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INSPIRATION 2 

INSPIRATION 2


3月に見た桜も、やがて散り、新しい若葉が芽吹き…。
半袖姿がチラホラし始める。
人も、車も混んでいるGW。
以前、真行寺と計画した温泉旅行の当日がやってきた。

渋滞を避ける為、まだ薄暗いうちにマンションを後にした。

「この時間は、さすがに空いてるね。お昼前には、向こうへ着けるかなぁ?」

真行寺が運転をしながら、三洲へと問い掛ける。

「そうだな。何もなくスムーズに行ければいいけどな…」

こんな時は交通事故がつきものだ。

「なあ、真行寺」

「ん?何、アラタさん」

「お前、居眠り運転するなよ」

「大丈夫だよぉ、昨夜充分睡眠とったからさぁ」

真行寺はニコニコしながら答えた。

「…運転辛かったら、代わるから言えよ?」

「うん、ありがと。でも、大丈夫だから…心配しないで」

…アラタさん、優しいなぁ。俺、もうメロメロ

心の中で、密かに呟く真行寺であった。


…結局。

途中、交通事故があったせいで、渋滞に巻き込まれ…とある街の、温泉旅館に着いたのは15時近くだった。

二人が泊まる旅館は、山に囲まれ、まるで隠れ家のような…ひっそりとした佇まいだ。

建物は最近、改装したらしい。

二泊三日の予定で、東京から遥々やってきた甲斐があるものだ。
あと、天候にも恵まれて半袖でも大丈夫なくらいの陽気だ。

チェックインを済ませると、旅館の仲居が部屋まで案内してくれた。

通された部屋は、四畳半と六畳の二間続きの部屋で、露天風呂へは、六畳の部屋から出られるようになっている。

「お~っ露天風呂~

部屋へ入るや否や…真行寺は露天風呂に釘付けである。

「真行寺っ」

…全く。

いつまで経っても子供だな…。

「それでは、ごゆっくりどうぞ」

「ありがとうございます」

柔和な笑顔で、仲居を見送ると背中が、ほわっ…と、暖かくなった。

「…やっと二人きりになれたね、アラタさん

真行寺の腕が、三洲を包み込んでいた。

「…なんだよ、まだこんなに明るいんだぞ?」

「う~ん…だって、俺ずっと我慢してたんだからね。朝だって忙しかったし…、今日はまだ…キスもしてないんだよ?
運転も頑張ったんだから、ご褒美ちょうだい

渋滞の間とか、SAの駐車場でキスをしようとしたが、三洲に嫌がられたのだ。
抱きしめる腕に力が込められる…。

「…着いて早々、しょうがないヤツだな」

三洲は、一つ溜息をつくと、体をクルリと反転させ…

「キスだけだぞ」

真行寺を見上げて瞳を閉じた。

瞳を閉じた三洲は、とても綺麗…。
睫毛の毛先が少しカールしていて、とても…可愛い。

男にしておくのは、勿体ないくらいだ。

透き通るような、白い頬を両手で包み込み…ゆっくり口唇を重ねていく。

啄むようなキスを繰り返して…やがて、深いキスに変わり、三洲の腕が真行寺の背中へと回された。

ひとしきりのキスの後…、真行寺の胸に顔を埋めていると、真行寺がボソッと呟く…。

「…ベッドがあれば、押し倒しちゃうんだけどなぁ…」

甘いキスの余韻に浸っていれば、こんなことを言う始末…。

「ここへ来たのは、ソレが目的なのか?お前は」

上目遣いで、真行寺を睨みつける三洲。

「…そうじゃないけどさぁ、アラタさんが…可愛いから、そんな気分になっただけだよ…」

へへへっ…と、照れ笑いする真行寺。

全く…夜まで待てないのか、お前は。

でも、そうはさせないのが…三洲なのである。

「なあ、真行寺。気分転換に散歩でもしないか?」

「え?散歩?」

「…景色もいいし。考えてみたら、祠堂以来だよな?自然に囲まれた場所へ来るのは…」

優しい眼差しで見つめられて…ちょっと、ドキッとした真行寺。

「夕飯まで、まだ時間があるし…腹ごなしのつもりで行かないか?」

真行寺としては…。

この後、目の前の露天風呂に入りたい気持ちで、いっぱいだった。

「さっき、フロントで貰ったパンフレットを見てたら、行ってみたくなったんだよ…」

この旅館の周辺の観光スポットが、分かりやすく地図に記されていた。
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