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Anniversary2 

Anniversary2


「…いいえ。空いてません」

初めの頃は、丁寧に断っていたものの…最近では、もう面倒になってきた。

「…三洲君…ツレないね?ねぇ、その指輪…魔除け?」

前から気になっていた、薬指のリング…。

「…あぁ、これですか?恋人とペアなんです。魔除けなんかじゃないですよ?」

会社の人間に、プライベートのことは、いつも語らない三洲だが…。
係長のあまりのしつこさに、つい…言ってしまう時もある。

「…へぇ。恋人ねぇ…。俺とも、付き合わない?一人や二人…同じだろ?」

人差し指で、三洲のうなじをスッと撫でた。

「…係長、何おっしゃってるんですか?ご結婚されてるのに…。奥様を大事になさって下さい。
…あの、もういいですか?仕事、遅くなりますから…。係長も仕事に戻って下さい」

三洲が冷ややかに言い放つと…。

「…あぁ、すまない…でも、諦めないからな」

そう言って、自分の席に戻って行った。

「…全く、何なんだ…あの男は…」

しつこい…。

この会社に入社してから、ずっとだ。
トイレで会った時、他に人がいないのをいいことに、尻を撫でられたこともある…。

『三洲君…君を抱きたい。…一度、お願いしてもいいかな…?』

思い出したくもないが…、確か、そんなことを言っていた。

「…あーっ、気が散る…。コーヒーでも飲むか…」

三洲は席を立ち、缶コーヒーを買いに行った。


~・~・~・~・~・~・~


「よっしゃ~!終わった~!」

真行寺は、定時のチャイムと共に、タイムカードを切る。

「お疲れ様っす。おっ先に~!」

急いでオフィスを後にした。
別に、急いではいないのだが、課長に呼び止められたくないから、急ぐ。
会社を出ると、西陽が眩しいやら、暑いやらで…。

「家着くまでに、また汗かきそう…」

たった15分くらいの道程だけど、こんな日はちょっと遠く感じたりして…。

三洲の勤めている会社の前に差し掛かった。

「…アラタさん、今頃…頑張ってるんだろうなぁ…真剣な顔が、また色っぽいから…へへっ

歩きながら、想像していると…。

「…っと!」

何もないのに、躓いた。

運動神経が良いから、転ばなかったものの…、バランスを崩した、その姿が…。
体がデカいから、目立つこと、目立つこと。

そちらこちらから、クスクスと笑い声が聴こえてくる…。

「…ハハハ…」

頭を掻きながら、逃げるように立ち去る、真行寺であった。

別の意味で汗をかいてしまったため、自宅に着いた時はもう、ホントに汗ダクだった…。

「…シャワー浴びよ…」

スーツを脱いで、バスルームへ直行した。


三洲は、一時間の残業をして、どうにか仕事を片付け、帰り支度をしていた。

「…さてと、帰るか…」

外は、まだ少しだけ蒸し暑い…。


その頃、真行寺はシャワーを済ませ、夕食の支度をしていた。
サラダ用の野菜を洗っていると、三洲が帰宅した。

「ただいま」

「あ、お帰りアラタさん

真行寺は手を離せず、シンクの前でニコリと微笑む。
白いタンクトップから伸びた逞しい腕と、厚い胸板…。
何だか、抱きしめられたくて…背中に縋り付いた…。

「…アラタさん?」

どうしたの?

「…今日も…疲れたよ」

「うんそうだね…お疲れ様

クルリと向き直り、真行寺の逞しい腕が、三洲をフワリと包み込んだ。

「アラタさん、シャワー浴びてきたら?その後、ビール飲も?」

待ってるから…。

「…そうだな、そうするよ…」

真行寺の胸に顔を埋めて、ちょっと甘えてみた…。

「…な~んか、可愛いアラタさん

三洲の髪を撫でて、額にキスをした。

「…シャワー浴びてくるよ…」

少しだけ背伸びをして、真行寺の口唇にキスを返した…。


~・~・~・~・~・~・~


「…アラタさん、また仕事忙しくなったの?」

ビールを飲みながら、真行寺が聞いた。

「…あぁ、違うんだ。同じ部署の広瀬っているだろ?親父さんが亡くなって、実家に帰ってるんだよ…」

「…広瀬さん?…あ、あの去年の忘年会の時、電話くれた人?大変だね…実家って、東京なの?」

「…いや、福岡だって」

クッ…と、ビールを呷った。
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