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Anniversary25 

Anniversary25


「…寂しくなるとね、いつも来てたんだ…」

「…え?」

見上げると…真行寺は、遠くの夜景を見ていた。

「アラタさんに会えなかった時…ここに来て、この街のどっかにいるって…いつも思ってた」

時々…涙が出ちゃったけどね…。

「…泣・き・ム・シ」

悪戯に三洲が呟くと、

「だって…寂しかったんだもん…しょうがないじゃん」

ギュッ…と、抱きしめられる腕の強さで、真行寺の気持ちがよく分かる…。

「…もう、寂しくないだろ?」

三洲が優しく聞いた…。

「…寂しくないよ」

すっげ、幸福…アラタさん、大好き…。

二人は…もう一度キスをして、抱きしめ合った。


「…もう帰ろっか」

「…うん、そうだな」

だいぶ冷えてきたしな…。

二人は車に乗り込み、光の海の中へ帰って行った…。


~・~・~・~・~・~・~


そして、次の週に広瀬は実家のある福岡へと、帰って行った…。
三洲への想いは100%断ち切れたわけではないが…好きな人には、幸福になってほしいと願わずにはいられないものだ…。
でも、相手が真行寺なら…大丈夫、きっと幸福なはずだから…。

「俺も…頑張らなきゃな」

広瀬は晴れた空を見上げ…大きく伸びをして、気持ちを入れかえた…。


~・~・~・~・~・~・~


「ねぇ、アラタさん?俺ね今度の金曜日、有給取ったから休みだよ」

秋が深まった今日この頃…。
滅多に会社を休まない真行寺が、珍しく有給を取ったらしい。

「…珍しいな?何か、用事でもあるのか?」

何気なく、そう言うと真行寺は、

「…アラタさん?昨年のその日…何があったか覚えてる?」

「…ん?何かあったか?」

薄々、感づいていたが…すっ惚けた顔をして言ってみた。

「あったよっ!覚えてないの!?」

俺達の記念すべき、同棲記念日なのに…。ヒドイ…アラタさん…。

一緒に住もうって言ったのアラタさんだよ?

真行寺は、ガックリと項垂れた…。

「…何ブツブツ言ってるんだよ?」

三洲が真行寺の顔を覗き込み、フワリと微笑んで…、

「…忘れる訳ないだろ」

『恋人』として…ここからスタートしたんだもんな…。

記憶力のいい三洲が、忘れるはずはない。ちょっと、からかってみただけ…。

「…そうだよね?大事な日だもん…忘れる訳ないよね

三洲をギュッと、抱きしめると…腕の中で三洲が、

「…俺も有給取ろうかな…」

「え!?ホント!?じゃあ、朝から晩までラブラブだねっ

更にギュ~ッと、抱きしめた。

「…苦しい…真行寺…」

だけど…それも何だか、心地好い…。胸の鼓動も重なり、真行寺の温もりも体に染み渡っていく…。

三洲のサラサラな髪に触れ…、

「…アラタさん、髪伸びたね…」

「ああ、もう半年くらい行ってないからな…」

そろそろ行き時だ…。

「俺的には…全然OKだよアラタさん、綺麗だから…ほら、こうして…」

三洲の前髪をクルクルっとひねり、Gパンのポケットから、薄紫のヘアクリップを出してピッと留めた。

…おでこ全開。

「…ほら、可愛い

「真行寺っ、何のマネだ!?」

ヘアクリップを取ろうとすると、その手を真行寺に押さえられた。

「あっ…ダ~メッ」

可愛いから…取らないで

そう言って、三洲の額にチュッとキスをした。

「…だいたい、こんな物…いつ買ってきたんだ?」

「この間、100円ショップで買ったの。アラタさん、前髪邪魔そうだったから…」

あげるから、使ってね

「…しょうがないな…」

「ね、アラタさん…お酒飲もっ?この間、買ってきたんだ

三洲の手を引き、ベランダから部屋へと戻り…三洲をソファーに座らせた。
真行寺は、冷蔵庫に冷やしておいた冷酒を用意して、三洲の隣に座り…小さなグラスに冷酒を注いだ。

「はい、どうぞ

「…ありがとう」

「乾杯

そっとグラスを合わせて、一口飲んでみた…。

「…美味しっふふっ

「…お前、酒飲む時…ホント幸福そうな顔して飲むんだな?」

あ…、あと食う時もな。

真行寺の…その幸福そうな笑顔を見ているだけで、三洲も自然と顔が綻ぶ…。

「うんだって、幸福だから
…でもぉ、アラタさんと一緒にいることが一番幸福

三洲も、勿論同じだ。真行寺と一緒にいることが一番の幸福…。
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