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緑色の風15 

緑色の風15


時間的に少し早いのかも知れないが、二人は布団を敷いた部屋へ移動した。三洲は着ていた服を脱ぎ、パジャマに着替え始める…。露になった上半身…。いつも見ているけど、改めて見ると…肩も細いし、ウエストも、どこもかしこも細いのだ。そして、見惚れてしまうくらいの白い肌…。

…ふと、思い出した。

…あのワンピース…似合うかな?

まだ、真行寺のキャリーケースにしまったままになっている、女装セット。きっと、三洲に怒られるに違いない。

『お前の趣味が分からん』

とか、言われそう…。

「…ん?なんだよ?」

パジャマに着替えた三洲が、真行寺の熱い視線に気づいた。

「…え!?…あ、な…何でもないよっ…」

「おーまーえ…怪しい」

…何だか、嫌~な予感。

「あっ…怪しくなんかないよっ?…ははっ」

三洲に詰め寄られて、真行寺の表情が徐々に引き攣っていく…。真行寺は三洲のように、ポーカーフェイスが得意ではない…。もう、八割がたバレているようなものだ。

もう、どうにでもなれ!!

真行寺の中で、何かが吹っ切れたのか…三洲の目を見て、言ってみた。

「アラタさん。着てほしい服があるんだけど!」

「…はあ?」

三洲がポカンとしている間に、真行寺は何故か大急ぎで、キャリーケースから女装セットを取り出した。

「…これなんだけど…」

袋の中から洋服を出して、パッと広げた。春らしいシフォン素材のチュニックワンピース…。可愛い女の子が着そうな花柄である。

「…お前、ホントに用意したのか!?」

一気に酔いも冷める…。呆れて二の句が繋げない。

「…だってっ…アラタさんが悪いんだよ?」

「何で、俺が悪いんだよ?」

「…アラタさんが、あんなこと言うから…」

「…あんなこと?」

記憶力の良い三洲が、忘れる筈はないのだ…。

『…俺に女装させようと思ったんじゃないだろうな?』

あの場のノリで、うっかり言ってしまったことを、今更ながら後悔してしまう。

真行寺はそーゆーヤツだった…。

後で、女装はしないと言ったのに…。調子にノリやがって!

「女装しないって、後で言っただろ!?」

「…言ったけどぉ、見たいんだもん!絶対、綺麗だからっっ!」

真行寺が、必死で説得しているようにも見える…。

「悪趣味!こんなもん着れる訳ないだろっ!?」

「大丈夫だよ!アラタさんにも着れるサイズだから!」

「そーゆーことを言ってるんじゃない!」

真行寺に、プライドをズタズタにされることもシバシバ…。何を考えているのかも、時々分からなくなる…。

「もぉっ!とにかく、何でも良いから着てみてよっ!」

「お前が着れば良いだろっ」

「俺が着て、どーすんの!?」

ヒートアップする、痴話喧嘩…。おかげで、ホントに酔いも眠気も冷めてしまった。

「あーっ!分かった!俺のセンスが悪いから、着たくないんでしょっ!?」

「そんなこと言ってないだろっ」

ネット通販でコッソリ…、三洲には内緒で購入した。沢山の種類があって、真行寺も目移りしながらこれを選んだ。数多い中で、唯一このワンピースが一番、三洲に似合うんじゃないかと思い…『カートに入れる』をクリックしたのだ。

三洲は肌が白くて、華奢だから…。女の子の洋服が楽々着れてしまう筈…。

柔らかい色合いに、細いタッチで野薔薇が描かれているワンピース…。セットになっている、ロング丈のキャミソールをその下に着れば、ワンピースの裾からチラリとレースが覗く、というデザインのもの。

真行寺は、それを妄想しただけで、堪らなかった。

「…恥ずかしいから、嫌だっ」

そんな言葉すら、真行寺の気持ちを刺激する。

「そんなことないよ~俺の前だけだからうふっ…何なら、着せてあげよっか!?ふふっ

「自分で着るからいいっっ!…あっ!」

真行寺の言葉に乗せられて、つい“着る”と言ってしまった…。とんだドジを踏む、三洲…。真行寺は?というと、とても嬉しそうだ。

「…言っちゃったねアラタさんふふっ

「…うるさいなっ」

「あ。ねぇ、ヅラもあるんだけど~

もう一つの袋から、ロングヘアのウイッグを取り出した。明るめの髪色で、緩いウェーブが掛かっている。マサに!綺麗なお姉さん系のウイッグなのだ。

「…なんだよ、そんなもんまで被らなきゃいけないのか?」

「そっ

三洲は密かに、心配していることがあった…。
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