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Anniversary11 

Anniversary11


シャワーを浴びた三洲は、もうパジャマに着替えて、キッチンに行った…。

来客もないし…。
どんな格好でも、構わない。

「…エプロンをして…と」

椅子の、背もたれに掛けられた、真行寺のエプロンをしてみた…。

「…ちょっとデカいな…」

まあ、いいか…。

華奢な三洲には、少しだけ緩いようだ。

野菜を洗って、切って…。
真行寺は、毎日こんな面倒なことを、やってくれているのかと思うと、頭が上がらない…。

真行寺、様々だ…。

「…料理は作って貰った方が、美味いんだよな…」

野菜炒めを作りながら、三洲は独り言を呟いた。

「…よし、出来た…」

野菜炒めを皿に盛りつけ、ラップを掛けて、リビングのテーブルに運んだ。

「…後は、ご飯か」

『アラタさん、大変だし、ご飯冷凍しとくから、チンして食べてね』

真行寺が言ってたのを思い出した。

「確か、汁物もあると言ってたな…」

野菜炒めだけでは味気ない…。

どっちみち、独りで味気ないから、別にどうでもいいのだが…。

「取り敢えず、ご飯をチンしよう…」

冷凍室を開けると、少し大きめな、おにぎりサイズのご飯が、ゴロゴロ入っていた。その一つを取り出して、

「…アイツ、自分サイズに合わせたんじゃないか?」

デカすぎるけど…まあ、いいか。

文句は言えない…。冷凍ご飯を器に移して、レンジでチンする…。

「汁物、汁物…と、あった」

食器棚の引き出しを開けると、3種類程、汁物の素が入っていた。

「…たまごスープにするか」

フリーズドライの、たまごスープの素を器に入れ、お湯を注ぐ。

チーン!

ご飯も温まった。ご飯をレンジから取り出し、スープも一緒にトレーに乗せ、リビングへ…。

「…やっと夕飯だ」

時計を見れば、もう20時近かった。

ビールをプシュッと、開けて一口呷る…。

独りだから、味もイマイチ…。
いつもなら…賑やかな、この部屋も、今日はとても静か…。

…て、ゆーか。

金曜日の夕方には、帰ってくると言ったが…。この状況が、それまで続くのかと思ったら…ゾッとした。

三洲は、さっさと夕飯を済ませ、寝てしまおうと思った。

明日も、どっちにしろ早起きをしなければならない…。

「22時には寝よう…」

三洲は、ただ黙々と夕飯を食べた。


~・~・~・~・~・~・~


その頃、真行寺はまだ、橘と居酒屋にいた。

「…橘さん、もう帰りましょうよ…」

明日も、仕事っすよ。

「真行寺君、もう一杯だけ付き合ってくれ…」

「…俺、もう眠いっすよぉ」

どんだけ飲むんですか~?

「…家の娘がね…君のことを…」

……また、その話か。

酒の勢いで、真行寺に絡む、絡む…。
娘ったって、6歳やそこらだろうに…。

『パパのお嫁さんになる』

と、言われなかったことが、相当ショックだったのか…。
10年もすりゃ、家にボーイフレンドを連れてくるようになるんだから…。

「…頼むから、娘と遊んでやってくれ…」

真行寺の手を、ガシッと握って橘が懇願する。

「…ちょっ、橘さん、やめて下さいよ…。皆、見てますってっ!」

意外と…橘さん、疲れる…。

一晩寝て、起きてキレイに忘れてくれればいいのに…。

そう願う、真行寺であった。


~・~・~・~・~・~・~


三洲は、食事を済ませ、後片付けもやって…。

「…さて…ちょっと早いけど…寝るか」

独りだしな…。

電気を消して、寝室へ行き、冷たいベッドに潜り込む…。
夜の気温も、だいぶ下がりクーラーも、いらなくなった。

独りのベッドは、久しぶり。いつもは、デカイ体の真行寺が隣にいる…。
ベッドの真ん中に、デン!と大の字に寝てみた…。広々、使えて快適…のはずなのだが…物足りない。

それに、何だか…寒い。

人間カイロは大阪に行ってしまっている…。
肌掛けを、肩まで引っ張り上げた。

まだ、物足りず…。

真行寺が、使っている枕を手に取り、ギュッ…と、抱きしめると、真行寺の匂いがフワッと鼻をかすめた…。

「…真行寺」

枕に顔を埋めて、名前を呼んでみる…。

「…今頃、アイツ…大の字になって寝てるんだろうなぁ…」

ボソッ…と、呟いた。
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