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夏祭り13 

夏祭り13


帰りの車の中、二人は暫く黙ったまま…。自宅マンションへ帰る前に、買い物をするため道路沿いのデパートに寄った。立体駐車場に車を停め、エンジンを切る…。

「…アラタさん、一緒に来る?」

実家に帰ってたというのに、ちっともリラックス出来なかった三洲は、何だかドッと疲れが出たような…そんな顔をしていた。

「…ああ、行くよ」

三洲はシートベルトを外す。

「大丈夫?スゴイ疲れた顔してるけど…?」

真行寺が覗き込むと、三洲にジロリと睨まれた。

「…全く、誰の所為だと思ってるんだ?調子に乗りやがって!」

「いてっ!」

拳で真行寺の頭を小突いた。

「俺をヒヤヒヤさせるなよっ…寿命が縮まるだろ?」

「…ごめん、そんなつもりじゃなくて…お母さんが面白い人だから…つい…」

「…二人とも悪ノリし過ぎだ」

そう言って、三洲は助手席から降り、スタスタ歩いて行ってしまった。

「あ、アラタさん…待ってよっ」

真行寺も慌てて三洲の後を追って行く…。


~・~・~・~・~・~・~


買い物も済ませて、自宅マンションに着いたのは18時頃だった。二日振りの我が家…。

「ただいま~」

「…ただいま」

閉め切っていた室内は、ムッと暑い…。真行寺はリビングに行きエアコンを点けた。

「あ~…暑いっ。今日は素麺にしよっか?…アラタさん?」

三洲は実家を出てから、ずーっとご機嫌ナナメのようだ…。真行寺は、取り敢えず鍋を火に掛けてから、ソファーに座っている三洲の隣に腰掛けた。

「ねぇ~、アラタさ~ん」

「…なんだよ」

「いつまで怒ってんの?」

三洲の首に腕を絡ませると、三洲はぷいっとそっぽを向いた。

「…別に怒ってないだろ」

明らかに「怒ってます」と、顔に書いてある。

「うっそ~!?じゃ、こっち向いて

「やーだーねっ」

そう簡単に機嫌を直してくれない姫君…。

「…もぉ、ど~したら機嫌直してくれるの?」

むぎゅっと抱きしめても、三洲は腕の中で暴れることもなく、ジッとしている…。

「…ねぇ、まだヤキモチやいてたりして…?ふふっ

「うるさいなっ」

「もぉ~、可愛いんだから~

三洲の首筋にチュッとキスをした。

「…あん」

「俺はアラタさんの所有物だよふふっ

耳許でそっと囁き、三洲の顔をこちらに向けて…顔を近づけた、その時。

ぎゅるるる~~~。

またしても、邪魔する真行寺の腹の虫…。

「…あ。…鳴っちゃった」

「…ったく…色気より、食い気か?」

「…だって、腹減ってるんだもん

……ふふっ。

二人でクスクスと笑っていると、キッチンからカタカタと音が聞こえてきた。

「…あっ!鍋!火に掛けてたんだっけ!やべっ」

真行寺は慌ててキッチンへ行き、鍋に素麺を入れて茹で始めた。その合間に、トッピングの野菜を刻む。

「…やろうか?真行寺」

三洲もキッチンに入ってきた。

「うんありがとぶっかけ素麺にするから、これ刻んで

「…分かった」

三洲とバトンタッチして、真行寺は素麺の茹で加減をみた。

「…よしっ、OK~」

火を止め、素早く素麺を冷水でしめて皿に盛り付ける。三洲に刻んで貰ったトッピングの野菜も乗せてから、冷蔵庫で冷やしておいた素麺つゆをザッと回し掛けた。

「出来上がり~アラタさん、これテーブルに運んで」

「ああ」

食卓の準備をして、再びの二人きりの食事…。実家の理子も今頃は父、正憲と食事をしているかも知れない…。

「いただきま~す」

「いただきます」

「アラタさん、お疲れ様

真行寺がグラスにビールを注いでくれた。

「…全くだ。…ありがと。ほら。真行寺、グラス」

今度は三洲がビールを注いだ。

「ありがと

姫君の機嫌も、どうにか?直ったようで…内心ホッとする真行寺。グラスを合わせ、ググッとビールを呷る。

「…っあ~!美味いっ!」

三洲宅でも、祭りの夜にビールを飲ませて貰ったのだが…。

「…やっぱ、ウチで飲むのがいいね

「…ん?何で?」

「何か、人ン家だと悪いような気がしてさぁ…。どこに入ったか分からなくなっちゃうよね?」

それを聞いた三洲は、半ば呆れて。

「…はあ?よく言うよ。殆ど、お前一人で飲んでただろ?大瓶4、5本空けてたぞ」

「…え?そうだっけ?でも…俺、全然酔わなかったよ?」

「それは、お前がザルだからだろ?」

真行寺の飲みっぷりに、理子も驚いていた…。真行寺がトイレに行った時、こっそり三洲に耳打ちしてきた。

『真行寺君、水みたいに飲んでるけど…大丈夫なのかしら?』

…そんなことを、ふと思い出した三洲であった。

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