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INSPIRATION 9 

INSPIRATION 9


愛してるって言葉…。
簡単に言えるけど、奥が深い言葉…。

本当に愛してなければ、言えない言葉。


どれくらい時間が経ったのだろう…。

麻痺しそうなほど、口唇を貪り合った…。

気がつくと、雨の音も消えて、遠くに波が打ち寄せる音が聴こえてくる…。

真行寺の胸に顔を埋めて…Tシャツ越しに伝わってくる体温と鼓動…。

「…ちょっと、外に出てみる?」

三洲の髪を撫でながら、真行寺が提案した。

「…そうだな、少し歩こうか」

二人は、車を降りて濡れた砂の上を歩いて行く…。
潮風が少しだけ冷たくて、真行寺の腕に、しがみついた。

「寒い…?」

「ん…少しな」

潮風が、三洲の白いシャツを踊らせている。

「車に戻る?」

「や、大丈夫だよ…もう少し歩こう」

「…うん」

誰もいない砂浜。
二人の足跡が続く…。
ふと、立ち止まり…黙って海を見つめる。

心が洗われるような、そんな気持ちになり…泣きたい訳ではないのに、勝手に涙が溢れてくる…。

頬を伝う、一筋の涙…。

「…アラタさん?泣いてるの?」

真行寺が覗き込む。

「…いや、何でもない」

涙なんて、見せたことなどなかった…。

拭おうとすると、真行寺の口唇が三洲の涙を拭い…、そしてフワリと抱きしめられた。

「…しょっぱい」

真行寺はクスッと笑って、続けた。

「…悲しいの?」

「…そんなわけ、ないだろ」

そんなわけ…ない。

「…もし、悲しかったら…胸、貸すから…ね?」

「…生意気だな」

クスクスと三洲が笑った。

「…もぉ、素直じゃないんだからぁ」

真行寺が、ムギュッと抱きしめた。

「…今、始まったことじゃないだろ」

でも、昔より素直になったんだ…これでも。

真行寺の腕の中は、やっぱり居心地がいい…。

「…そろそろ、戻らない?俺、腹減っちゃった」

腕時計を見ると、もうじき15時になるところだった。

腹も減るわけだ…。

「…そうだな、軽く何か食べて旅館へ戻ろう」

「うん、そうしよっ」

二人は、車に戻り、海岸沿いの小洒落た喫茶店に入り、遅い昼食を摂った。


帰りの車の中…。


「あ~あ…さっきも言ったけど、明日は東京に帰らなきゃだね…」

また、いつもの生活に戻る。

「そうだな…」

夢のような時間が過ぎて、また現実に戻る…。
いつものように、時間に追われる…その繰り返し。
一緒に暮らしているから、毎日顔を合わせるけど…。

改めて、分かった…。

自分が本当に、真行寺を愛してること…。

そして、自分も真行寺に愛されてること…。


「ね?また、二人で旅行しようね」

「そうだな」

雨上がりの夕焼けを背に、二人は旅館を目指して車を走らせた…。


~・~・~・~・~・~・~


17時頃、旅館に到着した。

「ねぇ、アラタさん、チェックアウトって、何時だっけ?」

「…確か、12時じゃなかったか?」

旅館のパンフレットを開いて見ると、三洲の言った通り、昼の12時だった。

「じゃあ、ゆっくり出来るね。帰る前に、露天風呂入ってこ」

「ホント、好きだな」

「うんアラタさんの次に好き」

…また、そんなことを言う。

返す言葉に困るじゃないか…。

以前なら…。

「俺は好きじゃない」

なんて、嘘をついていた…。真行寺の気持ちなど、全く考えず…。

「…俺も、真行寺が好きだよ」

…素直な気持ち。

真行寺は優しく笑って、三洲を抱き寄せた。

「…俺たち、今日はこんなことばかりしてないか?」

三洲が言うと、真行寺は耳許でそっと囁いた。

「たまにはいいじゃん…俺なんか、いっつもイチャイチャしてたいんだから…」

耳許に真行寺の息が掛かって…くすぐったい。
ついでみたいな感じで、首筋にキスされた。

「…あっ」

軽い眩暈を誘う、真行寺のキス…。

もう一度、ギュッと抱きしめられて…今度は、口唇に甘いキス…。

「…んっ…んっ」

もう、夕飯なんて…どちらでもよくなってしまう…。
いっそ…このまま、抱かれてしまおうか…。

けど、それはいけない。

口唇が離れると、真行寺がタイミングよく言った。

「…お腹、減ってきた。夕飯まだかなぁ」

「…今日も19時からだろ?もう少しだから、我慢しろよ」

まだ18時を過ぎたところ…。

もう少し…イチャイチャしてようか…。
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