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Llvia8 

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「はぁ…、雨かぁ…つまんねぇの…」

せっかくの土曜日なのにね…。

窓際に佇む、三洲を背中からスッポリと、包み込む真行寺。

背中が、ホンワカと温かい…。

「でも、真行寺…たまには家の中で、雨の音を静かに聴くのも、良いかも知れないぞ?」

ただ、ボーッとしてな。

クスッと、三洲が笑った。
「ふふっそれも、たまには良いかもね

三洲の頬にチュッとキスをした。

学生時代から、あまり変わっていない、優等生なヘアスタイル…。
サラサラな髪から香る、甘い匂い…。

アラタさん、いい匂い

甘い匂いに酔ってしまいそうだ…。

「…ね、ただボーッとするだけ?」

三洲の顔を覗き込む。

「そ。ただボーッとするだけ。癒されそうだろ?」

「…うん、そりゃそうだけど…」

イチャイチャしたい

…なんて、朝っぱらから言えない。

「…何か、不満げだな?真行寺」

「…そんなことないよ?アラタさんと、一緒にいられるだけで良いんだから

すっげ、贅沢だし…幸せ

三洲を更に、ギュッ…と、抱きしめた。

「さっ、早く朝ご飯食べて、ボーッとしよっ?」

「…そうだな」

その時。

キッチンの方から、ご飯が炊けたメロディーが、聴こえてきた。

「…あ。ご飯炊けたみたい。昨夜、セットしておいたんだ

ご飯の支度するね

そう言って、真行寺は寝室を出て行った。


~・~・~・~・~・~・~


朝食を済ませ、ソファーに腰掛けている三洲。

「はい、コーヒー」

真行寺が、いつものマグカップに、コーヒーをいれてくれた。

「あぁ、ありがとう…後片付けは、もう済んだのか?」

いつも真行寺に任せきり…。

「うん、早くボーッとしたくて、ソッコーでやっちゃった

真行寺は、窓際に行き、レースのカーテンを、シャーッと開けた。

「…よく降るよね~…」

ふぅ…と、溜め息を一つ零して…三洲の隣に腰を下ろした。

TVも消し…聴こえてくるのは雨の音だけ…。

「…梅雨だからな、仕方ないよ」

静かに、三洲が言った。

コーヒーを啜りながら、暫しの沈黙…。

沈黙を破ったのは、真行寺だ。

「…アラタさん、今…何、考えてるの?」

綺麗な横顔に、問い掛けた。

「…ん?な~んにも」

真行寺に目を向けず、前を見たまま言った。
目を合わせたら、すべてを見透かされそうで…。

「…う・そ…また、そんなこと言っちゃってさ…教えて?」

「やだね」

三洲は悪戯っぽく言った。

「もぉ~、いいじゃんっ…あっ、ひょっとして…俺のこと考えてた…とか?」

ふふっなら、嬉しいのに。

真行寺は、クスッと笑って、コーヒーを一口啜った。
ほんの少し、間をおいてから、

「…そうだよ…お前のこと考えてた」

さっきとは違う、優しい口調で、三洲が言った。

そして…。

真行寺に向けられた視線も、とても優しかった。

「…アラタさん…」

「…雨が降ると、いつも思い出すんだ…」

二人が再会した、あの日のことを…。

「あの時は…俺もビックリしたよ?まさか、あんなトコロでね…」

クスッと、真行寺が笑った。

「…そうだな。俺も会うとは思ってなかったよ…。
そうだ、あの後…どうなったんだ?」

そう言えば、聞いてなかったな。

「あの後?課長に怒られちゃったよ。とっとと、帰って来い!って」

ウチの課長、煩いんだから。

「真行寺らしいな」

「あっ、もぉ…こう見えても、俺は至って真面目なんだから。」

「自分で言うかね?そんなこと」

「…意地悪」

二人で、クスクス笑った。

「でも、アラタさん?俺…それからは、毎日が楽しくて…。今は、すっげ幸せなんだ

三洲の手を、軽く握った。

「真行寺…」

三洲は、真行寺の肩に凭れて、甘えるような素振りを見せる…。

「…俺も、同じだよ」

色んな面で、支えてくれてありがとう…真行寺。

「…アラタさん、大好き

躊躇わず、抱きしめた。

時期的に、暑苦しくたって…構うもんか。

雨の音に包まれて、三洲をずっと、抱きしめていた。
真行寺の耳許で、三洲が囁く。

「…真行寺、キスしよう…」

俺も、お前が大好きだよ。
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