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有り得ない組み合わせ小説。 

『ふたつの冬の物語2』


「雪…結構降ってきましたね…?風もないし、積もりそうですよ…」

「うん…。黒子っち、寒くない?」

「…寒いですよ。やっぱり傘がないとキツイですね?」

「…ごめんね、黒子っち…。俺がイルミネーション見ようって言ったばっかりに…」

風邪でも拗らせたりしたら、誠凛バスケ部の連中に怒られてしまうかも…。黒子は、それだけ大事な存在なのだから。

「謝らないで下さい…。ボクも…君と一緒にいたかったから…良いんです」

「…黒子っち…」

「黄瀬君、イルミネーション綺麗ですよ…」

街路樹に巻き付けられたLEDが、蒼白く光り…雪の演出もあって、とても幻想的だ…。

思わず、足が止まり…その風景に見惚れる。


同じ頃、反対方向から三洲と真行寺が歩いてきた。


「アラタさん、イルミネーション綺麗だねふふっ

「…そうだな」

イルミネーションを見に行くのを、渋っていた気持ちも不思議だけれど、今はもうなくなっていた。

「やっぱり好きな人と来るのが、一番だよねひとりぼっちじゃ…虚しいよ?アラタさんがいてくれて良かったふふっ

外が、どんなに寒くたって、気持ちだけは温かくなる…。

「…俺もだよ、真行寺」

ポケットの中で繋いでいる手を、きゅっ…と握った。

「…え…」

思ってもみなかった言葉に、いつもヤラれてしまう真行寺は、居ても立ってもいられない。今すぐにでも抱きしめて、キスしたい…。

「アラタさん…」

ゆっくりと、顔を近づけて行くと…三洲の冷たい指先が、真行寺の口唇に触れた。

「…真行寺、我慢しろ」

三洲が小さく呟いた。人通りは疎らだが、だけど人目が気になってしまうから…。


そのやり取りを見た人がいた。


「…黄瀬君、見ました?」

「え?何をスか?」

「…何か、あの人達…カップルみたいですよ?」

黒子がコッソリと、指を差した。

「得意の人間観察っスか?黒子っち、ダメっスよ?そんなジロジロ見ちゃ…」

「…別に見たくて見たんじゃないですよ?たまたまです。ボク達みたいに、男同士ですよ…」

「…つーか、黒子っち…何見たんスか?」

訝しげな表情で、黄瀬が聞く。すると、黒子は黄瀬の上着の襟をグッと引き寄せ、耳許に口唇を近づけて、コソコソ話す。

「…あの背の高い人が、隣の人にキスしようとして、止められてました」

「あはっ…黒子っち、ダメっスよ!俺、耳弱いんスからっくすぐったいっス!」

「…黄瀬君、ボクの話聞いてました?」

上目遣いで、黄瀬を見つめた。

「…聞いてたっスよ。中々、大胆っスね?」

「…こう言うのも何ですけど…。中々、画になってましたよ?あの人達、どっちもモデル並にカッコいいですし…ボク達より、年上ですよね?きっと」

「気になるっスか?」

「気になると言うか…。何歳くらいか分からないですけど、ボク達もあの人達くらいの歳になっても、ああして仲良くしていられると良いですね…」

綺麗なイルミネーションの所為か…ちょっぴり、恥ずかしくなるようなことまで言えてしまう…。


一方、噂されている二人は…。


「…アレ?」

「…なんだよ?」

少し離れた所に、どこかで見たことあるような人がいる。イルミネーションの灯りだけでは、頼りないものだけど…。その微かな灯りに浮かび上がる顔。どこで見たか…?暫く考えてから真行寺が、ハッと思い出した。

ファッション雑誌だ。

「…あれ、キセリョじゃね!?」

「…は?……キセリョ?なんだそりゃ?」

三洲は何のことか分からず、真行寺を見上げた。

「俺が買ってる雑誌に、時々載ってるモデルでね、黄瀬涼太っつー子なんだけど…。まだ現役高校生で…バスケ部のエースなんだって」

「…お前、やけに詳しいじゃないか?」

「や、別に詳しくないよ?プロフィールに、そう書いてあったからさ…。でもやっぱ、モデルだけあってイケメンだよね~♪…って…アレ?アラタさん…もしかしてー……怒ってる!?」

