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寒がりの恋人1 

寒がりの恋人1


12月の東京にイルミネーションが輝き、誰もが心を躍らせるクリスマスが近づいている…。今月に入ってから、真行寺の様子が変だった…。

自室に篭りがち…。

特に元気がない、とかではない。いつものように、家事をせっせとやり、会社も休まず…いつもと同じ。

ただ…。

夜更かしが過ぎる…。

『アラタさん、先に寝てて良いよ』

そう言って、自室に篭る…。だから、最近は一緒にベッドへ入ることはないのだ。目が覚めた時、横にいて…いつベッドへ潜り込んできたかは、分からない。

…一人じゃ、寒いのに。

「何で、俺が温めなきゃならんのだ?」

冷えたベッドを…。

今夜も先にベッドへ入った三洲が、ボソッ…と愚痴った。仕事が忙しいとか、そんなことは一言も言ってなかったのに…。

気になる…。気になりだしたら、眠れない。

「…部屋を覗いてみようか?」

三洲はムクリと起き、ベッドから出てドアを開けようとすると…反対側からドアを開けられ驚き、思わず手を引っ込めた。

「ん?アラタさん、トイレ?」

真行寺がキョトンとして立っていた。

「…あ、あぁ…まあな…もう、寝るのか?」

三洲と入れ違いに寝室へ入った真行寺に聞いた。

「うん、寝るよ。何で?」

「…この頃、寝るの遅いだろ?」

会社の仕事でも持ち込んでるのか?

その問いに真行寺は、

「…う~ん、…そんなとこ…かな?」

ニコッと笑って応えた。

何だか…曖昧。納得はいかないが…だからって、そのことでギャーギャー騒ぐのも大人気ない気がして…。今は我慢して、様子を見ることにしよう…。三洲は、トイレに行く振りをして、寝室を後にした。

三洲はそのままキッチンへ行き、冷やしてあったミネラルウォーターを、一口流し込み再び寝室へ戻った。ベッドを見ると、相当に疲れているのか…真行寺はもう寝息をたてている…。
何だか置いてきぼりを食ったような気持ちのまま、真行寺の隣に滑り込む…。

今夜もこのまま時間が過ぎて…朝を迎える。


~・~・~・~・~・~・~


…翌日。

「ねぇ、アラタさん」

「ん?なんだ?」

「今年のクリスマス、外で食事しない?泊まりで

「…泊まりで?別に、ここで良いじゃないか…。それに、今からじゃ予約も取れないだろ?」

すると、真行寺はにっこりと笑い、

「それなら大丈夫!夏に抑えておいたから

二人で甘い夜を過ごそ?

背中からフワリと抱きしめられた…。今でも、充分甘い生活をしているのに。

「…贅沢だな、真行寺」

「うん一年に一回しかないしさ…いいでしょ?ふふっ

三洲はフッ…と笑い、真行寺の頭を引き寄せ、キスをした…。

口唇が離れ…その余韻に浸っていると三洲が、

「なぁ…何で、この頃…夜遅いんだ?」

…隠し事は、嫌だ。

真行寺の胸に凭れ、聞いてみた…。すると真行寺は、

「…ごめん。今は内緒イブに教えてあげるね

それまで、待ってて

真行寺が優しく微笑んだ…。

「…なんだよ、それ?」

三洲はやっぱり、納得がいかないらしく…下から睨みつけた。

超面白くない。

「そんな顔しないで…」

綺麗な顔だから、ちょっとコワイよ?

おどけた顔をして、真行寺が言った。大したことじゃないのに、苛立ってしまう…。

真行寺のことが、すごく好きだから…。

「…分かったよ」

昨夜、暫く様子を見ようと決めたから…そうしよう。別れる訳じゃないから…。三洲はこれ以上、突っ込むのを止めた。


~・~・~・~・~・~・~


ある日の昼休み。

真行寺は会社の女子社員とあまり人目に付かない場所にいた…。それには、色々と事情があって、他の人には見られたくはない…。
女子社員と言っても、真行寺よりもずっと年上で、家庭を持っている人。その人の子供は、今年の春、大学へ進学したらしい…。

「ねぇ、長野さん…ここなんだけど…イマイチよく分からないんだけどさぁ…」
これで良いの?

「どれ、どれ?…ちょっと貸してみて?」

真行寺が手に持ってる物を、ちょっと拝借…。

「…俺、初めてだからさぁ」

もう、何が何だか…。

「…うん。でも、大丈夫よ?ちゃんと出来てるじゃない…。真行寺君、器用なのね?ふふっ」

長野が、真行寺の顔を見て笑った。

「…あーっ、長野さん…俺のこと変だと思ってるっしょー!?笑ってるし…」

ちょっと、ふて腐れた。

「ヤダーッ!そんなこと、ないわよぉ。むしろ、微笑ましいくらいだわ」

長野は真行寺の肩を、ピシャッ!と、ひっぱいた。

「ってぇーっ!長野さん、骨が折れちゃうっすよぉ!」

これ、完成させなきゃいけないんだからーっ!

「失礼しちゃうわねぇ?そんなに強く叩いてないでしょっ!?それに…毎日コツコツやれば、イブ前に仕上がるわ。もう半分くらい編んだみたいだし…。私も、久しぶりに編みたくなっちゃったわ、マフラー」

出来上がったら、見せてよね?

長野がニコニコして言った。
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