スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

夏祭り2 

夏祭り2


「…じゃっ、失礼しますっ。おやすみなさいですっ」

三洲の母に見えていないのにも関わらず…ご丁寧に、お辞儀までしていた。携帯電話の通話を切り、電話を三洲の手に。

「…あぁぁぁ、緊張した~…って、さっきから何笑ってんの?アラタさん」

隣を見れば、三洲がクスクスと笑っている。

「…お前の電話してる姿が面白かったんだよ、ふふっ」

「あっ!もぉ、だってしょうがないじゃんっ。俺まで電話が回ってくると思わなかったんだからっ」

顔を赤らめて反論する。

「母がお前と話したいって言うから、代わっただけだろ?」

「…心の準備が出来てなかったんだよ~。…どうしよう、俺バカだと思われちゃったかなぁ…?」

はぁぁぁぁ…と、肩を落とすと三洲が、

「…かもな?…ふふっ」

サラッと言って下さる。

「かもな…って。ヒドイよ、アラタさん…俺、立ち直れな~いっ」

真行寺は、三洲に抱きついた。

「なんだよ」

「…せっかくアラタさんの実家にお泊り行くのに~。俺、笑い者になっちゃうよ…」

だからと言って、実家へ行った途端

「あ、バカが来た」

とは、ならないだろう。逆に、それくらいの愛嬌があった方が良いのだ…。

…て、ゆーか。

三洲の母は、真行寺の話し方のことなど、全然気にしていないと思う。

「…ふふっ、冗談だよ」

三洲は、真行寺の頭をクシャッ…と、撫でた。


~・~・~・~・~・~・~


夏祭りと言えば…浴衣。 真行寺の提案で、二人はデパートのテナントで入っている呉服店に来ていた。
どうしても…。どうしても、三洲の浴衣姿を見たかった真行寺。我が儘を言って、三洲を引っ張ってきたのだ。

「あっ、ね、ねっ!アラタさん、これはっ!?」

女子並に、はしゃぐ真行寺…。店先に並ぶ浴衣を見て、少々興奮気味…。

実は昨日…。

『アラタさん、お祭り行くなら浴衣着ようよ

『…はぁ?浴衣?いいじゃないか、普通の格好で…。面倒くさいだろ?』

それを聞いた真行寺は、口を尖らせ、

『…えーっ、だって…そーゆー時にしか着れないじゃん…。それにさぁ…アラタさんの浴衣姿、見たいしさぁ…』

『…見たことあるだろ?泊まりに行った時とか、浴衣着たじゃないか』

『…それは、そうだけど…。そうじゃなくて…それはそれ、これはこれなのっ!』

…意味不明。

『…何言ってるんだ、お前』

『…とにかく、見たいのっ!』

『…我が儘だな』

『はい、おかげさまで』

『…ところで、お前。浴衣着るのは良いが…着付け、どうするんだ?』

三洲に言われるまで気づかなかったこと…。言われた途端、固まった。旅館の浴衣とは違うのだ!帯の結び方とか…難しそう。

『アラタさんっ、お母さんにお願いしてよっっ!』

真行寺は、三洲に泣きついたのだった…。


…という流れがあり、浴衣を買いにきたって訳だ。

「どれが良いかな~?こんだけあると、目移りしちゃうね~?」

「…そうだな。じゃあ…俺は、これにするよ」

三洲は目に付いた浴衣を手に取った。

「アラタさん、早っっ!」

以前…真行寺の服を見立て時も、パパッと選んだように…自分の物もササッと決めてしまった。
でも驚いているのも、つかの間で…いつまでも決め兼ねている真行寺の浴衣も選んだ。

「お前、これにしろよ」

選んだ浴衣を手に取り、真行寺に手渡す。真行寺が自分の中で候補に挙げていた内の一枚だった。

「…すげっ」

「え?なんだ、気に入らないのか?」

真行寺の反応に眉を寄せる三洲。

「そうじゃないよ。アラタさん、スゴイなって思ったから」

「…何が?」

「俺が良いなって思ってた浴衣…選んでくれたから…俺の好み、分かってくれてるんだ、アラタさん

真行寺は嬉しそうに、三洲が選んでくれた浴衣を胸に抱えた。

「…何年の付き合いだと思ってるんだ?真行寺」

学生時代から、かれこれ…もう9年程。恋人と認めて貰えて、もうすぐ2年…。一緒にいる程、相手がよく見えてくる。

良い所も、悪い所も。

お互い、受け入れている…。

「…ヘヘッ、そうだよねあ、ねぇ。浴衣に合う帯も見よ?」

「そうだな」

二人は帯のコーナーへと移動した。
スポンサーサイト

- 0 Comments

Leave a comment

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。