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いつも君を想ってる5 

いつも君を想ってる5


「ええっ、だって、ニヤけずにいられないっすよぉ……あっ、ね、ね、今度ぉ、一緒にランチしません!?アラタさん?」

「…お前は、OLか?」

冷ややか~に返した。

「…いいじゃないっすかぁ…ツレないっすねぇ……あっ、そうだっ!アラタさん、メアドも教えてっ!」

「なんだよ、欲が深いな…俺はメールなんて殆ど、やらないぞ?」

メールなんて、面倒くさい。電話で良いじゃないか…。

「だって…仕事中とかって、電話じゃマズイっしょ?」

…なぬっ!?

「…って、お前、仕事しろよ」

…ホントは…嬉しいけど……まだ、内緒。

「仕事は、ちゃんとやってますってばっ!ねぇ~、アラタさ~ん、教えてっ!?ね?ね?お願いっっ!」

また、見られてる…。まるで、三洲が真行寺を虐めているみたいじゃないか?

「…もう、わかったから…さっきの俺の名刺、よこせ」

三洲は真行寺から、名刺を受け取り、裏にひっくり返して、サラサラっと記入して、再び、真行寺に渡した。

「やたっ!ありがとう…アラタさん…」

真行寺が、手招きをした。

「ん?なんだ?」

周りに聞こえないように、小さ~い声で真行寺が言った。

「愛してます」

三洲は、顔から火が出そうであったが…ポーカーフェイスで誤魔化した…。

「…場所を考えろ」

二人きりの時に言え。

「だって…ずっと、言ってなかったから…。言いたかったっすよ」

フワッと笑って俯いた。
こんな調子で、1時間程話していた。
何か、久々に腹の底から、笑った気がする…。
今までの三洲は、まるで抜け殻のような、生活をしていたのだろう…。
今日、真行寺から『元気』を貰えたのかも知れない…。

「あっ、ヤッベ、俺…会社に一度、戻るんだっけっ!」

「…お前はアホか」

やっぱり、つくづく呆れる…。
…でも、そんな真行寺のことが……。

「取引先からの帰りだったんすけど…アラタさんに会ったら、テンション上がっちゃって…」

「俺が悪いのか?」

真行寺を睨みつけた。

「やややっ、そうじゃないっす!」

「早く行けよ」

そう言いながら、窓の外に目を遣ると、先程よりも雨脚が強くなっていた。
真行寺と夢中で喋っていた所為か…そんなことも、全く気づかずにいた。
二人で席を立ち、会計を済ませて、外へ出た。

「ごちそうさま。そう言えば…お前、傘ないんだろ?」

三洲の傘に入って、ここまできた。

「ないっすけど、走ってけば大丈夫っす」

「これ、使えよ。いくら何でも、この雨じゃズブ濡れになるぞ」

さっき差してきた、大きい傘を真行寺に渡した。

「…えっ、でも、そしたらアラタさんが…」

「…もう一本あるんだ」
三洲は、鞄の中に手を突っ込んで、小さい携帯の傘を取り出した。
『予告無しの雨』ではなかったが、『予告無しの出来事』で、この傘の役目が漸く、回ってきたのだ。
まさか、こんな時に役に立つとは……。

「俺は、もう帰るだけだから…これで充分だ」

「ホントにいいの?こっちの大きい傘じゃなくても?」

「いいから、早く会社へ戻れよ。遅くなるだろ」

「あ…じゃあ、お借りします……あっ、アラタさんっ!」

「なんだ」

「今度また、ゆっくり会いましょ?電話かメールしますから」

「…ああ」

「じゃっ、またっ!お疲れ様っす!」

そう言って、真行寺はさっき二人で、歩いてきた道を、ダッシュで走り抜けて行った。
真行寺の背中は、瞬く間に見えなくなり…三洲は、反対方向へ…。

「…楽しかったよ、真行寺」

小さく呟いて、自宅マンションに向かって、歩き出す。
いつもより、足取りが軽いのは…真行寺に会った所為…?
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