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夏祭り12 

夏祭り12


こんなに可愛い男の子が…後に俺の恋人になるなんて…。考えただけで、罪深いような。人生って、何が起こるのか分からない…。

だけど、幸せな運命なら信じたい。

「真行寺、何ニヤニヤしてるんだ?」

「…ん?何でもないよふふっ

「…アルバム、もういいだろ?」

三洲は真行寺からアルバムを取り上げようとする。

「あ、ちょっ…まだ見終わってないってばっ。あこれ、小学生のアラタさん?すっげ可愛い~

「…可愛いって言うなっ!」

まだ、あどけない三洲の純粋な笑顔がそこにあった。この頃の三洲…何となく、今の三洲と面影がある。この10年後、二人は出会う運命にあった…。じゃれ合う二人を理子は、ニコニコしながら見ていた…。

「ふふっ二人とも、仲が良いのね

それを聞き逃さなかった真行寺はニッコリ笑って応える。

「はいおかげさまで

「真行寺っ!調子に乗るなっ」

どこまでも危なっかしい真行寺。ものの流れで、うっかり二人の関係を喋ってしまったら…理子はものスゴイショックを受けるはずだ。三洲のヒヤヒヤは止まらない…。
一方、只ならぬ二人の関係を知らない理子は、引き続き優しい眼差しで二人を見つめる。

「ふふっいいじゃな~い、そんなに怒らなくても…」

「…怒ってないよっ」

幼少の写真を見られるのは恥ずかしいが仕方ないとしても。(解説付きはもっと恥ずかしい)
真行寺が調子こいて、危ない橋を渡りそうになるたび、気が気ではない自分がいる…。

この関係を壊したくはない。

だから、ムキにだってなるのだ…。

そんな三洲の気持ちを知ってか知らずか…真行寺は相変わらずだ。かき氷を食べながら、

「アラタさんの学ラン姿、すっげ新鮮カッコイイ~

「でしょう?ふふっ私が言うのも何だけど、良い線いってるわよね?この頃、あーくんモテてたのよ~

「母さんっ!」

話を黙って聞いていれば、理子は余分なことばかり言っている。

「ふふっ何か、そんな感じするっ

誰が見ても納得するような美しさだ。頭も良くて、この容姿…周りが放っておくはずがない…。でも、その頃の三洲がいくらモテていようが…今は俺のものと、どこか余裕な真行寺であった。だからこんなに笑って言えたりするのだ。

「郵便受けにね、ラブレターが入ってたことがあったのよ~何て書いてあったのかしら?あーくん、読んだんでしょ?うふ

「…そんなことっ、もう忘れたっ!それに、母さん…自分のことみたく嬉しそうに話すのは止めてよっ」

今更そんな過去の話、どうでもいい…。苦い思い出ではないけれど、言われなかったら思い出すこともなかった。

「あら、だって嬉しいもの女の子からラブレターのひとつも貰えないんじゃ、情けないでしょ?真行寺君も貰ったことあるわよね?」

話の矛先が真行寺に向けられた。

「はいこんな俺でも、中学生ん時は貰ったことあるっすよ、お母さん

「そうよね真行寺君みたいな子が同級生なら、私だってラブレター書くわよ~

「マジっすか~!?嬉しいっす~

二人は大盛り上がり…。もはや、もう手を付けられないものと悟り、三洲は諦めたのだった…。


~・~・~・~・~・~・~


「…もう帰っちゃうの?もうじきパパも帰って来るのに…」

16時を回った頃、三洲と真行寺は帰り支度をして玄関にいた。

「明日からまた仕事だし、買い物もして帰るから」

「お母さん、お世話になりましたっ」

真行寺が頭をペコッと下げた。

「真行寺く~ん、この次もまたふわふわのオムレツ作ってね

「…え?あ、はい…」

真行寺の手を取り、お願いする理子。

「…母さん、しーつーこーいっ」

「いいじゃないの~。ねぇ、真行寺君」

「…あはははっ」

「ほらっ、真行寺。行くぞ。じゃ、母さん、父さんによろしくね…」

玄関の扉を開けて、真行寺の腕を引っ張った。

「…おっと…お邪魔しましたっ」

「二人とも、また来てね!」

玄関先まで出て、二人を見送る。二人はガレージに行き、車に乗り込んだ。車を発車させると、玄関で理子が手を振っていた。それに応えるように真行寺は、クラクションを一度軽く鳴らして、三洲家を後にした…。

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