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INSPIRATION 3 

INSPIRATION 3


都会では、まず見ることのない山並み…。
自然を満喫したい三洲。

「露天風呂は、散歩の後でもいいだろ?どうせ、24時間いつでも入れるみたいだし…」

「…うん、そうだけどぉ」

…おもしろくない。

さっきの流れのまま…。
二人して、露天風呂でイチャつくのを、想像していた真行寺は少しだけ残念そうな顔をした。

「…行きたくないなら、俺一人で行って来るぞ」

三洲は、さっさと部屋を出て行こうとすると

「えっ!?そんなっ…置いてかないでっ」

慌てた真行寺は、三洲をギュッと抱きしめて、悲しげな声色で囁いた。

「…せっかく二人で来たのに、別行動なんてヤダよ…」

三洲は真行寺の頭をクシャっと撫でながら

「大袈裟だな…。ついて来ればいいだろ」

「…なら…なら、帰って来たら…露天風呂、一緒に入ろ?ね?」

…我が儘を言ってみた。

「…分かったよ。入ればいいんだろ?それより、早くしないと日が暮れるから…行くぞ」

三洲が優しく言ってくれた。
なんだかんだ言っても、いつも真行寺の言い分を聞いてくれる三洲。

「うんアラタさん、大好き

三洲の頬に、チュッとキスをした。


~・~・~・~・~・~・~


二人でひたすら山道を登って行く…。

山道と言っても。

観光客も多い為、道もちゃんと舗装されていて、歩き易く、たとえ雨が降っていたとしても、靴が泥塗れになることはない。
この先を登って行くと、展望台があるらしい…。

が。

旅館で貰ったパンフレットには、片道20分と書いてあったのに…。

まだ、一向に展望台が見えてこないのだ。

「ねぇ、アラタさん、疲れない?ちょっと、そこの茶店で休んでこうよぉ」

会社の営業で外回りをしている真行寺が、へこたれる。
そんな真行寺が言うのだから、三洲も当然、疲れている。

「そうだな…。喉も渇いたし、少し休んでいくか」

店の前の椅子に腰掛けた時、真行寺が

「ね、ねっ、あの串団子、美味しそう…買ってきていい?」

「…え?ああ」

…全く。

よく食うヤツだな…。
東京から、ここまで来る間に車の中でもスナック菓子を食い散らかし…昼食も、たらふく食って…。

「いったい、どこへ入っていくのやらね…」

そんなことを考えていると、団子片手に真行寺が戻ってきた。

「お待たせ。はい、これアラタさんの分ね」

真行寺から、手渡された皿には、みたらし団子が二本のっていた。
三洲は、アンコの類が苦手なのだ。それを考慮して、みたらし団子。

真行寺は、アンコがたっぷりのった草団子を買ったらしい。

「…なんだ、俺はよかったのに」

「まあ、そう言わず、食べなよ?まだ、歩くんだしさ…あっ、美味いっ、これっ」

団子にパクつく真行寺。

美味そうに、食いやがって…。
三洲はクスッと笑って

「じゃ、遠慮なく頂くよ…」

みたらし団子を頬ばった。


茶店で15分程、休憩をしてから、また歩き始めた。
10分程度、登って行くと、ようやく展望台が見えてきた。

「はあ~、やっと着いたね…」

大きく、深呼吸をする。

「やっぱり、空気が美味しいや…」

しみじみと呟いた。

展望台だけあって、景色が素晴らしい。
天気も良いから、遠くに海も見える。
観光客も、まだいて展望台は賑やかだ。

「気持ちがいいな」

三洲も、大きく深呼吸をした。

「ね、アラタさん」

「ん?なんだ」

「俺達、祠堂にいた時って、あんな山奥でさあ…何かと不便で、山なんてもうウンザリだって思ったけどさ…。
こうして、改めて来てみると、やっぱり山っていいよね…」

「…そうだな」

自然に触れると、身も心も浄化される感じ…。

「俺も、オトナになったってコトだよね…」

「…や、それはない。まだ子供だな」

しれっとして、三洲が言った。

「あっ、ヒドッ!俺、オトナだもんっ」

「子供だ」

「むぅぅぅ~」

膨れっ面をした真行寺に、三洲が言った。

「お前は、何も変わってないよ。悪い意味じゃない…。あの頃のままだよ、真行寺」

いいじゃないか、それで…。

三洲はフワリと優しい笑みを浮かべた。

「…アラタさん?」

「そろそろ、帰ろう。もう日が暮れてきたからな」

そう言って、スタスタと歩いて行ってしまう。

「あっ、待ってよっ」

ここでも、慌てる真行寺。

夕日を背にして、来た道を二人で降りて行った…。
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