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運命の赤い糸3 

運命の赤い糸3


「アラタさん?」

「…ああ、起きたのか…シャワー浴びてきたらいい…」

三洲は、慣れない手つきで夕飯の支度をしていた。そんな姿を見るのは、多分…初めてで。確か、前回は外食で済ませたような?
真行寺にはその姿が、かなり新鮮に映っている…。三洲の後ろ姿に見惚れていると、

「…何だ?シャワー浴びないのか?」

視線に気がついた三洲が、振り向いた。

「…あっ、いや…シャワー借りるっす」

真行寺は慌てて風呂場へスッ飛んで行った。その姿が滑稽で、三洲は思わずクスッと笑った。


「…アラタさんが自炊かぁ…」

風呂場では、真行寺が色々妄想をしていた。そりゃ、一人暮らししているのだから、自炊するのは当たり前だが。

「…いつも、あぁして…包丁握ってるのかなぁ?…何か、すっげ危なっかしかったけど…」

ふふっ

「…でも、何か色っぽかったなぁ…。アラタさん、綺麗だから…レースがいっぱいついた、白いエプロンなんか似合いそうだなぁ

真行寺の妄想は尽きなかった。


~・~・~・~・~・~・~


「…シャワーありがとうございました…わっ、すげっ」

真行寺が風呂から上がると、夕飯がテーブルの上に並んでいた。

「ちょうど良かった。冷めないうちに食べよう…。よく考えたら、昼ご飯抜きだったよな?腹減っただろ?」

そう言われてみれば。

待ち合わせして、どこにも寄らずにここへ来て…あの展開。ある意味…満腹になった気はしていたが、実際のところ胃袋は空っぽだった。

「…アラタさんの手料理食えるなんて、俺…すっげ、幸せっす!」

「…手料理と言っても、大したことはしてないよ。外食するのも何だしな…」

三洲と二人で食事を摂ることも、片手に余る程しかなかった。いつも、忙しい人だったから…。

このほんの少しのひとときを、大事にしたいと思う真行寺であった…。

祠堂を卒業すれば、今よりもう少し会って貰えるだろうか…?ホントは、毎日だって会いたいけど…三洲の負担になりたくはない。
たとえ傍にいられないとしても、三洲のことをずっと想っていよう。

いつか、振り向いてくれることを信じて…。


~・~・~・~・~・~・~


そして、3年後…。

三洲が大学4年生で、真行寺が大学3年生。お互い違う大学に通い、アルバイトも始めたりで、毎日が充実している。
真行寺の『毎日だって会いたい』という、密かな要望は叶ってはいないが…暇を見つけては月に1・2回程度会っていた…。
会うのはいつも、三洲のアパート。バイトもなくて次の日、大学も休みならば自分の住むアパートを素通りして、そのまま三洲の部屋になだれ込んでいた。

「済まない、真行寺。急にバイトが入ったから…」

「ええぇーっ!?」

そんな時も、たまにあったりして。三洲は家庭教師のバイトをしていた。話に聞くと、男子高校生に数学を教えているとか。

「アラタさん、待ってても良いっすか?」

折角のチャンスを逃す訳にいかない…。未だ、滅多に会えない人だから。少しだって、一緒にいたいのだ。

「別にいいけど、遅くなるぞ」

スニーカーを履きながら応えると、

「…はい、分かってるっす。あの…ベッド温めて、待ってますから

背中から、フワリと抱きしめられた。

「…はぁ?…アホか、お前は。じゃ、行ってくるから」

真行寺の腕を解き、見上げた。背伸びをして、真行寺の口唇にチュッとキスをした。

「…あ、アラタさんっ…行ってらっしゃいっ」

真行寺の声を背中に受けて、三洲は出掛けて行った。

~・~・~・~・~・~・~


「三洲先生は、好きな人っています?」

「え?」

勉強の合間に、生徒が三洲に尋ねた。

「俺ね、すっげ好きな子がいるんだけど…まだ告ってないんだ…今は、友達なんだけど…可愛い子なんだ」

恥ずかしそうに俯いた。

「…告白してみれば?君なら大丈夫だよ」

「…えぇっ、俺、コワイよー…振られたら、立ち直れないかも…あっ、三洲先生は?好きな人いないの?」

「…俺?俺は…いるけど…君と同じだよ」

「…まだ告ってないんだ?でも、三洲先生イケメンだから…一発OKじゃね?」

今時の高校生は、生意気で。そして、手強い…。早くこの場から、立ち去りたいと思った三洲であった。
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