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青空25 

青空25


三人はタクシーで、那珂川を挟んだ中洲屋台横丁へ…。川の水面にネオンが映り、何だかワクワク、ドキドキ!
若い人から、自分達の親くらいの人達で、どこの屋台も賑わっていた。二人は、広瀬の後をついて歩く。どこの屋台も、何だか美味しそう…!

「広瀬さん、どこの屋台に入るっすか?」

食いしん坊の真行寺は、目をキラキラさせながら広瀬に聞くと、

「行きつけにしてる屋台があるんですよ。そこでも良いですか?」

「美味しいものが食べれるなら、地の果てでもついて行くっすよ~広瀬さんふふっ

「真行寺、意地汚いぞ」

「…だぁって~」

食い意地丸出しの真行寺に呆れ果て、もう怒る気も失せているが、やっぱり黙っていられず…。ついつい口に出してしまう三洲であった。前を歩く広瀬が立ち止まり、指を差す。

「あ。あの屋台です」

行ってみると、広瀬が行きつけにしているという屋台も大賑わいで、座る席すらない感じだったが…。飛び飛びで空いている席を詰めて貰い、隅っこだが三人並んでどうにか座ることが出来た。
こんなことにも、嫌な顔ひとつせず、快く席を詰めてくれる福岡の人達は、なんて温かいんだろう…。おかげでこちらは助かった。

「お!いらっしゃい!広瀬君、久しいね~」

「大将、こんばんわ」

「元気だったかい?お連れさん達、ここらじゃ見ない顔だね?」

「広瀬君の結婚式に呼ばれたので、東京から来ました」

三洲が柔和な笑顔で応えると、大将は驚いた顔をした。

「へぇ~、東京から?大変だったねぇ。それにしても、広瀬君。とうとう身を固める気になったかい?…史織ちゃんだっけ?」

大将は史織のことを知っていた。夏の頃、二人でここを訪れたからだ。

「はい。旅館の仕事も身についてきたので…そろそろ良いかと思って…」

広瀬が照れ臭そうに応えた。

「そっか~、めでたいよなぁ…。で、いつ結婚式?」

「明日です」

「明日!?」

大将はまたもビックリした様子だったが、自分のことのように喜んで、

「じゃぁ、また史織ちゃんと来てくれよ?祝ってやるからさ」

「ありがとうございます」

広瀬はペコッと頭を下げてから、

「大将、取り敢えず生三つ下さい」

「はいよ!生三つね!」

大将と広瀬が会話をしている間、真行寺はメニュー表を真剣に見ていた。

「…どれがいいかな~?ね、アラタさん。何にする~?いっぱいあって、迷っちゃうね~

さっき夕飯を摂ったというのに。こっちは逆に“これなら大丈夫だ”というものを選ばなければならない…。

「好きなもの食べれば良いだろ?」

「うんそうだよねじゃぁ…餃子と~、明太玉子焼きと~、どて焼きと~…」

…一体、何品食うつもりなんだ?コイツわっ!

「真行寺さん、おでんもオススメですよ?」

「あ!じゃぁ、それも!」

広瀬の一言で、また一品追加…。酒のツマミ程度にするかと思いきや、これでは普通に食事するようなものだ。

「…真行寺、もうそれくらいにしとけよ?」

「うーん…ひとまずねでもっ!最後はやっぱしラーメンで〆なきゃね~ふふっ

…真行寺の腹は、底無しだ。今、気がついたワケじゃないが…。そうこうしているうちに、まずは生ビールが運ばれてきた。

「じゃぁ、乾杯しましょうか?一年振りの再会を祝して…」

そこまで言い掛けると、

「…それと、広瀬の結婚な?」

三洲がニコッと笑い、一言つけ加えた。

「カンパ~イ!」

三人でジョッキを合わせた。タイミング良く、料理も次々と運ばれてきた。

「うわっ美味そう

どれもこれも、酒に合うものばかり。真行寺は早速、箸をつけてみた。玉子焼きを一口食べて、

「んー!美味い、これっ!明太子のピリ辛が、ビールに合う~!アラタさん、食べてみなよっ」

真行寺のテンションは上がる一方だ。見ていると、ホント美味そうに食べている…。三洲はコソッと耳打ちをした。

「…お前、旅館であれだけ食ったのに、美味そうに食うんだな」

「だって、美味いんだもん

真行寺は満面の笑みで応えて、一杯目のビールを飲み干した。

「大将、熱燗一本つけて下さ~い」

我が恋人は、人に馴染むだけでなく、屋台に馴染むのも早かった…。
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