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Anniversary30 

Anniversary30


「いただきます」

ビールで乾杯してから…三洲は早速、キンメの煮付けに箸をつける…。真行寺は、それをジッと見つめ…三洲の言葉を待っていた。

「アラタさん…どう?」

普段、作ったことのない鯛料理…。真行寺なりに一生懸命作ったから、ここで¨マズい¨と、片付けられてしまったら…マジ、凹む…。

ご褒美が…消えていく。

「…美味いよ、真行寺」

料理のレパートリーが増えたな?

フワリと笑って言ってくれた。

「ホント!?ホント!?やりぃっ!」

ご褒美が貰えるっ

満面の笑みで喜ぶ真行寺を見て、何だか憎らしくなり…三洲は、

「水を差すようで悪いんだけど…喜ぶのは、まだ早いだろ?鯛飯はどうかな?」

…結果なら、食べなくたって分かってる。分かってるけど、臍繰りなことをつい言いたくなる…。

「もぉ~、また意地悪なこと言ってー」

と、言いつつ…三洲が作った茶碗蒸しを食べた。

「アラタさん、茶碗蒸し美味しい…この、プルプル感…アラタさんのお尻みたいへへへっ

「アホかっ!どスケベッ!」

ケツのことばかり言いやがって!

三洲は少しだけ顔を赤らめて、真行寺を睨みつけた。

「…う~んだって…ホントのことだよ~?ふふっ耳まで赤くしちゃって…可愛いんだから…いてっ!もぉっ、蹴らないでよっ!」

せっかく褒めたのに。

生憎、手が箸と茶碗で塞がっていて、空いていたのはテーブルの下の足だけ。真行寺がクダラナイことばかり言うから、思わずスネを蹴ってしまった…。

「どこが褒めてるんだよっ?」

「…まぁまぁ、そんなにムキにならないで?それよりさぁ…どうなの?鯛飯の、あ・じ

早く食べてみてよっ!?

真行寺は、蹴られた痛みなど忘れ、ニッコリ笑って三洲に言った。

「…お前じゃあるまいし、別にムキになんかなってないだろ?」

そう言ってから、鯛飯を一口食べてみた。

「…どう?」

さっきの威勢はどこへやら…?恐る恐る、三洲の顔を覗き込む。これで、ご褒美の有り無しが決まるのだ。三洲は箸を置き、腕組みをした。

「…う~ん、まぁまぁ…かな?」

しれっとして、言ってみた。普通にただ『美味い』では、何となく味気ない…。わざと曖昧な評価で、真行寺がどんな顔をするのか見てみたかった…。そう簡単に、ご褒美なんてやるものか…なんて、思ったりして。
一方、予想外の三洲の反応に、真行寺は納得がいかない様子…。

「…え?ちゃんと味わってくれたの!?俺…ちょっと自信あったのに…」

真行寺はシュン…として、テーブルに視線を落とした…。これまた、予想外の真行寺の反応に、三洲はちょっとやり過ぎたかな?と思い…、

「…そんな顔するなよ」

真行寺の髪をクシャっと撫でた。

「…だって…ご褒美が…」

¨まぁまぁ¨じゃ、ダメだよね?

弱々しく、三洲を見つめると、

「誰もマズいなんて言ってないだろ…ご褒美、考えてあるからさ…」

だから…元気出せよ?

「…ホントに?…いいの?」

「…欲しいんだろ?」

「うんっ

弾けるような笑顔…。これを見たかった。

「ね?ねっ?何くれるの!?」

超~楽しみっっ

「…まぁ、それは後でな」

三洲はフッ…と笑い、また鯛飯を口に運ぶ…。勿体振る程ではないが…せっかくの二人の記念日だから。そういうこともいいだろう…。

真行寺は…喜んでくれるのだろうか?


~・~・~・~・~・~・~


夕飯の後片付けも、風呂も済ませて…二人で夜景を見ていた…。
三洲の体を、そっと抱き寄せると…フワリと甘い香りがする。

「…星が綺麗だね…」

夜空と街の境界線が分からない程…。

「…そうだな」

すごく寂しくて、寒かった…昨年の初秋。
歳を重ねる毎に、寂しさが増して…独りで冷たい夜空を見上げていた。

今は…こうして、肩を抱かれている。

温かい真行寺の掌…。

「…ね?ご褒美、何くれるの?そろそろ教えて?」

三洲の耳許でそっと囁く…。

「…ん…くすぐったいだろ…」

真行寺の息が耳に掛かり、身をよじる三洲だが…大したものじゃないぞ?と続けた。
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