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Anniversary27 

Anniversary27


募る話もたくさんあって、店先での立ち話も、中々尽きなかった。

「…へぇ~っ、今はこっちにいないのねぇ?」

「うん、高校じゃ寮に入ってたし…大学から一人暮らしを始めて…今は、会社に近い所に住んでるんだ」

高校の時の先輩と一緒に…。

「え?先輩って…これか?」

おじさんが、ニヤニヤしながら小指を立てた。

ヨッ!色男っ!

「ち、違うよっ!男の先輩だってばっ!」

真行寺は慌てて否定した。

「…なんだよ~、男か…。男同士じゃ、つまらんだろ?男臭くて…」

いい男なのに、勿体ないなぁ…。

おじさんは、何とも残念そうな顔をして、真行寺を見た。

それが、そうじゃない!とも言えず…真行寺は苦笑いをし、話題を変えた。

「そうだ、おじさん。俺、今日鯛を買いにきたんだよ?その鯛、ちょうだい」

「あ?あぁ、いいよ…。今日は築地でいいのが、手に入ったんだ」

おじさんは、ニコニコしながら言った。

「あとね、その金目鯛の切り身もちょうだい」

「ねぇ?かーくん、何か良いことでもあったの?」

鯛ばかり買って…。

切り身を包みながら、おばさんが真行寺に聞いた。

「…うん、まぁね…色々と」

「何?何?教えてよ」

「…う~ん、内緒

「あら~、いいじゃない、教えてくれたってぇ」

そんなこと言われても…。まさか、『同棲記念日』だからなんて、言えっこない…。

「お前っ、いい加減にしろ。かーくん、困ってるだろうが」

おじさんが助け舟を出してくれた。

「だってぇ、気になるじゃな~い…。はい、かーくん、お待たせ」

包んだ魚を持ってきてくれた。

「ありがとう、おばさん。いくら?」

「1500円でいいわよ。ねぇ、お父さん?」

久しぶりに来てくれて、嬉しかったし。

「えっ…、悪いよ」

もっとするよね?お店、大丈夫なの!?

「いいから、いいから。持ってけ」

真行寺が小さい頃と変わらず、太っ腹のおじさん…。

「…そのかわり、また来いよ?安くしてやっから」

「うん!絶対来るよ!ありがとう」

優しいなぁ…。

真行寺は、満面の笑みで店を後にした…。


~・~・~・~・~・~・~


「…あ~、疲れた」

掃除を終えた三洲は、ソファーに身を委ねた…。時計を見ると、もう正午を過ぎている。

「真行寺、遅いなぁ?」

どこまで買い物行ったんだ?

一人だと、やっぱり…ちょっとだけ退屈。三洲はコーヒーをいれて、ホッと一息ついた…。

その時。

「たっだいま~」

真行寺が買い物から帰ってきて、そのままキッチンへ。リビングにいる三洲に声を掛けた。

「アラタさん、ただいま

「お帰り…遅かったな?どこまで買い物行ってたんだ?」

三洲はソファーから立ち、キッチンにいる真行寺の隣に行き、買い物袋を覗いた。

「うん。実家の方の魚屋さんに行ってきたんだ。幼い頃から知ってる店だから、色々話し込んで遅くなっちゃった…」

魚を安くしてくれて、ラッキーだったよ。

「…ふぅん。で?何の魚買ってきたんだ?」

「今日は俺達にとって、大事な記念日じゃん?だから~、『鯛』を買ってきたんだ

めでたい!なんてね

真行寺がニコニコしながらまだ喋る。

「鯛飯作るからね

あと…金目鯛の煮付けも

それを聞いた三洲は、ニヤリとして…、

「…お前、ホントに作れるのか?失敗したら鯛が可哀相だぞ?ふふっ」

「あーっ、もぉっ!ヒドイ!失敗しないもんねっ!」

「ホントか?」

上目遣いで、真行寺を見た。その眼差しに、ドキリとしながらも…真行寺は、

「うん。美味しかったら、ご褒美ちょうだい

おねだりをしてみた。

「…美味かったらな?マズかったら…ご褒美、なし」

「むぅぅぅぅ!絶対貰うもんっ!」

そう言い放ち、早速下拵えを始めた。

「…まだ早いんじゃないのか?」

真行寺が帰ってくる少し前から、手持ち無沙汰の三洲は真行寺にチョッカイを出す。

「ちょっ…、あはっ、やめてよ…あははっ」

くすぐらないでよーっ!

「…もう少し後でも…大丈夫だろ?」

三洲はくすぐるのを止めて、真行寺の背中に抱きついた…。
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