Anniversary15
Anniversary15
真行寺に早く会いたい…。
真行寺以外の男に、抱きしめられながらも三洲は、真行寺のことを思っていた…。
「…9…10、はい、10秒」
10秒のカウントをし終わり、ゆっくりと体を離す…。広瀬は、
「…三洲さんて、意外と華奢なんですね…。スーツ姿ばかり見てるから…抱きしめて、初めて気づきました…」
「これでも、少しは太ったんだぞ?」
三洲は、クスッと笑って言った。
駅を目指し、二人で歩きながら話す。
「…俺が入社した当時よりも、顔色良くなりましたもんね?」
やっぱり、真行寺さんのオカゲですか?
「…そうだな」
「すごく…心配だったんですよ?倒れちゃうんじゃないかって…。ちゃんと、食べてるのかな…とか、思いましたもん」
「そんなに、ヒドかったか?俺」
「はい。かなり」
その言葉が、何だか可笑しくて…二人でクスクスと笑う。
「…真行寺の手料理…結構イケるんだよ」
そう言ってしまってから、ハタと気づく…。
俺としたことが…無意識に惚気てしまった…。そんなつもりはなかったのに!
「…そうですか、ごちそうさまです」
広瀬は、ニコニコしながら、少し照れる三洲を見つめ、
「三洲さんて、クールなイメージなのに…可愛いところもあるんですね…ふふっ」
「…広瀬っ!笑うなよ」
可愛いなんて…真行寺から、しょっちゅう言われているが…。他の人に言われると、何か…恥ずかしい。
「…あははっ、でも…三洲さんにも、そんな所があって良かった。三洲さんは、仕事出来るし…、綺麗だし…。ちょっと、近寄り難くて…。それに、プライベートなことは一切、話さないでしょう?本当はどんな人なのか…分からなかったんですよ?」
でも、皆…同じなんですね。好きな人のことを、嬉しそうに話すのは…。
「…広瀬」
「あっ、駅が見えてきました」
言われて見ると、もうすぐそこに駅が。
「…今日は本当に、ありがとうございました」
広瀬は三洲に一礼する。
「…ああ、楽しかったよ」
「…三洲さん、幸せになって下さいね…。あっ、今度…真行寺さんと二人で、ウチの旅館へ泊まりに来て下さい…うんと、サービスしますから」
「…早速、売り込みか?でも、ありがとう。その時は、よろしくな」
三洲は、クスッと笑って、広瀬の肩をポンと叩いた。
「はい。それじゃ…おやすみなさい」
「おやすみ」
広瀬は、改札口を抜けると、もう一度振り返って一礼をし、ホームへ向かった。
広瀬が見えなくなり、三洲も駅を後にした。自宅マンションまで、少し遠いけれど…歩いて帰る。
何気なくポケットから、携帯を取り出して…、
「…着信なしか」
メール、電話どちらも…。
「…何してるんだか」
今日のことは…。真行寺には、黙っておこう…。
三洲は夜空を見上げた。
時刻はもうすぐ22時…。
結局、真行寺は一日中データ入力をしていた。おまけに、少し残業までやらされた…。
会社の帰りに、橘と食事を済ませ…ホテルの部屋へ帰るなり、ベッドへ倒れ込んだ。
「あ~…つっかれたぁ…。一日中パソコン画面見てたら…肩凝った」
ムクッと起き上がり、肩を摘み、首をグルリと回す…。
「…風呂入って、凝りを解すか…」
真行寺は、スーツを脱ぎ…ユニットバスへ入って行った。
30分程掛かって、自宅マンションに着いた三洲は、リビングのソファに座った。
広瀬に抱きしめられて…。真行寺の温もりが恋しくなり…両腕をギュッ…と、自分で抱きしめてみる。そんなことをしたところで、冷えた体が温まる訳ないのだが…。
ここ数日で、すっかり秋めいて…。あの、暑すぎた夏はどこへ行ったのか?と、思う程に涼しくなった…。
昨年の今頃も…人肌が恋しくて堪らなかった…。
「…今夜も冷えるな」
熱めのシャワーを浴びて、寝るとするか…。
三洲は、寝室へ行き…スーツを脱ぎ、バスルームへ…。
「…寒っ」
熱めのお湯を出して、シャワーに切り替えた。
~・~・~・~・~・~・~
シャワーを済ませて、寝室へ行き…ベッドの枕元に置いておいた携帯を手に取る。
「…アイツ、もう寝たのかな?」
真行寺からの着信は、未だ無し…。
毎日、電話するなんて言って出張に行ってから、1回も掛けてこない。
「しょうがない…こっちから、またメールするか…」
体が冷えないうちに、ベッドへ潜り…真行寺の枕を抱えて、メールを打つ。
『真行寺、まだ起きてるか?』
短い文で送信。
真行寺の枕をギュッとしながら、返事を待つ三洲であった。
真行寺に早く会いたい…。
真行寺以外の男に、抱きしめられながらも三洲は、真行寺のことを思っていた…。
「…9…10、はい、10秒」
10秒のカウントをし終わり、ゆっくりと体を離す…。広瀬は、
「…三洲さんて、意外と華奢なんですね…。スーツ姿ばかり見てるから…抱きしめて、初めて気づきました…」
「これでも、少しは太ったんだぞ?」
三洲は、クスッと笑って言った。
駅を目指し、二人で歩きながら話す。
「…俺が入社した当時よりも、顔色良くなりましたもんね?」
やっぱり、真行寺さんのオカゲですか?
