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青空5 

青空5


玉子粥と梅干し二粒。

「…何だ、食べないのか?冷めるぞ…」

いつまで経っても、真行寺がお粥を食べようとしないので聞いてみると、

「…食べさしてくんないの?」

「…はあ?」

また、面倒なことを言うんだな…コイツは。

「…ほら、俺病人だし…」

「何だよ、それくらい自分で出来るだろ?ガキじゃあるまいし…。それより、薬はどこだ?」

「…薬?薬は鞄の中だよ。…って、アラタさぁん…俺、ガキの前に病人なんですけど…。早く食べさして~…あ~ん

病人であるのをいいことに、甘えまくる真行寺…。何だか憎たらしいヤツに見えてきた。

「…ったく、しょうがないヤツだな」

三洲は仕方なく、お粥をレンゲに掬い真行寺の口へ運ぶ…。

「熱っ!!ちょっ!…ちゃんと、ふぅふぅしてよっ!熱いじゃんっ」

「ふふっ…あははっ!」

「もぉっ!笑い事じゃないってばっ…口をヤケドしたら、アラタさんとチュー出来なくなっちゃうじゃんっ」

「はぁ?それだけ元気があれば自分で出来るな?…さて、俺も夕飯食べるからさ」

「もぉっ、意地悪っ」

真行寺の言葉を背中に受けながら部屋を出て、取り敢えず着替えをしに寝室に入る…。スーツを脱いで、ラフな部屋着に着替えた。そして溜め息を一つ…。

「はぁ…夕飯…面倒くさいな…」

ブツブツ言いながら、キッチンに行った。今から作るのは面倒だし…。出来れば食事は、手っ取り早く済ませたいところだ。
何かないかと、戸棚を開けるとカップ麺を発見。これなら、簡単!お湯を注いで3分待てば、出来上がり。

…ニヤリ。

こんな時は、とっても有り難いカップ麺。きっと、真行寺がコッソリ隠しておいたものかも知れないが…。

「…一つくらい良いだろう」

だって面倒くさいんだ。真行寺の物は俺の物…。昔、よく言ってた。もし文句を言ったら、カップ麺くらい好きなだけ買ってやればいいことだ。三洲は、手前にあったカップ麺を一つ手に取った。
ポットの再沸騰ボタンを押してから、カップ麺の中身を取り出し、かやくとスープの粉をカップの中に入れた。5分程すると…ポットの再沸騰が完了し、保温に切り替わると同時に、ピーッピーッと音が鳴った。

「沸いたな」

早速、カップ麺にお湯を注いだ、その時。

「熱っっ!」

カップ麺を持っている手に、お湯がちょっぴり飛んできたのだ。急いで蛇口を捻り、流水で手を冷やした。

「…あっついなぁ、も~」

大事には至らなかったものの…さっき、真行寺に意地悪をした罰が当たったのか?と、密かに思う三洲であった…。カップ麺が出来上がる前に、真行寺の所へミネラルウォーターを持って行った。風邪の時は水分補給も大事なことだから。

「真行寺、水持ってきたぞ」

「あ、ありがとう。アラタさん、お粥美味しかったもう少し食べたかったよ

予想以上のコメントを頂けた。

「…そうか?それなら良かった。薬飲んで、もう寝ろよ…」

「うんあ。夕飯何にした?」

「…カップ麺。悪いけど一つ貰ったぞ。今度買って返すから」

一応一言、言っておけば喧嘩にはなるまい…。

「えぇっ!それだけでいいのっ!?後で腹減っちゃうじゃん」

「大丈夫だよ、お前じゃあるまいし…。そんなに心配するんなら、早く風邪治してご飯作ってくれよ」

…しまった!

思わずサラッと言ってしまった。次の瞬間、真行寺の顔を見ると…ニヤニヤしてこちらを見ていた。

「うん大丈夫、すぐ元気になるから

「…早く…薬飲めよっ。これ、もう片付けるからな…」

「うん、ごちそうさま

「…おやすみ」

「おやすみ

食器を乗せたトレーを持って、部屋を出た。シンクに食器を置いてから、夕飯にありつく。

「…あ~、ツユが…」

カップ麺の蓋を開けると、既に麺がのびていた…。

「…最悪」

でも、仕方がない。唯一の夕飯だから、捨てる訳にもいかないので、我慢して食べた。

…いやいや。有り難く頂きました。


~・~・~・~・~・~・~


後片付けとシャワーを済ませて、寝る前にもう一度真行寺の様子を見に行った。ドアを、そっと開けると…薬が効いている所為か、よく眠っているようだ…。
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