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early spring7 

early spring7


「真行寺?何、顔を赤くしてるんだ?」

真行寺が何か慌てているような…?そんな気がしたので、聞いてみた。別に恵方巻が、喉につかえたわけでもなさそうなのに…。何故、赤い?
真行寺が右手で"待って"のポーズをしながら必死で咀嚼をし、お茶で流し込み…はぁ、と一息ついた。

喋れないって、結構ツライものがある…。

「アラタさん、美味しそうに食べてるなぁ…って、思っただけだよ?」

これは嘘。

「お前はそんなことで、顔が赤くなるのか?」

「なるよ!なる!なる!」

普通はならないけど。そうでも言わなければ、この話は終わらない。
だって…。"口元がすごくエッチだったよ"なんて言えるワケがないのだ!色々と想像してしまったら、顔だって赤くなるんだってば。

「…どうせまた、変なことでも考えてたんだろ?」

三洲は機嫌を悪くするでなく、楽しそうにクスクスと笑っている。
はい。その通りです…。図星でありますが、ここは誤魔化します…。

「…あっ、ねぇ、そんなことはいいからさっ…豆まきしようよ!」

一応、腹ごしらえしたんだし…。

真行寺は必死で、話をはぐらかして福豆を持ってくると、それを三洲に渡し、自分は赤鬼のお面を顔に付けた。

「俺が鬼やるから、アラタさん豆まきね

豆まきは…小学生の時以来していないが、三洲は元々イベント事は興味がなかった。真行寺がいなかったら、もっと気にすることもなかっただろう…。

ここはひとつ、子供に還ったつもりで、豆を握りしめ…。

「鬼は~~外っ!」

一握りの豆を真行寺にぶつけた。

「いてっ!」

当たると意外に痛かったりする。その後も容赦なく豆をぶつけられた。

「鬼は~外っ!福は~ウチッ!」

「いてっ!ちょっ、痛いってばっ!アラタさん…」

もぉっ、ドS!!

「あははははっ!」

三洲は手加減もせず、豆を投げつけて一人で笑い転げていた。

豆まきって…こんなに楽しいものだったのか?

夢中でやっていたら、福豆も半分以上減っていた。全部投げてしまうのもナンだし…。

「真行寺、お前も豆まきしろよ」

豆の入った袋を真行寺に渡すと、真行寺が付けていたお面を、そっと外した。

「え?…いいよ。俺が鬼で…」

「いいから。豆まきしろよ…」

そう言って、三洲はお面を付けた。

こんなことも…滅多にないことだけど、三洲に豆をぶつけるなんて…罰当たらない?

何か企んでたりして…?

「…ねぇ、ホントにいいの?当たると痛いよ?」

「それは力加減の問題だろ?」

…そうか!そうじゃん。痛くないように、そっと当てればいいんだ!

「うんそうだよね?じゃあ、豆まきするね

真行寺は豆を握りしめると、三洲にそっと豆をぶつけた。

「鬼は~外っ!」

すると、三洲は

「真行寺、そんなやり方じゃ鬼が逃げて行かないぞ?もっと、バシッとぶつけろよ…」

遠慮することないじゃないか…。

「…えっ、でも…アラタさん、怒らない!?」

「そんなことで怒らないよ…」

「…ホントにっ!?マジで?」

ではっ!マジで遠慮なく…!

「鬼は~~外っ!福は~~ウチッ!」

今度はバチバチとぶつけると…。三洲が何やら変な動きをしている。

「…ごめん、アラタさん…痛かった!?」

目を白黒させて、真行寺が言うと

「そうじゃない…服の中に豆が入った」

どうやら、衿元から豆が入ったらしい…。

「え?どこ?取ってあげる…」

真行寺は三洲のシャツに手を掛けると、グッと引っ張り上げる…。シャツの裾をバサバサッと振ると、パラパラッ…と、豆が5.6粒床の上に散らばった。

「アラタさんて…ホント細いね?」

いつ見ても…お腹、ぺったんこふふっ

「…何だよ、いつまでもめくってるな…寒いだろ!?」

上目遣いで睨む三洲に構わず、

「だって…勿体ない

堪らず、三洲を腕の中に抱きしめた。


~・~・~・~・~・~・~


そして…寝る時間。

いつものように、電気を消し寝室に入ると…パン、パンと手を叩く音が聞こえた。

「ん?アラタさん?どうしたの?」

首を傾げて、その場に突っ立っていると、三洲がベッドの中からまた手を叩いた。

「…鬼さん、こちら…手の鳴る方へ…」

「…もぉ…アラタさん、何の真似?」

手が鳴ってなくても…来ちゃうけど?ふふっ

真行寺は嬉しそうに、ベッドへ潜り込んだ…。
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