「…そうだな」
「すごく…心配だったんですよ?倒れちゃうんじゃないかって…。ちゃんと、食べてるのかな…とか、思いましたもん」
「そんなに、ヒドかったか?俺」
「はい。かなり」
その言葉が、何だか可笑しくて…二人でクスクスと笑う。
「…真行寺の手料理…結構イケるんだよ」
そう言ってしまってから、ハタと気づく…。
俺としたことが…無意識に惚気てしまった…。そんなつもりはなかったのに!
「…そうですか、ごちそうさまです」
広瀬は、ニコニコしながら、少し照れる三洲を見つめ、
「三洲さんて、クールなイメージなのに…可愛いところもあるんですね…ふふっ」
「…広瀬っ!笑うなよ」
可愛いなんて…真行寺から、しょっちゅう言われているが…。他の人に言われると、何か…恥ずかしい。
「…あははっ、でも…三洲さんにも、そんな所があって良かった。三洲さんは、仕事出来るし…、綺麗だし…。ちょっと、近寄り難くて…。それに、プライベートなことは一切、話さないでしょう?本当はどんな人なのか…分からなかったんですよ?」
でも、皆…同じなんですね。好きな人のことを、嬉しそうに話すのは…。
「…広瀬」
「あっ、駅が見えてきました」
言われて見ると、もうすぐそこに駅が。
「…今日は本当に、ありがとうございました」
広瀬は三洲に一礼する。
「…ああ、楽しかったよ」
「…三洲さん、幸せになって下さいね…。あっ、今度…真行寺さんと二人で、ウチの旅館へ泊まりに来て下さい…うんと、サービスしますから」
「…早速、売り込みか?でも、ありがとう。その時は、よろしくな」
三洲は、クスッと笑って、広瀬の肩をポンと叩いた。
「はい。それじゃ…おやすみなさい」
「おやすみ」
広瀬は、改札口を抜けると、もう一度振り返って一礼をし、ホームへ向かった。
広瀬が見えなくなり、三洲も駅を後にした。自宅マンションまで、少し遠いけれど…歩いて帰る。
何気なくポケットから、携帯を取り出して…、
「…着信なしか」
メール、電話どちらも…。
「…何してるんだか」
今日のことは…。真行寺には、黙っておこう…。
三洲は夜空を見上げた。
時刻はもうすぐ22時…。
結局、真行寺は一日中データ入力をしていた。おまけに、少し残業までやらされた…。
会社の帰りに、橘と食事を済ませ…ホテルの部屋へ帰るなり、ベッドへ倒れ込んだ。
「あ~…つっかれたぁ…。一日中パソコン画面見てたら…肩凝った」
ムクッと起き上がり、肩を摘み、首をグルリと回す…。
「…風呂入って、凝りを解すか…」
真行寺は、スーツを脱ぎ…ユニットバスへ入って行った。
30分程掛かって、自宅マンションに着いた三洲は、リビングのソファに座った。
広瀬に抱きしめられて…。真行寺の温もりが恋しくなり…両腕をギュッ…と、自分で抱きしめてみる。そんなことをしたところで、冷えた体が温まる訳ないのだが…。
ここ数日で、すっかり秋めいて…。あの、暑すぎた夏はどこへ行ったのか?と、思う程に涼しくなった…。
昨年の今頃も…人肌が恋しくて堪らなかった…。
「…今夜も冷えるな」
熱めのシャワーを浴びて、寝るとするか…。
三洲は、寝室へ行き…スーツを脱ぎ、バスルームへ…。
「…寒っ」
熱めのお湯を出して、シャワーに切り替えた。
~・~・~・~・~・~・~
シャワーを済ませて、寝室へ行き…ベッドの枕元に置いておいた携帯を手に取る。
「…アイツ、もう寝たのかな?」
真行寺からの着信は、未だ無し…。
毎日、電話するなんて言って出張に行ってから、1回も掛けてこない。
「しょうがない…こっちから、またメールするか…」
体が冷えないうちに、ベッドへ潜り…真行寺の枕を抱えて、メールを打つ。
『真行寺、まだ起きてるか?』
短い文で送信。
真行寺の枕をギュッとしながら、返事を待つ三洲であった。
スポンサーサイト