FC2ブログ

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Anniversary10 

Anniversary10


いつもなら…。

真行寺が『お帰り』と言って、頬にキスをしてくれる…。

夕飯の支度もしてくれて…。

色々やってくれるから、つい…頼ってしまっている自分がいる…。

『もう一生会えなくなるワケじゃない』

真行寺に言った言葉だが、何だか…自分がもう、真行寺と一生会えなくなってしまうような、そんな気持ちになってしまっている…。

「…たったの5日間だ」

再会前のことを思えば…容易いのだ。

その時。

携帯電話が鳴った…『真行寺専用』の着信音…。

スーツのポケットから、携帯を取り出し、通話ボタンを押す。

「もしもし」

『あ、アラタさん?俺

元気な真行寺の声…。

「あぁ…真行寺」

『まだ、会社?電話、大丈夫?』

「今、家へ帰ってきたところだよ…。真行寺は?もう仕事は終わったのか?」

『うん、終わったよ。今ね、ホテルの部屋から電話してんの。もうちょっとしたら、橘さんとご飯行くんだ。腹減って、死にそう~』

『出張行きたくねぇなぁ』なんて、言ってたくせに…楽しそうじゃないか…。

俺は独りなんだぞっ…。

三洲の心の叫びである…。

『橘さん』とやらに嫉妬しても、しょうがないのだが…。三洲は、ちっとも面白くない…。

「…そうか。橘さんって人、待ってるんじゃないのか?」

『大丈夫だよ、30分後に出掛けるから…。アラタさんも、ちゃんとご飯食べてね。冷蔵庫に色々入ってるからさ…』

…優しい言葉なんて、掛けてほしくない。

余計に、寂しくなるだろ!

「…わかってるよ」

『アラタさん?…何か、元気ないね?どうしたの?会社で、何かあった?』

原因はお前!とも、言えず…。

「…何でもないよ」

『……寂しいの?』

真行寺が、少し間を置いて聞くと三洲は、

「寂しくないね。静かで平和だよ」

心にもない、強がり…。

真行寺の言ったことは、マサに図星!なのだが…。『寂しい』なんて、女々しいことは言いたくないから、つい…悪態をついてしまう三洲。

『もぉ、ヒドイなぁ、アラタさん…。
ふふふでも…いつものアラタさんで良かった

電話の向こう側から、クスクスと笑い声がする。

「…なんだよ、それ…。それに、何が可笑しいんだよっ」

真行寺に笑われて、ちょっと悔しい。

『ちょっとね…心配だったから』

優しい、真行寺と…、

「余計なお世話だよ。早く、飯食いに行けっ」

素直じゃない、三洲…。

『…うん、そうだね。そろそろ時間だから。明日、また電話するね

「…うん…」

『おやすみ、アラタさん愛してるチュッ』

「…おやすみ」

電話越しのキスなんて…何てことない…。音だけだし。

ホントは…。

逞しい腕に、ギュッと抱きしめられて…キスされたいのに…。

通話が切れた…。

「…はぁ…」

溜め息を一つ零して、携帯を閉じる…。

「…今から作るのは怠いなぁ…」

独りだし…。何か、買ってくれば良かった…。

三洲は、冷蔵庫を開けて、また…溜め息を零す。

「…はぁ…」

真行寺が、気を利かせて使い切りパックの魚や、肉などを買ってくれてあった。

「…野菜炒めでもするか…」

難しいことは、考えたくない…。

「…野菜は、と…キャベツ、もやし…パプリカ、しめじ…」

三洲は、ブツブツ言いながら、野菜を取り出して…。

「少しあればいいし、使う分だけ分けるか…」

笊やボウルに、使う分だけ取り、残りはまた冷蔵庫に戻した。
あとは、小パックの肉…。

「…これでよし、と。先に風呂へ入るかな…」

用意だけして、先ずは風呂…。

「独りだし…シャワーだけでいいや…」

何だか、面倒だし…。

三洲は、そのままバスルームへ直行した。


~・~・~・~・~・~・~


「真行寺君は、恋人いるの?」

薬指、指輪してるよね…?

ホテルから程近い、居酒屋で橘が、真行寺に聞いた。

「いますよ…。すっげ、綺麗な人なんす…」

ほろ酔い気分で応えた。

「…へぇ、美人なんだ?」

見てみたいなぁ…。

「…ヒ・ミ・ツ…っすエヘッ」

真行寺は人差し指を、自分の口の前で立てた。

まさか、相手が男だとは…橘も気づくはずもあるまい…。
スポンサーサイト

- 0 Comments

Leave a comment

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。