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Anniversary9 

Anniversary9


真行寺が、出張に出掛けてから三洲は、少し早めに摂った朝食の後片付けを済ませ、出勤までの時間をゆったりと過ごしていた。

独りのせいなのか、朝の情報番組を見ていても、サッパリ面白くも何ともない。
昨年の今頃は、まだ真行寺と再会を果たしていなかった…。
自分独りで、どんな生活を送っていたのか…思い出せない程、今の三洲は真行寺に夢中なのだ…。

「…はぁ…会社へ行くとするか…」

広い部屋に独りでいても、しょうがない…。

いつもより、少しだけ早い時間だが、三洲はマンションを後にした…。


~・~・~・~・~・~・~


その頃、真行寺は…?

同じ部署の先輩社員の橘と、新大阪に向かう新幹線の中。

「真行寺君…真行寺君!」

居眠りをこく、真行寺の肩を揺する。

「新大阪に着くぞ!」

「…ぁ?…あぁっ、すんませんっ」

慌てて、飛び起きた。

相手が三洲なら、容赦なく顔をペシペシと叩かれるトコロだろう。

大阪支社は、新大阪駅から近い所にあるらしい…。

因みに…。

金曜日の朝まで、いることになる宿だが、大阪支社から徒歩10分くらいの所にある、安そうな(?)ビジネスホテルに今夜から泊まるらしい…。

チェックインは、会社が終わってから…とのこと。

「真行寺君は、よく眠るねぇ…」

「…え?そんなに寝てました?」

ケロッとして言うと、

「うん。僕がねぇ…話をしている最中に、寝ちゃったんだよ…君は」

返事が返ってこないから…見てみると、大口を開けて寝てたよ。

その光景を思い出した橘は、クスクスと笑っていた。

「マジっすか!?すんませんっ!」

赤面する真行寺に橘は、

「携帯で、写真撮っておくんだったなぁ?あっはっは」

「…それは、勘弁して下さいよぉ」

…軽くイジメじゃん…。

こんなことが、三洲にバレたら、間違いなく呆れられてしまう…。

『恥ずかしいヤツだなぁ、お前は…』

真行寺の耳の奥で、三洲の声がずっと響いていた…。

「…橘さん、あのぉ、何の話を…」

「やぁ、家の娘がね…あ、来年…小学校に上がるんだけど…」

「…あぁ、あの、この間…奥さんと来てた、あの娘ですか?」

橘の忘れ物を届けに来ていた、橘の妻と愛娘…。

「あぁ。璃緒って名前なんだけど…、璃緒が、真行寺君のファンでね…」

「は?」

愛娘の話をし出した、橘の目尻は下がる一方…。

「『あのお兄ちゃん、カッコイイね!璃緒、あのお兄ちゃんのお嫁さんになる』って、言うんだよ」

父親の僕を、差し置いてね…。

「…はい?」

や…そりゃ、どう考えても…犯罪じゃない?

それに。

俺のお嫁さんは、アラタさんだし…へへへ

そんなことを、悶々と考えていると…、

「だから…一度、家に遊びに来て娘と、遊んでやってくれないか?」

「…え?俺がですか!?」

子供の相手…なんて、アラタさんに笑われちゃう…。

「ダメかな?真行寺君」

「…あ、はぁ…、考えておき、ます…」

あまり、気の進まない真行寺であった…。

新大阪駅に、新幹線が滑り込んだ。

「着いたぞ」

橘と共に、大阪支社へ向かった。


~・~・~・~・~・~・~


「…三洲さん…」

「…」

「三洲さん」

「…はい」

ハッ…と、気がつく。

「…どうしたんですか?ボーッとして…どこか、具合でも悪いんですか?この書類、お願いします」

そう言ってきたのは、今月一杯で退職をする広瀬だった。

「…ああ、すまない…考え事をしてたんだ…。あ、そうだ…広瀬、新人はどう?」

広瀬の後釜とされる、新人が今月から来ていて、広瀬から色々教育をうけていた。

「えぇ、頭のいい人だから、飲み込みが速いですよ。営業も経験あるみたいなんで…」

「そうか…それなら良かった」

三洲はニコッと笑って、広瀬の持ってきた書類に、目を通した。


~・~・~・~・~・~・~


どうにか、一日をやり過ごし…自宅マンションへ帰ってきた。
いつものように、ドアを開けようとすると、鍵が…。

「…真行寺、いないんだった」

大概、真行寺が先に帰っていたから…その癖で、鍵のことはすっかり忘れていた…。

バッグから、鍵を取り出し…鍵を開けて、部屋へ入った。

玄関の電気を点けて、

「ただいま…」

誰もいない空間へと、言葉を投げる…。
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