スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Anniversary13 

Anniversary13


昼。

社員食堂で一人、昼食を摂っていると、

「三洲さん、隣…いいですか?」

急に声を掛けられて、ビクッとなる…。

「…あ、あぁ…いいよ」

咄嗟に笑顔を作り…応えた。

「…驚かしちゃいましたか?」

広瀬は、クスッと笑って、三洲の隣に座った。

「広瀬…いつ頃、向こうに帰るんだ?」

仕事中では、話が出来ないから…こんな時にでも聞くしかない。

「…来週は送別会だし、再来週くらいに…。引越しの準備は、ちょっとづつやってますよ…」

エビフライを口へ運びながら、広瀬が応える。

「そうか…大変だな…何か、手伝えることがあれば、遠慮なく言えよ?」

「ありがとうございます。でも、大丈夫です。大学時代の友達が、手伝いに来てくれますから…」

気持ちだけは、ありがたく頂いておきます。

三洲を気遣い、広瀬が言った…。

「あ、そうだ。三洲さん、今日…仕事の後、空いてますか?」

「ん?何で?」

三洲がキョトンとして、広瀬を見ると、

「…あの、ちょっと、飲みに行きませんか?こっちにいるのも、あと少しだし…。三洲さんと、二人で飲みたいって思ったんです…。あっ、無理ならいいんですけど…」

ばばーっと言って、広瀬は顔を少し赤らめて俯いた。
考えてみれば、広瀬と仕事の帰りに飲みに行ったことは、今までなかった。
三洲も仕事が終われば、サッサと帰っていたし…。誘われると、面倒…というのもあるのだが…。
広瀬が実家のある、福岡に帰ってしまえば、こんな機会は二度とない…とまではいかなくても、恐らく90%以上はないだろう…。
今回、真行寺も大阪だし…。帰っても独りきり。夕飯作るのも、面倒だし…。

まあ、いいか…。

「構わないよ。送別会の時じゃ、あまり話も出来ないかも知れないしな」

「ホントですかっ!?ありがとうございます!」

広瀬は、満面の笑みで三洲に礼を言った。


~・~・~・~・~・~・~


「真行寺君、このデータ入力もヨロシク」

「あ、はーい…」

朝からずっと、パソコンと睨めっこ…。
デスクの上は、書類の山。
「っつーか…俺…今日ずっとコレ!?」

周りに聞こえないように、小声でボヤく…。
大阪まできて、データ入力って…一体?東京で、外回りやってた方が、よっぽど体に良さそうな気がする…。

「…目が疲れる」

そうだ…。

コソッ…と、携帯を取り出して、カメラのデータBOXを見る…。

目の保養…。¨アラタさん¨

内緒で…そっと、盗み撮りした三洲の写真。
三洲は昔から、写真が嫌いで…頼んだところで、撮らせてはくれない。
ならば!と、こっそり…。バレたら、絶対怒られる…でも、でも一枚くらいは許してほしい。
『盗み撮り』だから、視線はこっちに向いてはいない。
ちょっと遠くから撮った。…しかも、後ろ姿(涙)。
だけど、¨アラタさん¨なのだ…。
早く帰って、抱きしめたい…。

そしてっっ!

「真行寺君」

「はいっ!?」

写真を見ながら、妄想にふけっていると、また声を掛けられた。

「何してるんだ?これも頼むよ」

バサッと、書類の山にまた書類が積まれた。
これじゃ、一向に終わりゃあしない…。

「…はぁぁぁぁ、早く帰りたい」

先が思いやられる、今回の出張である…。


~・~・~・~・~・~・~


そして、その日の仕事が終わり、三洲と広瀬は居酒屋へ行った。

「最近の居酒屋は、個室もあるんだな」

「はい。周りが気にならなくていいですよ?煩くないし…安いし」

料理も結構イケますよ。

広瀬はメニューを広げ、

「取り敢えず、ビールでいいですか?」

「あぁ、いいよ」

つまみは適当に広瀬が選んで、インターホンで注文し、少しすると、扉にノックがあり、店員が注文したものを運んできた。
店員が個室を出て行ってから、乾杯をする…。

「三洲さん、お疲れ様でした」

「お疲れ…」

ジョッキを合わせる。
ビールを一口飲むと、広瀬が言った…。

「…俺、三洲さんのことが好きでした」

「…広瀬?」

広瀬の突然の告白に、ポカンとしていると、

「…好きでした…って言うか、今でも好きです。入社した時から…ずっと」

広瀬は、恥ずかしそうに俯いた。
スポンサーサイト

- 0 Comments

Leave a comment

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。