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緑色の風19 

緑色の風19


「あ~…食った、食った…」

結局、真行寺は三杯飯を食らい…畳にゴロッと、寝転がっていた。

「お前…食い過ぎだ」

「…うーん。だって、美味かったんだもん…ふぅ」

一杯目はそのままご飯にのせて。ニ杯目は鯵の開き、三杯目は“〆だ!”と言って、大根の葉のお茶漬けでサラサラっと食べたのだ…。全く、なんちゅう胃袋をしてるんだ?と、いつも疑問に思う三洲であった。

「今日は一日雨なのか?」

「うーん…天気予報だと、午後から雨がキツくなるって言ってたよ」

「…ふぅん、そうか」

窓の外を眺めた。ここへ来たのは良いが、雨だと余計やることがなかったりする…。晴れていれば、畑仕事をやっても良いと思っていた。

「…アラタさん、退屈?」

寝転がったまま、真行寺が聞いた。

「…ん、まあな。やることないから、洗い物してくるよ」

「え?いいよ、俺がやるから…」

「いいって。いつもやって貰ってるし、たまにはやらないとな…。それだし、お前。まだ腹が苦しいだろ?ふふっ」

それに関しては、何も言えない。

「…ごめんね、ありがと

真行寺は三洲の言葉に甘えて、もう少し横になって休むことにした。三洲は台所へ行き、朝食の後片付けを始めた。


~・~・~・~・~・~・~


後片付けを終えて、部屋へ戻ると…真行寺はグーグー眠っていた。

「…腹の皮が突っ張ると、目の皮が弛む…ってか?…ふふっ」

せっかく気持ち良さそうに眠っているので、そのまま放っておくことにして…。

「…さて、何するか…」

真行寺のように、一寝入りするのも勿体ないので…靴を履き、外へ出てみた。雨は依然と降っているのだが、一つ気がついたことがある。玄関前に置いてある花は屋根の下の為、雨が当たっていない。プランターいっぱいに咲いているので、きっと水が必要だ。

「花に水をやるか…」

外の水道で、ジョウロに水を汲み…花にたっぷりと水を与える。薔薇の鉢植えを見ると、昨日よりも蕾が開いているような感じ。どうやら花の色は、薄いピンク色のようだ。

「…もうじきだな」

細い指先で、花をちょんとつついた…その時。家の前の道路に、一台の軽トラックが停まった。

「…ん?誰だろう?」

車から人が降りてきて、よく見たら宮島だった。

「三洲く~ん、おはよう」

「あ、おはようございます。昨夜はお世話になりました」

丁寧に挨拶をした。

「いやいや、こっちこそ来てくれてありがとうな。久々に若い衆と飲めて嬉しかったよ。昨夜はよく眠れたかや?」

「あ~…はい」

昨夜は色々あったけれど…まぁ、眠れた方だと思う。真行寺がアホなことをしなければ、もう少し眠れたかも知れないが…。

「俺も途中で寝ちまったから、君らが帰ったの知らなくてな?悪かったね、見送りもしないで」

「あはは、気にしないで下さい。そんなこと」

「女房に怒られちまったよ、あははっ。あ、そうだ。これ、食べてくれんか?」

三洲に袋を渡した。その中には、じゃがいもなどの野菜が沢山入っていた。

「こんなに沢山、良いんですか?」

「良いだよ。昨日、持って帰って貰おうと思って、用意しといたんだけどな。君ら歩いてきてただろ?この袋提げて帰んのも、重くて大変かと思ってな?今持ってきたんだよ」

「そうですか。雨降りなのに、わざわざありがとうございます。有り難く頂きます」

三洲はニコッと微笑む。

「食べ切れなかったら、東京へ持って帰ると良い…。そう言えば、真行寺君は?」

「あー…寝てます」

「お~?どっか具合でも悪いだか?あ…二日酔いかね?」

昨日の今日…なので、宮島は少し心配気な表情をした。

「あ、いえ…そうじゃないんです。朝ご飯をちょっと食べ過ぎて、苦しいらしいです、ふふっ」

「なんだ、食い過ぎか~?真行寺君は体がデカイから、いっぱい食いそうだよなぁ?あははっ!」

心配気な表情が一転して、明るい表情で豪快に笑った。

「その通りです、ふふっ。あ、立ち話もなんですから、上がって下さい。お茶淹れますから」

雨も降っているし、ちょっぴり冷えてきた…。

「あぁ、ありがとう。でも、この後まだ野暮用があるもんでな…。気持ちだけ貰っとくよ。今日は天気も悪いし、二人でゆっくりしてなよ」

「はい、ありがとうございます…。あ、宮島さん?この木って…桜ですよね?」

古民家の横にある、大きな木。聞こうと思っていたのだが…ある意味、忙しくて忘れていた。
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