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青空30 

青空30


「…はぁ。食った、食った…」

「お前、食い過ぎなんじゃないのか?」

シャワーを済ませ、身支度も整えて…。一階の大広間で、他の泊まり客に混じって朝食を摂り…たった今、桔梗の間へ戻ってきたところだ。10時までには、まだ少し時間がある。

「美味しくて、ご飯が進んじゃったんだもん

朝食にしては、品数が多かった気がする。

「だからって、三杯も食うなよ」

どれだけ食おうが、真行寺の勝手なのだが…。一緒に食べていた三洲は、ちょっぴり恥ずかしかった。

「だってさぁ、おかわり自由だったじゃん?それに、お茶碗ちっちゃいんだもん」

「…ったく。朝から、よく食うヤツだな」

あの真行寺の食べっぷりときたら…。この後、何時間もしない内にまた食べなくてはいけないのに。三洲はついつい、ツマラナイ心配までしてしまう…。片や、そんなことはお構いなしの真行寺は、

「そろそろ礼服出しとこっと……アラタさんのも出しとくね

「…ああ、ありがとう」

備え付けのクローゼットから、礼服を二着取り出した。

「こんな時、男は楽チンだね?」

言いながら、三洲の隣に腰を下ろす。

「え?何が?」

「女だったら、支度が大変そうじゃん?着てく物もそうだけど、髪型とか、化粧とか…」

「…まぁな。でも、最近じゃ…男でも化粧するヤツがいるらしいぞ?」

それを聞いた真行寺は、目を真ん丸くして…。

「えぇっ、マジで!?それなら、アラタさんもしてみれば?ふふっ

「はぁ!?何で俺が、化粧しなくちゃいけないんだよ?」

「似合いそうだからふふっ…でも、アラタさんはそのままで全然綺麗だけどね~

三洲の綺麗な横顔に近づき、チュッと素早くキスをした。

「…朝っぱらからよせよっ、もう着替えるっ…」

「おわっ!」

真行寺を突き飛ばし、着替えを始めた。

「…そんな照れなくたって良いのに可っ愛いんだからぁふふっ

「…うるさいっ、つべこべ言ってないで、お前もとっとと着替えろ。もう、とっくに9時半回ってるんだぞ?」

「…え?…あ。ホントだ。俺も着替えなきゃ。時間過ぎるの早いねっ♪」

遅くとも、10分前までには正面玄関へ行かなければ…。


~・~・~・~・~・~・~


「…ねぇ、俺どう?決まってる!?ふふっ

真新しい礼服に袖を通し、ちょっぴりウキウキ気分の真行寺。礼服を購入した時、店員に「モデルみたい」と、チヤホヤされてたっけ…。

そして、ちょっぴり意地悪…

「…別に~?普通だけど~?…ふふっ」

「あーっ!たまには褒めてよぉ…。カッコイイとかさ~。普通って…嬉しくないーっ」

「ほらっ、行くぞ。もう50分だ」

真行寺の苦情には、付き合っていられない…。三洲は、さっさと部屋を出て行こうとする。

「あ、待ってよ!」

真行寺をからかうのは、面白い。本人には、ちょっと気の毒だが…楽しい。


10時ちょうどに、正面玄関に式場の送迎バスが到着し、二人乗り込んだ。広瀬達は本日の主役なので、一足先に式場へ行っているとバスを待っている時、三洲の携帯に連絡があった。バスには他の招待客も何人か乗っており、結婚式場はバスで20分程の場所にあった。

海に面した結婚式場だった。


バスから降りて式場へ入ると、招待客で賑わっていた。今日は何組のカップルが、ここで式を挙げるのだろう…?

「ねぇ、アラタさん。あそこに座ろうよ?広瀬さんのお母さんがいるし」

真行寺が指差す方向を見てみると、広瀬の母親と…史織の両親だろうか?三人で話をしているようだ。ちょうど、その隣のテーブルが空いていた。二人でそちらに歩いて行くと、広瀬の母親が気がつき…座ったまま会釈をした。

「こちらへどうぞ」

「ありがとうございます」

二人は広瀬の母親達と同じテーブルの席に着いた。

「…ご紹介しますね。こちら、史織さんのご両親です」

「初めまして。本日はおめでとうございます」

「…で、こちらは啓介のお友達の三洲さんと、真行寺さん。わざわざ東京から来て下さったの」

広瀬の母親が、史織の両親に紹介してくれた。

「…まあ。あなた方が…?お忙しい中、ありがとうございます。娘から聞きましたけど、ホント…ハンサムなお二人。東京には、綺麗な方がいるのね…うふ

「…いえ、そんなことないです」

謙遜しながら応える。印象として…史織の母親は、お喋り好きで、とても気さくな感じ。対して父親は無口な人…。

今日は娘の結婚式…。

嬉しい半面、寂しくもあるのだろう…。父親は、娘の幼い頃を思い出しているのかも知れない…。
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