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いつも君を想ってる2 

いつも君を想ってる2


それから一週間程経った、ある日の午後…。

仕事の合間、ふと、窓の外に目を遣ると…空が薄暗く、今にも雨が降ってきそうであった。

「予報通り、一雨きそうだ」

秋の冷たい雨…家へ帰るまで、天気が持てば良いが…。
こればかりは、不可抗力で…自然現象には、逆らえないものだ。

雨が降ると言うから、傘は持ってきていた。
邪魔になるのは仕方ない…大きな傘。

実は三洲、鞄の中に小さめで、軽量な携帯の傘を忍ばせている。
これは、予告無しの雨に対応する為に、常に持ち歩いているものだ。
今までに、あまり使った試しはないが…外せない物なのだ。

雨と言えば…真行寺を思い出す…。
雨に濡れるのが、好きだと言っていた…。

…今でも?

今でも、好きなのだろうか?…そんなこと、今の三洲には分からない…。


もう少しで、仕事が終わる…という頃、三洲の願いも虚しく…静かに雨が、窓を濡らしていた。

1時間程、残業をしてキリの良い所で、仕事を切り上げて、帰り支度をしていた三洲に、上司が声を掛けた。

「三洲君、今から一杯…どう?」

酒を呷るポーズ…よく見る光景。

「あっ…すみません…今日は、ちょっと…」

やや伏し目がちに答えて、断る。
本当は、この後の用事なんて、何もありはしない…。
家へ帰る、ただ、それだけ…。
酒を呷れば…このモヤモヤした気持ちが、晴れるのか?
…だけど、そんな気分にはなれなかった…。

「なんだぁ…、残念だなぁ…。あっ、ひょっとして…彼女と、デート?…三洲君、色男だからなぁ」

ニヤニヤと、笑みを浮かべて、からかう上司…。
気に食わない…。
何をしようが、俺の勝手だと言いたい所だが…ここは抑えて。

「本当に、すみません…また、今度誘って下さい…お疲れ様でした」

得意の柔和な笑顔で、頭を下げる。上司は、三洲の肩をポンと叩き…三洲の耳許で、

「…この次は…絶対、な?」

耳に息が掛かる…。背中が、ゾクッとした…。

「…じゃっ、お疲れ!」

意味深なことを言って、上司は、ドアに向かって歩いて行った。

「…誰が行くか、お前なんかと…」

……誰でも良いって訳じゃない。
…それに…彼女なんていない。
大学時代に、同期の女から告白されたが…断った。

男と女が付き合うのは、間違いじゃない…。むしろ、当たり前なこと…。

その当たり前なことが、三洲にはダメだった…。

男が、男に抱かれる快感を知ってしまったから…。
今更…女なんかと付き合えるはずはない。
だからと言って、誰でも良い訳じゃ……。

真行寺に抱かれたい……。
今の二人の関係…言葉にしたら、何になる……?
そんなことを考えながら、三洲は、会社を後にした…。
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