッと、ビールを一気に呷り…真行寺のグラスは空っぽ。

「…ぷっは~!美味~いやっぱ風呂上がりのビールはサイコー

砂漠が一気に潤った感じ…。更にビールを注ぐ。この調子では、あっと言う間に500mlのビールがなくなること…間違いなし。それを横で見ていた三洲は、

「…おい真行寺、ピッチが速いぞ?もう少し味わえよ」

「だってさぁ、すごく飲みたかったんだもん喉から手が出てたよ」

そう言って、またゴクゴク飲んでしまった。

「…どうなっても知らないぞ?酔っ払っても、介抱しないからな」

つい、意地悪なことを言ってしまう…。三洲も、グビッとビールを呷った。

「俺は大丈夫でも~、もしアラタさんが酔い潰れたら…俺、喜んで介抱しちゃうけどねっふふっもう一本飲んじゃお

真行寺は予想通り、あっと言う間に缶ビールを一本空けた。

「ふんっ、俺は酔い潰れないよ。お前みたいな飲み方しないしな…」

「分っかんないよ~?アラタさん、お酒弱いからふふっ

「…うるさい、笑うなっ」

イラッとして…もう一口、グビッと呷る。そんなことを繰り返していたら、ドアにノックが…。

「は~い」

ちっとも酔っていない真行寺が、部屋のドアまで行くと、

「お食事をお持ち致しました」

ドアの向こうから仲居の声がした。気がつけば時計はもう、19時を差している…。テーブルの上を片付けて、料理を並べてもらい仲居が出て行ってから、料理に箸をつける…。

「ひゃー、美味そういただきま~す」

「いただきます」

三洲も行儀良く手を合わせた。伊豆と言えば、やっぱり海の幸が満載。

「ん!この刺身、美味しいビールがすすんじゃうよ

二本目の缶ビールもあと僅か…。なのに、顔色ひとつ変えず飲んでいる。真行寺は三本目を冷蔵庫から取り出した。

「…まだ飲む気か?もういい加減にしとけよ…」

三洲は少々、呆れて言うと

「大丈夫アラタさんの分も、あと一本あるから

「…そうじゃなくて。二日酔いになったら困るだろ?」

今までそんな姿、見たことはないが。

「ならないよぉ、これっぽっち飲んだって…。それより、アラタさん…酔ってる?何か、ポッて赤くて可愛いんだけど

チビチビ飲んで、漸く一本空けた三洲は真行寺を睨んで、

「うるさいなっ、酔ってないよっ」

断固として、認めない三洲。

「…アラタさん、目がコワイよっ」

綺麗だから、尚コワイ…。

…絶対、酔ってる…と思う真行寺であった。


~・~・~・~・~・~・~


1時間程掛かって食事を摂り、マッタリと寛いでいると仲居が食器を下げにやってきて、そのついでに布団も二組敷いてくれた。熱いお茶を啜りながら、ホッと一息。美味しいものも沢山食べて、満足な二人だが…三洲は意地になり、あれから缶ビールをもう一本飲んで、一段と赤い顔をしていた。

「…ねぇ、アラタさん…大丈夫?」

「…大丈夫?…俺は…酔ってないぞっ」

トロンとした目をして、テーブルの上に突っ伏した。

「アラタさん?」

真行寺は素早く、三洲の隣に移動した。それは、素面の人のような機敏な動作で…。酔ってるクセに、酔ってないなんて…どこまで意地っ張りなんだ?

でも、そんな三洲が…やっぱり可愛い

「アラタさん?仲居さんが布団敷いてくれたから、あっちで横になれば?」

三洲の肩を軽く揺する。

「…うーん…」

気怠そうに返事をして、体を起こした。

「…立てる?ほら…掴まって…」

言われて、真行寺の首に腕を絡ませ立ち上がる。真行寺は三洲の体を支えて、布団の上に座らせると、三洲がボソッと呟いた…。

「…お前の…所為、だからな…こんなんなったの…」

「…え?」

「…酒が弱いとか…可愛いとか…クダラナイことばっかり…言いやがって…」

真行寺の胸に顔を埋め、背中に腕を回す…。その腕には段々と力が込められていった。

「…アラタさん…」

お酒が弱いことも、可愛いのも…ホントのこと。そんな三洲のことが愛おしくて堪らない…。真行寺は三洲の体をギュッと抱きしめた。
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