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青空18 

青空18


翌日、車で羽田へ向かう二人。

「…ふぁ~~っ…」

運転しながら、大あくびをする真行寺を見て三洲は少々呆れ顔。

「…さっきから、あくびばっかりしてるけど…あれから眠れなかったのか?」

あれから…。

どうにも寝付けず。三洲には拒否られて、先に寝られてしまう始末…。
ひとり取り残され、ずっと天井を眺めたり、目をぎゅっと閉じても、睡魔に襲われることもなく…。結局、寝付いたのは、明け方近くで…それからすぐに起きる時間がやってきてしまったのだ。

「…うん、マジで寝れなかったよ…。こんなに眠れなかったの、祠堂の入試の前夜以来だよ……ふぁ~~あ…」

吸い込まれてしまいそうな、大あくび…。

「…ふふっ、そうだったな…」

二人が初めて出会った、祠堂の入試の日…。思い出したら、何だか可笑しい。
あの時は、後の二人がこうなることなど、微塵にも思っていなかった…。

「…運転、大丈夫か?」

あくび連発の真行寺に視線を向けると、

「うん、大丈夫だよもうすぐ空港に着くから」

今、こうして三洲の元同僚、広瀬の結婚式に出席する為…二人で空港へ向かっている。

何だか…不思議。

「近いからって、気を抜くなよ?この時間帯は車が多いからさ」

「は~い

眠い目を擦り、空港を目指す…。



空港の駐車場に車を停めて、第1旅客ターミナルへ…。ここから、福岡空港行きの飛行機が出ている。

「…アラタさん、俺…腹減ってきちゃったよ」

搭乗手続きをしていると、真行寺が三洲にコッソリ耳打ちした。

「なんだよ、朝ご飯食ったじゃないか。まだ10時前だぞ?」

いくら何でも、消化が早過ぎるだろ…。

「…だぁってぇ…」

「あっちに着くまで我慢しろよ…。昼くらいに着く予定だから…。ほらっ、行くぞ」

手続きを済ませて、搭乗口へとスタスタ歩いて行く。

「あっ!待ってよっ!……あ~…空弁…」

もしかしたら食べれるかも!と、密かに期待していた空港で売っているお弁当。滅多に食べれないから、ほんのちょっとだけ…楽しみにしていたけど、それも見事に打ち砕かれた。

「…アラタさんの意地悪…」

前を歩く三洲の背中に、聞こえないくらいの小さな声で、コッソリと言葉をぶつけた…。


~・~・~・~・~・~・~


福岡空港、11時35分着。
二人は初めての福岡に降り立った。思っていたより気温も高くて、過ごし易い気候のようだ。キャリーケースを受け取り、空港のコンコースまで行くと、

「三洲さーん、真行寺さーん」

ざわざわと騒がしい中から聞こえてきた声…。振り返ると、広瀬が手を振ってこちらへ駆け寄ってきた。

「広瀬、久しぶり」

「こんちわっす」

「お久しぶりです」

二人に深々と頭を下げて、

「福岡まで来て下さって、ありがとうございます。お疲れになったでしょう?」

「いや、大丈夫だよ。真行寺なんか、飛行機に乗った途端に眠りコケたよ。な?真行寺、ふふっ」

「ア、アラタさんっ!」

カッコ悪いところをバラされて、慌てまくる。

「よく眠れましたか?ふふっ…」

また広瀬に、笑われてしまった。

「昨夜よく眠れなかったんだよな?コイツ、子供みたいなんだよ…あははっ」

「もぉっ!アラタさんてばっ!」

福岡まで来て、何だかいい笑い者にされている(?)真行寺は、頬を赤く染めてムキになる…。そんな二人を見ながら、広瀬は腕時計をチラリと覗き、

「あははっ、お二人ともホント仲良しですね?あ、そろそろお昼ですから…食事して行きましょう」

広瀬の言葉に赤面する間もなく、話題を素早く変えられた。食事と聞いて、真行寺の表情がコロリと変わり、目までキラキラと輝かせて、

「行きましょ、行きましょ!俺、腹ぺこなんすー!さっき空弁食い損ねちゃったから~…つーか、アラタさんに阻止されたっすよー。…可哀相な俺~」

「黙れっ、真行寺」

広瀬はクスクス笑いながら、二人の間に入った。

「まあ、まあ…お二人さん。いいじゃないですか…ふふっ。車用意してますから、お二人とも、こちらへどうぞ」

「ああ、ありがとう。何から何まで、助かるよ…広瀬」

広瀬について行こうとすると真行寺が、

「あ、待って!俺、トイレ」

二人を止めて、急いでトイレに入って行った。真行寺を待つ間、広瀬と三洲は少し話をした。

「…ったく。済まないな、広瀬」

「いえ、いいですよ。それより…三洲さん、また綺麗になりましたね…ふふっ」

急にそんな話を振られて、キョトンとする三洲だったが、

「何言ってるんだよ、急に…」

「いえ…、いい恋してるんだなぁって思ったんですよ…ふふっ」

広瀬が嬉しそうに笑う。

「…更に、生意気になったな…広瀬は。ふふっ」

「…でも、何もお変わりなくて良かったです」

「はい。おかげ様で…ふふっ」

二人で談笑していると、真行寺がトイレから戻ってきた。

「お待たせっす…って、また俺の悪口言って笑ってたんでしょ?」

冗談めいて言うと、

「そうだよ」

三洲がまた、冗談で返す。

「…ヒドイよ、も~!」

「あははっ、大丈夫ですよ、真行寺さん。さ、行きましょう」

この後、三人は空港を後にして、福岡の街へ繰り出した。

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