スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

有り得ない組み合わせ小説。 

『ふたつの冬の物語 完結』


「黒子っち、お風呂サンキューっス♪」

「はい……あの…やっぱり、ボクのパジャマじゃ小さいですね…すみません」

風呂上がりの黄瀬を見ると、何だか可哀想に思えてきた。パジャマのズボンが、ツンツルテンだし…袖も七分袖になっている?イケメンモデルが、マジで台無しである…。

「え?あ~、良いっスよ、別に。何か、黒子っちの匂いがして、ムラムラするっス

「キ…キモいこと言わないで下さい!それ、ちゃんと洗濯してありますから!」

「…もぉ、冗談スよ~、黒子っちぃ…」

黄瀬が変なことを言うので、黒子は余計に緊張してしまう…。

「あのっ、母が布団敷いてくれたので…黄瀬君は、ここへ寝て下さい…」

黒子の使っているベッドの横に、お客さん用の布団が敷かれていた。

「…黒子っちも、こっちで寝るっスよ

「…ボ、ボクはっ…ベッドで寝ます…」

「えっ、それじゃ…黒子っちの顔が見えないじゃないっスか~!」

「…見えなくて良いですっ…。寝顔見られるの…恥ずかしいですから…」」

黒子の寝顔は、中学時代…バスケ部の合宿以来、見ていない、天使のような寝顔…。あの時…何回、黒子の口唇を奪おうと思ったことか…。

「それに……独り寝は寒いんスよ?…だから、黒子っち

黒子の手を引き、腕の中に閉じ込めると、シャンプーしたての香りが、黄瀬の鼻を擽る…。

「黄瀬君…」

「…黒子っちっスよ…こーゆーことは、ウチでしようって言ったの…」

「…そうですけど…ボク、初めて…なんです…」

黒子は、もじもじと、恥ずかしそうに俯いた。

「…黒子っち、バスケやってる時は、すっごい男前でカッコいいのに…こんな時は女の子みたいになっちゃうんスね

超ーーーーっ可愛いっスーーー

「…女の子じゃありません!黄瀬君みたいに…慣れてないだけです…」

顔を真っ赤にして反論した言葉が、黄瀬の胸にグサリと刺さる。

「黒子っち、ヒドイっスよぉ…。俺、そんな遊んでるように見える!?」

「…見えます」

「黒子っち~っ!」

黄瀬は、だんだん涙目に……。大好きな黒子と付き合うことが出来たのに、まだまだ信用されていないような…。手は繋いだけれど…、まだ手を出してはいない。ガッつき過ぎて、嫌われたりしたら…。

スゴいショック…。

だから、大事にしたいのだ…この恋を。

「…黄瀬君、冗談です。何も…泣かなくたって…。イケメンが台無しですよ…」

黄瀬は、こう見えて…泣き虫だったりする。黒子は“ごめんなさい”と言いながら、黄瀬の涙を拭ってあげた。

「…黒子っち

「苦しいです、黄瀬君…」

堪らなくなって黒子を、ぎゅぎゅっと抱きしめる…。黒子に苦情を言われたけれど…構わない。それ
くらい黒子のことが好きなのだ。

「好きだよ……黒子っち…」

「…ボクも好きですよ…黄瀬君」

「…今夜…一緒に寝てくれるっスか?」

腕の中にいる黒子に、そっと聞いてみる。少し時間を置いてから、その返事を漸く貰えた。

「……良いですよ」

頬を、ほんのり赤く染めて、黄瀬を見上げた。そうと決まれば、体が冷えないうちに布団へ潜り込む…。二人だと、やっぱり温かい…。黄瀬の胸に抱かれていると、何だか落ち着く。

「…黄瀬君、ボク…今、スゴくドキドキしてます…ほら」

黄瀬の手を取り、自分の胸に導く…。

「黒子っち…俺もドキドキしてるっス

「…ホントですね…」

黄瀬の胸に耳を当ててみると…パジャマ越しに鼓動が、激しく胸を打っているのが分かった。

「こんなに心臓が煩いの…黒子っちだけっスからね…」

「…バスケの試合の時よりも…ドキドキしてます」

「ねぇ、黒子っち……その…キスしても…良いっスか?」

黄瀬はずっと、この時を待っていて…もう、限界だった。

「……はい…ボク達、恋人同士ですから…」

「黒子っち…」

この人生で、初めて触れた同性の口唇は、思っていたよりも柔らかくて…正直、驚いた。口唇を離すと、黒子と目が合う…。

「…黒子っちの口唇…柔らかくて、気持ち良いっス…」

「……君だって、んっ…」

言うが早いか、黒子は再び口唇を塞がれた。堪らなくなって、黄瀬の背中に腕を回し…強く抱きしめる。もう、このまま…いっそ、黄瀬に抱かれても良い…。黒子は、そう思った。

二人の恋は未来に向けて、駆け出したばかりだ…。


*°*°*°*°*°*°*°*°*°*°*°


「…ねぇ、アラタさん?」

「…ん?」

「あの二人…どうしたかな?今頃、二人でいるのかな?」

成人した二人…三洲と真行寺も、もうベッドの中にいた。

「…さあな…。高校生だし、あんまり遅くなれば親が煩いだろ?」

「うん…そうだね。俺達はその点、寮生活で良かったよねっ同じ建家にいたし…中々時間が合わなかったけど…。あ、ちょっと待ってて」

何か思い出したのか、真行寺はベッドを抜け出し、自室へ…。三洲はこの時、ちょっぴり眠くて…真行寺が戻ってくる前に、寝落ちしてしまいそうだった。暫くして、真行寺が戻ってきた。

「ね、アラタさん?これ見て」

「…ん?」

「これだよ、キセリョ」

真行寺が自室へ取りに行った物は、ファッション雑誌だった。三洲にも見せてあげたかったから…。何パターンか、流行りの洋服に身を包み、ポーズを決めているカットが載っていた。

「あぁ…さっきの…」

「うん…キセリョって、まだ16歳だけど…洋服によって大人っぽく見えるよね~?洋服の着こなしに関しては俺も、もっと勉強しなくちゃな~」

言って、ふと隣を見ると…恋人はもう夢の中…。

「え!?…ウソ!?アラタさん…寝ちゃった?まだ、おやすみのチューもしてないのに!?」

「……煩いぞ…真行寺。早く寝ろ…」

「なんだ~起きてんじゃんアラタさん、おやすみのチューしよっ

「…もう眠いし…面倒くさいんだよ…」

その言葉を最後に、三洲はホントに寝てしまったようだ…。一人取り残された真行寺は、愕然として、三洲の寝顔を見つめた…。

「…キセリョ達は…やっぱ、ラブラブなのかな~?今頃…。はああああああ…」

夜の静寂の中、真行寺の深~い溜め息だけが切なく響き渡った…。



オシマイ…。o(^o^)o

スポンサーサイト

- 0 Comments

Leave a comment

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。