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Anniversary17 

Anniversary17


「…真行寺」

枕をギュ~ッと、抱きしめるけど…それだけじゃ、足りない。
抱かれたいのは…自分も同じ…。冷えた体と、口唇を温めてほしい…。

『…でも、もう少しだから…我慢しよ。明後日には、帰れるから』

「何時頃、帰ってくる予定なんだ?」

早く、会いたい…。だから、とても気になる…。

『う~ん…夕方頃の予定だけどね…。まだ、分かんない』

「…そうか。あっ、広瀬が今日で、仕事終わったんだよ。今度、二人でウチの旅館へ、泊まりに来てくれって言ってたよ」

『えっ!?ホントに!?…って、俺達のコト…知ってるの?』

恋人同士って…。

「あぁ、見られたらしい」

イチャついてるところをな…。

三洲はクスッと、笑った。

『う~わっ、マジで!?』

三洲には見えていないが、真行寺の顔は、かなり赤くなっている…。
二人のラブラブ場面を見られてしまったなんて…。

「大丈夫だよ、広瀬は理解ある人間だ」

俺達をお似合いだって言ってたよ…。

『…ホントに?』

「…ああ」

『じゃあ…今度、泊まりに行かなきゃね?広瀬さんちの旅館…』

「…そうだな。また、間を見て行こうか…」

いつ行くのか、まだ分からないが…。楽しみが一つ出来た。

『うん…あ、もう遅いから…寝よっか。ごめんね、長くなっちゃって…』

「…ん、いいよ」

『それじゃ、おやすみ明日も頑張ろうね』

「ああ、おやすみ…あ、真行寺」

電話を切ろうとした時、三洲が呼び止めたから、もう一度電話を耳に当てる。

『ん?何?』

「…愛してるよ」

電話の向こう側で、三洲がどんな顔をして、言っているのか分からないが…。
声のトーンが、とても柔らかい…。意地っ張りな姫君の口からは、滅多に聞けない(言ってくれない)言葉なのである…。

だから、貴重なのだ…すごく。

『うん俺も愛してる

「じゃ…おやすみ」

『おやすみ、アラタさん

電話を切った…。

明日を乗り切れば、真行寺は帰ってくる…。たったの5日間なのに、妙に長く感じて…心と体が、真行寺を求めている…。
ベッドサイドの電気を消して、枕をギュッと抱きしめると…、真行寺の匂いがフワッと香る。
体温はないけれど、真行寺が隣にいるような…そんな気がする。

今夜と明日…。

「枕で我慢するか…」

と、言っても…実際は月曜日の夜から、我慢しているのだが…。

…だから。

金曜日の夜は…甘えてしまってもいいだろうか…?

三洲は、眠りに誘われながら考えていた…。


~・~・~・~・~・~・~


そして…金曜日。

結局、真行寺は大阪に来てから、データ入力が殆どで…その他の、打ち合わせみたいなことは、橘がやっていた。
本来、橘だけの出張だったはずが、『勉強がてら』とかで、課長が先方に話をつけて真行寺も、出張に組み込んでしまったのだ。
そして、来てみれば…データ入力だし、残業有り~ので…。
やたらに疲れて、ホテルの部屋へ帰れば…いつもバタンキュ~だ。
愛しの恋人は東京だし…。声だけじゃ…物足りない。

早く…抱きしめたい。

「真行寺君、予定より早く東京へ帰れそうだぞ」

パソコンの画面に向かいながら、本日もデータ入力をしている真行寺に、橘が声を掛けた。

「マジっすかっ!?」

真行寺の目が、キラン☆と輝く。

やっと、アラタさんに会える

そう思ったら、顔がダラリと崩れてしまう…。

「手元にある書類だけ、入力してくれれば終わりだよ…真行寺君、すごい嬉しそうじゃないか?」

橘が、クスッと笑いながら言った。

「…そりゃあ、嬉しいっすよ~!」

この日を待ってたんですから~。

「ま、僕も嬉しいけど?我が家が一番だからな?さっ、頑張ってやってくれ。昼前に終われそうか?」

真行寺の手元の書類を見た。

「はい、楽勝っす!」

真行寺は橘に、親指を立てて応える。

「…午後一の新幹線で帰りたいから…、頼んだよ」

真行寺の肩をポンと叩いて、橘はその場から去って行った。

「よ~っし、頑張るぞっ」

気合いを入れて、真行寺はパソコンのキーボードを叩き始めた…。


~・~・~・~・~・~・~


データ入力を終えて。

「いやぁ、真行寺君。君が来てくれて、ほんまに助かったわ~。また、機会があったら頼むで」

大阪支社の営業課長が、真行寺の肩を叩く。

「あ、はぁ…」

もう、絶対に嫌!とも、言えず…顔を引き攣らせる真行寺であった…。
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