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いつも君を想ってる1 

いつも君を想ってる1


全寮制男子校、祠堂学院高等学校を卒業して6年目の秋…。

この6年の間に、大学も卒業。現在の三洲新は、大手企業に勤める社会人2年生。

入社1年目は、多忙ではあったが、祠堂学院に在学していた頃、生徒会長を二期連続で務めた経験もあり、仕事をこなす速さは優秀で、会社の同僚からは高い評価を得ていた。

今では、だいぶ落ち着いて、充実した毎日を送っている…。

……だけど……。

大学時代から、一人暮らしを始めて…2度の引越しをした。

缶ビールを片手にマンションのベランダへ、ふらりと出て…夜空を見上げた。

「明日も晴れだな…」

秋の星座が広がる空…。どこか、寒々としている。

空を見上げながら、ビールをグビッと呷る…。

人肌が恋しい季節になった所為か…こんな夜は、いつも決まって、アイツを思い出す…。

「アイツ…今頃、何してるんだか…?」

アイツ…真行寺兼満。
祠堂学院にいた時から、三洲に纏わり付いていた…一つ年下の男。

呆れる程、愛の告白をされて、最初は五月蝿いヤツだと思っていたが…少しづつ年を重ねた今、その頃を懐かしく思い出したりして…。

真行寺とは、大学時代にも度々会っていたが、三洲の就職が決まる前辺りから、プツリと連絡が途絶えてそれきり、会っていない…。

以前、真行寺の携帯に電話を掛けてみたが、既に解約された後で、連絡がつかなかったのだ。

その後、三洲も今の会社に就職が決まり、以前使っていた携帯を解約し、今の携帯に新規契約をした。

気がつけば、二人の間にはもう、2年程の月日が流れていた。お互いに、連絡のしようもなく、現在に至っているのである。

真行寺も、きっと大学を卒業して、就職も決まって…どこかで仕事に追われているのだろうか?

……それとも?

「彼女でも出来て…俺のことなんて…忘れたか?」

真行寺のルックスは、童話の世界から飛び出してきたような王子様のような風貌…。巷の女達が放っておくはずがあるまい…。

胸の深い場所がキュッと痛む…。

二人の関係を、特に
『終わりにしよう』とも言っていない…。昨年、今の会社に近い、このマンションに引越してきたことも、真行寺は知るはずもない…。

この広い東京で、もしも偶然に会うなんてことがあるのなら…それは奇跡に近いことではないだろうか?

「…自然消滅…ってか?」

そう呟いて、残りのビールを呷ったその途端、ブルッと寒気がした。

「…寒いな…」

秋の夜風は肌に滲みる…。三洲は腕を摩りながら、部屋の中に戻り、リビングの電気を消して、寝室に行き、ベッドに潜り込む…。

一人では少し広い…冷たいセミダブルのベッド。思い返してみれば、いつも温かかった…真行寺の腕の中…。

「一人寝は寒いな…」

ボソッ…と、呟いて毛布に包まった。真行寺とは…体を繋げた仲だった、あの頃から…ずっと。

『体だけの関係』
『真行寺に恋していない』

最初は、そう思っていた。
でも、そんな関係を続けていくうちに、三洲の中でその気持ちとは裏腹に、違う気持ちが芽生えていたことを…三洲自身も気がついていた。

だが、真行寺にこの気持ちを悟られぬよう…いつも逸らかし、冷たくあしらっていた。
だけど、真行寺はいつも明るく振る舞い、常に笑顔を見せていたが…その裏は、恐らく…相当に傷ついていただろう…。

……怖かった。

『好き』だなんて…。
そんな気持ちを真行寺に知られることも、自分が認めることも…。
何となく、弱みを握られるような…そんな気がして。
三洲は、恋に臆病だった…。

「…素直になれば、もっと楽なのにな…」

素直になったとして…、真行寺に、そんな姿を晒したら…逆に引かれてしまうのではないだろうか?
想像するも、どうにもプライドが許さない…。
遣り場のない熱く、切ない想いを胸に抱きながら…今夜も一人眠りに就く……。
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