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Anniversary31 

Anniversary31


「アラタさんがくれるものなら…何でもいいよ

嬉しくて、三洲をギュッと抱きしめると…腕の中の三洲が、

「…今夜は、お前が言うこと…何でも聞くよ…」

これが…俺からのご褒美だ。不服か?

三洲が優しく微笑む…。

「えっ!?…ホント?嬉しい!!」

更に、ギュギュ~ッと三洲を抱きしめる。

「…バ、バカ…苦しい、真行寺っ」

「…ってことは…何でも有りってこと?」

苦しがる三洲の耳許で囁いた。

「…何でも有りって何だ?」

っつーか、その前に力を緩めろよ、この馬鹿力っ…。

「…あっ、ごめんっ…大丈夫?」

真行寺は慌てて腕の力を抜いた。三洲の『何でも言うことを聞く』と聞いて、閃いてしまったことがある…。こんなチャンスは滅多に…いや、この先もうないかも知れないのだ!
今までだって、勿論…色々な我が儘を聞いて貰っていたのだが…真行寺が今、頭の中で考えていることは、普通にサラッとお願い出来ないことなのだ…。

「何でも有りって何だよ?」

再び、三洲が聞くと…ニヤニヤしながら、真行寺が応えた。

「…ね、ちょっと待ってて?」

三洲をソファーに座らせ、真行寺は自室に行き…黒い手提げ袋を持って戻ってきた。

「アラタさん、これ」

目の前に袋を突き出されたので、その袋の中を覗いてみると、何か…フワフワした物が入っていた。

「…何だよ?これ…」

真行寺の顔を見ると、ニヤニヤとだらし無い顔をして、

「子猫ちゃんセットだよ~

「…はあ?」

三洲は、袋の中の物を取り出してみた…。広げてみると、ぬいぐるみのような生地の白いハーフトップ…。袋の中にはまだ入っている。耳が付いたカチューシャに、シッポがついたショートパンツ…。

三洲はイヤ~な予感がした…。

「…これを、どうしろって?」

「アラタさんが、着るの

「着れるわけないだろ!?」

「大丈夫だよ~、男女兼用だから

「そうじゃなくて!」

もう、三洲のプライドもズタズタだ…。

「…何でも言うこと、聞いてくれるんだったよね?ア・ラ・タ・さ・ん

ふふっ

「きっ…キタナイぞっ!真行寺っ!」

「汚くなんかないよ~?俺、ベッドで待ってるからさ早く着替えてきてね

「おいっ!こらっ!真行寺っ!」

呼び止める三洲を無視して真行寺は、とっとと寝室へ行ってしまった。

暫く三洲は、ただ呆然と「子猫ちゃんセット」を見つめ、ボヤいた…。

「…畜生、真行寺のヤツ…調子にノリやがってっ…」

何でこんなもん着なきゃならんのだ!あぁ、何でも言うこと聞くなんて、言わなきゃ良かったな…。

三洲は髪をクシャクシャに掻き乱し、ただ、ただ後悔をするばかり…。

それより。

真行寺にこんな趣味があったとは…知らなかった。

ある意味、ショック…。

「…はぁ」

重い溜め息が零れたその時。

「アラタさん、まだぁ?」

寝室で痺れを切らせた真行寺が、リビングまで覗きにきた。真行寺は準備万端で、もうパンツ一丁だ。

「まだ着てないの?着せてあげよっか!?ふふっ

「煩いなっ!あっちで待ってろっ」

「こ~わっ!…じゃあ、待ってるから、早く来てよ?」

真行寺はまた、寝室へ戻って行った。三洲は仕方なく、着替え始めた…。

「…今夜だけ…今夜だけ…」

まるで呪文でも唱えるように、ブツブツ言いながらその服を着た。

「腹が寒いな…」

そして、最後にカチューシャをして着替え終了…。
真行寺にはご褒美かも知れないが、三洲にとっては罰ゲームのようにしか思えない…。
リビングの窓ガラスに、自分の姿を映し…一言。

「…有り得ない」

溜め息を零しても、零してもまた、零れる溜め息…。三洲は漸く腹を決め、寝室のドアノブに手を掛けた…。
ほんの少し、ドアを開けると…中から、灯りが漏れる。いつもなら、殆ど点けない寝室の電気を、今日に限って煌々と点けていた…。
こんな恥ずかしい姿を、真行寺に見られたくはないのだが…。今日は、仕方がない、でも!電気は勘弁してほしい…。
そっと、手だけを差し入れて、ドアの横にあるスイッチを切った。

「あっ!何で消すの!?」

暗闇の中から、真行寺の声。

「…恥ずかしくて、入れないだろ?…だから、消したんだ」

三洲はドアの所で立ち尽くしていた…。
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