「…別に、怒ってないよ」

無意識に声が低くなる。他の男の話は、正直聞きたくはない。出来れば、自分のことだけを見ていて欲しいのだ。

「…何か、声がコワイんですけど…」

真行寺は、三洲の機嫌を直すテを必死で考える。


そして、キセリョ達は…?


「…あの、黄瀬君」

「ん?何、黒子っち」

「…この後のことなんですけど…。やっぱり、ウチに来ますか?」

「え…でも、さっき…」

「イルミネーション見てたら…何だか、気が変わっちゃいました…。魔法にでも…かかっちゃったみたいです」

黒子はそう言って、恥ずかしそうに俯いた。いつも、あまり時間がない上に、学校も離れている。今は冬休みだから、多少の自由が利くはずだ。本当は…黄瀬と、もっと話をしたい。黄瀬のことを、もっと知りたい。もっと、黄瀬に寄り添ってみたい…。

「…ウチ、来ますか?」

何となく、躊躇っているように思えて…黄瀬に再び聞いてみた。

「…泊まっ…ても、良いってことっスか?」

「…はい

「く、黒子っちーーーっ!!今夜一晩中、一緒にいられるっスね

黄瀬は嬉しさのあまり、人目も憚らず黒子に抱きついた。

「…ちょっ、黄瀬君…人が見ますから……こーゆーことは…ボクの家で…しませんか?」

「うんじゃ、早く帰ろっ

黄瀬は黒子の手を引いて、二人で来た道を戻って行った。


キセリョ達が気になって、一部始終を見ていた真行寺…。


「あれ、キセリョの彼女かと思ったら、もう一人の子、男だよね?友達かな?」

「…同級生じゃないか?まだ高校生なんだろ?」

「うん…でもさ、手を繋いで向こうへ走ってっちゃったよね?…もしかしてさ、俺っちみたいな感じかな!?ふふっ

「…他人のことなんて、どうでもいいだろ?」

「そうだけど~。でも…初々しいよね俺っちも、あんな時があったんだよねぇ…」

「…しみじみ言うなよ、年寄りクサイぞ、真行寺」

自分達も高校生の時からの付き合いで、今は恋人同士だ。キセリョ達とは、状況がちょっと違ったけれども…。

「もぉ~、アラタさん…。年寄りクサイとかやめてよっ!可愛く見えるじゃん、あーゆー子達。…まぁ?俺も大人になったからさ…そう思うのかも知れないけどねふふっ

「ふふっ…あはははっ!」

三洲が突然笑い出した。

「え…何笑ってんの!?」

「…何か、真行寺が言うと笑える、あはははっ!そう言うお前だって、まだ子供みたいなもんだろ?」

「ア~ラ~タ~さ~ん!」

「ほら、俺達も帰ろう。さっきより冷えてきたしな…」

真行寺が差している傘を、少し傾け…素早くキスをした。

「…アラタさん」

「何、ポカンとしてるんだ?帰るぞ…」

「…う、うん

二人は踵を返し、来た道を戻って行った。

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- 1 Comments

エスエヌ  

奇跡のコラボ

あり得ないほど素敵なお話ありがとうございます!お互いのカップルがお互いのことを言っている場面がものすごく好きです。いいなーこの感じ!
そして真三洲のお二人がぐんと大人びて感じられて、熟成された恋人の良い味が出てる〜!黄黒のお二人は初々しくて高校生っていいわ!
コラボ最高です。とっても興奮して、テンション高いコメントでごめんなさい。木菟さんのお話好きです。次回はお話とイラストのコラボもね?
(ほら、真三洲のイラストもあるし、ね、色々あるしね?)

2015/01/12 (Mon) 12:01 | REPLY |   

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