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青空13 

青空13


「これで一先ず、安心だねふふっ

礼服を購入して、益々結婚式が楽しみな真行寺は少々浮かれ気味。

「…なんだよ、デレデレして。だらしないっ」

店員にちょこっと褒められただけで、ニヤニヤしている真行寺を見て三洲は呆れ顔。

「えぇ?俺、そんなにだらしない顔してる?」

自分ではその表情が見える筈などないが…(鏡でも見れば別)今の自分には、ちょっぴり不機嫌な(?)三洲の顔しか見えていない。

「…まったく、見てられないね」

お手上げのポーズが、無意識に作られる…。

「…だってさぁ、モデルなんて初めて言われたから…嬉しかったんだよぉ。俺、自分の容姿なんてどうでもいいんだけどさ、やっぱ褒められるのって気持ち良いじゃん?…あっ!でも、モデルなら…アラタさんの方が相応しいよね!?綺麗だしふふっ

上機嫌なままの真行寺は、三洲の厭味などそっちのけで笑顔で応えた。
真行寺は知らないのだが、広瀬も以前…真行寺はモデルのようだ、と言っていたのを三洲は思い出していた。
三洲も認めているが、真行寺のルックスはかなりイイ線いってる。モデルみたいと言われてもおかしくはない。
だけど、本当にモデルならば…すごく人気を集めてしまいそうだし、毎日ヤキモキする自分の姿が浮かんでくる…。それより、今のこの穏やかな生活が失くなってしまうような気がして…。二人の気持ちが擦れ違うのは、もう嫌なのだ。

普通のサラリーマンで充分。

もっと…もっと近くで、真行寺を感じていたいから。

「…仮に、俺がモデルだったら…お前どう思う?」

自分には有り得ないし…実際、モデルなどに興味はないのだが。折角だから、聞いてみる…。

「アラタさんがモデルだったら?う~ん…。きっと、手に届かない雲の上の人?」

「…なんだそれ?」

「だって…そしたら、こうして付き合えないだろうしさぁ…。俺は知ってても、アラタさんは俺のこと、ずっと知らないままかも知れないじゃん?遠い世界の人みたいに…」

広い駐車場を歩きながら三洲は、人目も憚らず…そっと手を繋ぐ。

「…アラタさん?」

真行寺の掌の温もり…。

「…いつだって、お前の傍にいるだろ?」

優しい目で、真行寺の顔を見上げる。

「…うんそうだね

アラタさんが、普通の人で良かった

軽く繋いでいた手を、きゅっと握る。さっきまでの、三洲の不機嫌な表情も…いつのまにか、どこかに消えていた。

「何か、美味しいもんでも食べて帰ろっか?」

「…そうだな。真行寺の奢りで…ふふっ」

「…もぉ、しっかりしてんだからぁ。でも、今日は買い物に付き合って貰っちゃったから、当然だよねふふっ

そして、車に乗り込んだ二人。

「ね、ねっ、食後のデザートは…俺で良い?…なんつってふふっ

「…はあ?真っ昼間からナニ言ってるんだ…。お前はアホか…」

シートベルトをカチッと嵌めながら、車が発進するのを待つ…。

「…もぉ~。エッチの予約に決まってんじゃん

…予約だと?

予約制だったのか?いつからそんなシステムになったんだよ?いつも言ったこともないクセに。

「…今日の食後のデザートはいらない」

プイッと、横を向く。

「えっ、そんなぁぁぁっ!」

声を聴いて分かる…。今の真行寺、恐らく泣き顔に近い表情をしているに違いない。

「…予約なんて受け付けない…ふふっ」

思わず、笑いが込み上げた。

「…あっ!また笑ってる!いっつも、そうやって意地悪するんだからっ」

座席ごと、三洲を抱きしめると、フワリと甘い香りが鼻を掠める…。

「…アラタさんって、ホントいい匂いするね…

耳許でコソコソ囁く…。

「くすぐったいから、ヤメロって…」

真行寺を押し退けようとするが…。ガッチリと固められて、びくともしやしない。

ホント、馬鹿力。

「じゃあ、後でエッチしよ?」

そればっかり。コイツは、どんだけ溜めてるんだ!?

もう面倒くさい。

「…あー、もー、分かったから離せっ!腹が減ったから、早く車を出せよ…」

「やりィ!そうこなくっちゃ!…エッチ付きうふ

「…なんだそりゃ」

「アラタさん、大~好きっ

風のように素早く、三洲の口唇を奪う真行寺であった。
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