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青空22 

青空22


「真行寺が聞けば、喜ぶよ?きっと。俺は滅多に褒めたりしないからさ…。カッコイイなんて言ったら舞い上がるよ、アイツ。…ふふっ」

「…どうして、褒めてあげないんですか?」

広瀬は不思議そうな表情で、三洲に聞いてみた。

「調子に乗るからさ…。ダメなことはダメって、ちゃんと躾ないとな」

「それじゃ、犬か何かみたいですね…ふふっ」

「鋭いなあ、広瀬は…。あははっ!」

「意外でした。俺はてっきり、三洲さんは真行寺さんに甘いのかと思ってました…ふふっ」

「…え?」

こっちもある意味、鋭い…。実は、甘やかしてるところも多々ある。まるで、広瀬に日々の生活を覗かれてるように思えてくる…。

…と。

そこへ、露天風呂に夢中だった真行寺が戻ってきた。

「もぉ、二人で何笑ってんの?」

「お前の悪口言ってたんだよ、ふふっ」

楽しそうに三洲が笑う。

「まーたー!?あ、それよりさっ。外の露天風呂、超~湯加減良いんだけど~…早く入ろうよぉ、アラタさ~ん

真行寺は、三洲の服の袖を引っ張った。その三洲は、またか!というような顔をして、

「…だーかーら、一人で入ればいいだろ?」

さっきから断固、拒否を決め込む。

「まぁ、まぁ、三洲さん。いいじゃないですか…こんな時くらい。俺は今から、また仕事に戻りますから。二人でゆっくり露天風呂に浸かって下さいよ」

ちょっぴり真行寺を不憫に思ったのか…広瀬は、またもやフォローしてくれた。

「そうっすよね!?そう思うっすよね?広瀬さん、良い人っ

真行寺は勢いよく、ガバッ!と広瀬に抱きついた。

「わっっ!」

突然のことで、心の準備が出来てなかった広瀬は、バランスを崩して畳に倒れそうになった。

「こらっ!真行寺っ」

「あ…、すんませんっ…大丈夫っすか!?」

「はい…大丈夫です。あ、真行寺さん。屋台なんですけど、21時頃でも良いですか?」

「あ…はい!OKっす

それを聞いた真行寺は、目をキラキラさせ、嬉しそうに返事をした。

「じゃあ、その頃にまたお伺いしますから。お二人で待ってて下さいね?」

「はーい

「世話掛けて済まないな、広瀬…よろしく頼むよ」

「はい。じゃ、また後ほど。ごゆっくりお寛ぎ下さい」

広瀬は二人に一礼して、桔梗の間を後にした。広瀬が立ち去った後、三洲は真行寺を睨みつけた。

「真行寺っ、今のアレは何なんだ?」

「え?今のって?」

ちょっぴり、不機嫌な表情をした三洲…。真行寺は何のことか分からなくて、ただキョトンとしていた。

「…俺の前で、あんなことするなよ…」

三洲は真行寺の肩に、ちょこんと頭をつけた…。どうやら三洲は、真行寺が広瀬に抱きついたことが、面白くなかったらしい…。

「…アラタさん?」

「俺以外の人に抱きついて良いなんて、俺は許可してないからな…」

真行寺の背中に腕を回し、そのまま胸に顔を埋めた…。三洲にとっては、誰にも取られたくない場所なのだ…。

「…ごめん、アラタさん…。俺、そんなつもりじゃなくて…。屋台って聞いたら、テンション上がっちゃって…嬉しくて、つい…」

「…分かってるよ、そんなこと…。どれだけ、お前を見てきたと思う?」

真行寺は一途な男だ…。脇目も振らず、ずっと三洲だけを追い掛けてきたのだ。そんな真行寺を、三洲は今日までずっと見てきた…。

だから…。

「…半分は俺の意地悪だ」

時には、虐めたくなる…。
後の半分は、勿論…本気。つまらないことで、嫉妬してしまう自分が…愚かだ。俺は、どれだけ欲張りなんだろう…。

「…アラタさんてば…ヤキモチやきなんだから…ふふっ

「…悪いか?」

真行寺の顔を見ずに応えた。

「ううん、可愛い

年上で…。普段はとてもしっかりした好青年なのに…。二人きりの時に見せる、もう一人の可愛い三洲。

「…ねぇ、キスしていい?」

「…いいよ」

三洲のサラリとした前髪を梳いて、柔らかい口唇へと辿りついた…。何度も、何度も口唇を重ね合い、その甘い余韻に浸る…。

「…ねぇ、露天風呂入ろ?」

三洲の耳許で、真行寺が囁く…。

「…お前も諦めが悪いな?だけど…広瀬の前で、あんまり「あれしよう、これしよう」って言うなよ…?恥ずかしいから」

「うーん…分かったよぉ。…でも、露天風呂入るっしょ!?ふふっ

人の話を、ちゃんと聞いてるのか、聞いてないのか…。

「…しょうがないな、お前はっ」

今日もまた、真行寺の為に道を譲った三洲であった…。
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