スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

夏祭り14(完結) 

夏祭り14(完結)


「…明日からまた仕事だね」

「…そうだな」

ベッドに入る少し前…。
二人でベランダに出て、夜の街を見下ろしていた。

「休みって…いつも、あっという間だよね?…でも、お祭り楽しかったアラタさんの浴衣姿も見れたし~

「…浴衣姿なんて、別に何てことないだろ?」

さほど興味のない三洲は、サラリと流すも…真行寺が食いついた。

「何てことあるってば!…他の人はどうでもいいけど、アラタさんは特別なんだから…。すっげ色っぽいしさぁ?俺、アラタさんの浴衣の帯解くの、ドキドキしちゃったもん…へへっ

「…スケベ」

「あ。またそーゆーこと言うんだから~。でも、また浴衣着てお祭り行きたいな

そうすると…。また理子に浴衣の着付けを頼むということにならないか?嫌でも泊まりになるじゃないか。

それは面倒くさい…。それに、理子に真行寺を取られてしまうような気がして、三洲は面白くないのだ。

「お前、この次は甚平にしろ。あれなら帯もないし、自分で着れるじゃないか」

「えーっ!ヤダよっ。自分で着れるとか、そーゆー問題じゃなくて…。浴衣の方がカッコイイしさ…甚平だと、蚊に食われそうだし、それに…何かチャラ男みたいじゃん…」

「…チャラ男?ふふっ…あははははっ!何か、お前にピッタリだな?はははっ」

「俺、チャラ男じゃないってばっ!ヒドイよ、アラタさん……つーか、笑い過ぎっ!」

笑い転げる三洲を、ぎゅうっと抱きしめると…ふわっと香る、シャンプーしたての甘い髪の匂いにクラリとする…。抱きしめられた三洲は、真行寺の広い胸に飛び込みたい為に…。ぎゅうっと強く抱きしめて欲しい為に…。ワザと真行寺をからかったりして…。

立秋はとうに過ぎたのに…本当の秋は、まだ先のようだ…。焼けたアスファルトの熱が風に巻き上げられて、夜風も少し温め…。
時々、窓際に吊した風鈴が凜…と、涼しげな音を奏でる。

「…そろそろ寝よっか」

「…そうだな」

部屋へ入り、二人は寝室へ移動した。そして、いつもの定位置へ…。

今夜から誰にも邪魔されない、二人だけの甘い時間を過ごせる…。

「…やっぱり落ち着くねウチのベッドふふっ

「実家の俺のベッド…狭かったな?」

「…うん。でも、それはそれで俺はOK

実家のベッドより広いのに、真行寺に寄り添う三洲…。胸に耳を当てると、聞こえてくる鼓動が子守唄のように響いて、眠りに誘われる…。

「…寝よう、真行寺」

「…やっぱり…寝ちゃうの?」

「…なんだよ、今日は疲れてるから…お前だって、分かってるだろ?」

「うん…そうだけどぉ…せっかく帰ってきたんだしさぁ…」

言いながら、三洲の体のラインを右手でなぞった。

「…昨夜しただろ?…我慢しろよ…」

「…え~っ…しようよぉ~」

大きな掌で三洲の尻を撫で回す…。

「…そのイヤラシイ手を何とかしろよ…」

「だって、アラタさんのお尻、柔らかくてキモチイイんだもんふふっ

触りたい放題の、真行寺の手を一応払い退ける三洲…。

「…スーケーベ」

「ねぇ~…ダメ?」

「俺はグッスリ眠りたいんだよ…」

「…だから~、俺がグッスリ眠らせて、あ・げ・る・か・らふふっ

あ~言えば、こ~言う…で、真行寺は尚も食い下がる。三洲は別に、してもいいと思っているのだが…。すぐにOKを出してしまうのも面白くない。

実家では、散々な目に遭わされた…。

だから、その罰だ。

…密かに。ふふっ

「…ねぇ~…アラタさぁん。俺、眠くなってきちゃうよ~…」

「…じゃあ、寝ればいいだろ?俺は寝るからな」

そんなことを言われても…。

綺麗なヒトが、こんな風に引っ付いていたら…余計にムラムラしてしまう…。

そのまま寝るなんて…酷ってもんだ。

こうなったら…強行突破だっっ!

「アラタさんっ!ごめん!俺、我慢出来ないっ!」

「わっ!」

抱き竦められて、自由が利かなくなる…。呼吸もままならないようなキスをされて、僅かな隙間から吐息が漏れた…。

「…ん…ふっん…」

口移しで真行寺の熱が注がれて、体が火照っていく…。もう、自分でコントロール出来ない程に甘く疼く体…。

「…あっ…やん…」

その後はされるがままで…。結局、OKを出す前にヤラれてしまった三洲であった。

真行寺の裸の胸にクッタリと身を預けていると、真行寺が愛おしげに三洲の髪を撫でていた…。

「…ごめんね…無理矢理しちゃって…」

「…いつも謝るんだな…」

恋人同士なのに。本当に嫌なら、真行寺だろうと突き飛ばすだろう。

【嫌よ嫌よも好きのうち】

なのだ。

「…なあ、真行寺」

「ん?何?」

「来年の夏祭りは二人だけで過ごそう…」

「え?お泊りは?浴衣着ないの?」

今回の三洲宅お泊りが楽しかった真行寺が、ちょっぴり残念そうに聞くと…

「…泊まりは無しだ。あんな思いをするのは、もうゴメンだからな」

「…じゃあ、じゃあ…浴衣は!?」

「そんなの…お前が帯の結び方覚えればいい話だろ?インターネットとかで検索すれば見つかるんじゃないか?」

「…それはいいけどさ。そしたらアラタさんだって、一緒に覚えてよ?」

「…俺が?何で?」

「何でって…俺の帯、結んでくれないの?」

そうか。そういうことか…。自分で結んで、腰までぐるりと回す…という方法もあるけれど…。面倒だな。

「だから…さっきも言ったけど、お前は甚平にしろよ…ふふっ」

…チャラ男。

「あーっ、また!意地悪っ」

三洲をぎゅ、ぎゅうっと抱きしめた。

来年の夏までに。

帯の結び方、覚えるしかないな…。一年あるのだから、大丈夫か。

口には出さないけど。真行寺の腕の中で、そう思った三洲であった…。

それより…今夜は良く眠れそうだ…。



Fin.
スポンサーサイト

- 0 Comments

Leave a comment

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。