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Anniversary24 

Anniversary24


真行寺がくるまで、広瀬と二人で話をしていた…。

「三洲さん、自宅の住所教えて下さい」

「…住所?いいけど、何で?」

「…あっちで落ち着いたら、手紙書きたいんです…」

今の時代、携帯でメールが出来るのに?

…と、思いつつ。

「…あ、じゃあ…書くものあるか?」

「ありますよ…これにお願いします」

広瀬は、バッグからシステム手帳を取り出し、無地のページを開いて、三洲に差し出した。
それを受け取り、サラサラと手帳に書き込み…、

「はい」

広瀬に手帳を渡した。

「ありがとうございます…」

三洲に書いて貰った住所を、じっと見つめる…。

「ん?…どうした?」

「三洲さん…キレイな字を書くんだなぁって思って…」

「そんなことないよ」

今まで言われたことないしな。

ちょっとだけ、照れていると…広瀬が指をさし、

「あ…。あの車、真行寺さんじゃないですか?」

振り向くと、反対車線側にハザードを点けた黒いワンボックスカーが停まっていた。

「…そうみたいだな」

「…三洲さん、お世話になりました…」

広瀬が深々と頭を下げる。

「…こっちこそ、色々ありがとう…。広瀬、元気でな…」

三洲が右手を差し出した。

「はい…。三洲さんも、お元気で…あの、ホント…真行寺さんと、泊まりに来て下さいね…」

「…ありがとう…じゃ、またな…」

またすぐに会えるわけではないが…無意識に出た言葉。広瀬とは、またいつか会うことになるだろう…。

だから…『さよなら』は、なしだ。

握手をして、広瀬は二次会へ。三洲は、真行寺の待つ車へ乗り込む。

「ごめん、遅くなって…」

「うん、いいよ。今日は、二次会なかったの?」

まだ時間早いよね?

腕時計を覗き、真行寺が言うと、

「や、あったよ…。真行寺が待ってるからって、広瀬が気を配ってくれたんだよ…」

「そうなんだいい人だね、広瀬さん。ねぇ~、いつ泊まりに行くぅ?広瀬さんとこ~」

三洲の右肩を揺すった。

「…なんだよ、そんなすぐには行かないぞ?」

行くとしたら…来年だな。

「うんいいよ、いいよ絶対行こうねあっ、そうだ!露天風呂あるのかなぁ?」

「…お前、そればっかだな?」

半ば呆れた表情で、三洲が言う。

「だって~、気持ちいいじゃん

旅館と言えば、露天風呂でしょう?ふふっ

「なあ、真行寺…いつになったら帰るんだ?」

三洲が車に乗ってから、もう…かれこれ10分以上喋っていて、一向に帰る様子がない。駐車禁止区域なのに、呑気なもんだ。

「…ははは…そうでした」

真行寺は頭をかきながら、苦笑いして車を漸く発車させた。

「…ね、アラタさん?」

「…ん?何だ?」

「そのまま帰るの、勿体ないから…ちょっと、ドライブしない?」

今日はあんまり酔ってないみたいだから…。

「ん…いいよ」

「じゃあ、決~まりっ」

真行寺は、夜の闇へと車を走らせた…。


~・~・~・~・~・~・~


どこまで走ってきたのだろう…?
外灯が少ないため、今どこを走っているのかが分からない…。

「…真行寺、どこへ向かってるんだ?」

「…ん?いいから、いいからふふっ

一人でクスクス笑って、教えてくれない。

「…何笑ってるんだよ?」

三洲は、面白くない。

「…もうすぐ着くから…待ってて

そう言って、真行寺は三洲の手をギュッ…と、握った。

暫くずっと、背の高い木に覆われた道を高台に向かって走って行くと、急に景色が開けた。

「!」

真行寺は、適当に車を停め…エンジンを切る。

「ね…外に出て見ない?」

「…うん」

三洲は素直に頷き、車から降りた。
目の前には、光の海のような東京の夜景…。こんな場所があったなんて、三洲は知らなかった。

「ここね…超穴場なんだよ?…知ってた?」

「…いや…知らなかったよ…こんな場所があったなんてな…」

真行寺の腕を引き寄せた。

「…寒い?」

ちょっと待って…。

真行寺は自分が着ていた上着を脱ぎ、三洲の肩に掛け…フードもフワッと、頭に被せた。

「…ありがと」

真行寺の温もりが残っていて…とても温かい。

「温かい?ふふっアラタさん…可愛い

赤ずきんちゃんみたい

実際は赤じゃなく、杢グレーだけど…。真行寺は堪らず、三洲を抱きしめ…口唇を甘く塞いだ…。

口唇が離れ…真行寺の肩越しに、東京の夜景をずっと見ていた…。
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